震災救援宣言を採択/連合中央メーデー

(2011年5月6日 調査・解析部)

[労使]

連合は4月29日、東京・代々木公園で第82回メーデー中央大会を開催した。当初は、中央式典のほか、3コースに分かれてのデモ行進や、イベントなどを盛り込んだ「ふれあい祭り」を実施する予定だったが、東日本大震災が発生したことから、デモや祭りは中止し、メーデーの位置づけを「震災復興支援集会」に変更。政府に対し、与野党が協力して復旧・復興に向けた経済・社会の道筋を示すことなどを求める東日本大震災「つながろうNIPPON救援宣言」を採択した。

震災救援宣言を採択/連合中央メーデー:メールマガジン労働情報 No.719(2011年5月6日発行)

参加者は9,000人(主催者発表)。当初の計画から内容を変更し、規模も縮小したことから、代々木公園の野外ステージ(音楽堂)とその周辺が会場として使用された。

主催者挨拶した連合の古賀伸明会長は、「政府はかつて経験したことのない国家的危機ともいえる事態に対処することが求められており、政府・与党のみならず与野党の垣根を越え、さらに、地方自治体や官民の総力をあげたまさにオールジャパンの取り組みによって、この危機を乗り越えていかなければならない」と強調。「政党の党利党略に走る愚を犯してはならず、今こそ一致結束して、この国難に当たるべきだ」と政府側に対して訴えた。

式典では、震災で直接の被害をこうむった連合東北ブロックの連絡代表幹事である山崎透連合宮城会長が、岩手、宮城、福島での復旧・復興の取り組みの現状を報告。「大震災から日がたつにつれ、被災地事業所の廃業・休業に伴う雇用問題も顕在化し、緊急の対応も求められている」と窮状を訴えた。

震災救援宣言を採択/連合中央メーデー:メールマガジン労働情報 No.719(2011年5月6日発行)

南雲弘行事務局長が、東日本大震災「つながろうNIPPON救援宣言」を読み上げ、採択した。宣言は、「今こそ与野党の壁を越え、すべての英知と行動力を結集して、復旧・復興に向けた希望のもてる日本経済・社会の道筋を示すべき」「震災により休業・離職等を余儀なくされた労働者の救済、企業等に対する各種支援策の実施、復興に向けた雇用の創出と各種就職支援対策を積極的に取り組むことを引き続き求めていく」などとしている。

会場では東北地方の野菜が販売され、多くの参加者が購入する姿がみられた。