平均賃上げ額は5,305円で昨年上回る(1日現在)/連合の第3回集計

(2011年4月6日 調査・解析部)

[労使]

連合(古賀伸明会長)は4日、本部で2011春季生活闘争に関する記者会見を開き、1日現在での回答・妥結集計結果(第3回)を公表した。1,137組合(100万7,750人)について集計した平均賃金方式(組合員数による加重平均)での引き上げ額は5,305円で、引き上げ率は1.79%。昨年同時期の集計に比べ、額で119円、率で0.03ポイント上回った。

引き出し組合数では前年比で「遜色なし」

集計結果によると、賃金引き上げで1日までに回答引き出し組合は1,466組合で、同組合数に対応する集計組合員数は120万2,816人。昨年同時期と比べると、回答引き出し組合は39組合多く、「遜色ない数字」(古賀会長)となっているものの、集計組合員数では昨年よりも30万人以上少ない水準となっている。

平均賃金方式での回答について、昨年と比較できる同一組合(757組合、80万5,344人)だけで集計した結果は、引き上げ額が5,304円、引き上げ率が1.79%で、昨年と比べると額では13円アップの微増となっている(引き上げ率1.79%は昨年と同率)。

一方、個別賃金方式での集計結果(組合数による単純平均)をみると、35歳A方式、いわゆるベア額だけの表示方式では、引き上げ額753円で引き上げ率が0.30%。30歳の同方式では、額で3,105円、率で1.26%となっている。35歳B方式、いわゆるベアと賃金カーブ維持分を合わせて表示した方式では、引き上げ額が6,227円、率では2.30%。30歳の同方式では引き上げ額が7,443円、率は3.10%となっている。

中小も微増の4,457円、「極めて健闘した結果」(古賀会長)

中小企業の回答状況について、平均賃金方式の民間300人未満の集計結果でみると、集計組合数は636組合(7万5,460人)となっており、引き上げ額(加重平均)が4,457円、率が1.73%。昨年と比べ99円増(0.01ポイント増)となった。東日本大震災のなか、この時点で4,500円の水準をほぼクリアしたことについて古賀会長は「極めて健闘した結果であると判断できる」と語った。一方で、團野久茂副事務局長は、例年、回答水準は3月、4月がもっとも高く、それ以降は水準が下がっていくことが通用のパターンであることから、「今後、交渉を取り巻く環境は厳しさが増していく」と述べた。

一時金の回答状況(組合員数による加重平均)は、年間ベースで4.85カ月で昨年を0.28か月上回っている。

非正規関係の処遇改善に取り組んでいるのは2,433組合となっている。今季はパートなどの直接雇用だけではなく、連合の方針を踏まえて、派遣労働者といった間接雇用の処遇改善に取り組む組合の増加が目立つ。震災の影響でパート等の賃上げ実績は昨年に比べて少ないが、1日現在で、257組合が要求し、76組合に対して平均で11.84円(時間給)の回答が示されている。