連合が派遣労働者の雇用・労働条件の確保を業界団体に要請/震災と停電の影響踏まえ

(2011年3月23日 調査・解析部)

[労使]

連合(古賀伸明会長)は18日、日本人材派遣協会と日本生産技能労務協会に対し、東北地方太平洋沖地震とそれに伴う計画停電の実施を踏まえ、派遣労働者の雇用と労働条件の確保などを要請した。派遣先の労働組合にも、計画停電などを理由とする派遣労働者の労働条件などへの影響を最小限にとどめるよう求めている。

今回、両協会に要請した具体的な内容は、 (1)震災の影響で派遣先が操業不能になった場合、派遣先などと連携して速やかな就業先の確保に努める。就業先の紹介が困難な場合は、休業手当の支払いなど適切な休業措置を講じる。計画停電による操業停止または休業の場合も同様とする (2)雇用契約の中途解除は行わない。中途解除せざるを得ない場合でも、残りの契約期間の賃金保障を行う (3)公共交通機関の不通・遅延によって出勤不能・遅刻・早退を余儀なくされる派遣労働者については、通常通り勤務したものと取り扱う (4)震災や計画停電により通常経路での通勤ができず迂回通勤した労働者について差額交通費を支給する――ことなど。

その一方で、派遣先の労働組合に対しても、計画停電などを理由とする休業は必要最小限とし、派遣労働者への影響を最小限にとどめることや、震災に伴う原材料不足や計画停電を理由にした派遣契約の中途解除の回避義務を果たすことなどに留意し、必要に応じて経営側への申し入れ等の対応を講じるよう求めている。

連合によると、「計画停電に伴う交通機関の乱れが、安易な派遣切りを誘発している」などといった悪質な事案が労働相談に寄せられるなど、大震災の影響が派遣労働者などの非正規労働者の雇用や労働条件に影響を及ぼしているという。