定昇込みの平均賃上げ5,761円(107組合)に/連合の第1回回答集計

(2011年3月23日 調査・解析部)

[労使]

金属大手が回答を引き出した翌々日の18日、連合(古賀伸明会長)は2011春季生活闘争の「第1回回答集計速報」を公表した。17日夕刻までに回答を引き出した107組合の定期昇給込みの平均賃上げ額は加重平均で5,761円となっている。

多くの産別が交渉・回答引き出しを23日以降にシフト

17日16時時点で回答を引き出したのは107組合(組合員数8万1,744人)。組合員一人あたりの平均賃上げ額(加重平均)は5,761円、率で1.78%だった。

参考までに昨年同時期(3月17日時点)の回答状況をみると、回答引き出し組合数は今回より324組合多い431組合で、組合員数も約58万6,000人多い66万8,432人。回答内容は、平均賃上げ額が5,369円、率が1.78%だった。

連合は11日に発生した東北地方太平洋沖地震への対応を最優先させることとし、今春闘については、 (1)3月14~20日の第1先行組合の回答引き出しゾーンの交渉・回答引き出しは各産別の自主的判断で取り組む (2)回答引き出しが可能な組合は、それぞれの方針に基づき交渉し、引き出しに全力をあげる (3)今後は、災害復旧の状況を見極めて改めて判断する――などの対応方針を決めている。このため、南雲弘行事務局長は現状について「昨年に比べ、回答引き出し組合数が大変少なくなっているが、多くの産別が23日以降に(交渉・回答引き出しを)シフトしているので、今の段階で評価すべきではない」などと話している。

回答引き出しは限定的な動きに

一方、今春闘で3年目となる5つの「共闘連絡会議」の闘争状況については、登録している主要392組合(昨年は395組合が登録)のうち、22日現在、回答を引き出したのは74組合にとどまっている。

共闘会議別にみると、インフラ業界などが復旧対応を最優先して交渉を中断・凍結しているなか、回答の引き出しは「金属」共闘会議の電機や自動車、鉄鋼などの組合と「化学・食品・製造等」と「流通・サービス・金融」共闘会議の内需産業の一部の限定的な動きになっている。

パートの時給引き上げ額は10円(12組合)

なお、パート労働者等の待遇改善の取り組みに関しては、17日までに時間給の引き上げで妥結したのは12組合(昨年同時期89組合)。妥結額は10円で、昨年同時期の12.05円を約2円下回っている。