436組合の加重平均で6,294円(2.30%)を要求/UIゼンセン同盟

(2011年3月11日 調査・解析部)

[労使]

民間最大産別のUIゼンセン同盟(落合清四会長、108万8,200人)は、すでに要求提出を終えた436組合を集計した結果、月例賃金の引上げは、単純平均で体系維持原資分4,951円+賃金改善分1,275円の6,420円(2.52%)、加重平均で同5,002円+1,105円の6,294円(2.30%)となっていることが分かった。このうち、中核共闘に登録している53組合では、ヤマダ電機労働組合が7,439円(3.45%)のほか、ニトリ労働組合が8,915円(2.95%)、サイゼリヤユニオンが7,500円(2.78%)を要求し、平均は6,014円・2.09%となっている。

賃上げ交渉本番を前に決起集会を開催

交渉が本格化する中、UIゼンセン同盟は10日夜、都内で「2011労働条件闘争・統一地方選挙勝利中央総決起集会」を開催した。落合会長は、「今次の賃金闘争における要求はささやかなものだ。こんな高い要求をという議論は1月に終えている。要求と妥結の乖離はない。もし乖離が出るとしたら、それは(妥結承認権限を持つ)闘争委員長が責任を負わなければならない」と述べ、参加者に奮起を促した。

UIゼンセン同盟の集計によると、集中回答日を来週に控えた現時点で、統一賃闘には1,780組合が参加。その要求内容について情勢報告した松浦昭彦書記長は、「マスコミでは他産別の取り組みをベア見送り・一時金重視などと報道していることから、交渉の難航が予想されるが、実際には自動車総連でも加盟約1,000組合の半数以上、電機連合や基幹労連等でも数十組合が、格差是正のための賃金引上げ要求を掲げ、中小の多いJAMの(賃金改善分の)要求平均は2,000円弱になる見通しだと聞いている。企業業績は明確に改善している。内需拡大のために現役世代の所得増加が不可欠だ。争議対応も視野に、粘り強い交渉を展開していただきたい」と述べた。

パートは単純平均24.7円(2.6%)を要求

一方、組合員の47%(50.8万人)を占める、パートを中心とした「短時間組合員」の要求基準については、「制度に基づく昇給・昇格分の確保」を前提に、制度がない場合は、(1)タイプA(正社員と職務も人材活用の仕組み・運用も同じ)は正社員と同一の方法で決定することを原則(2)タイプB(正社員と職務は同じだが人材活用の仕組み・運用が違う)は40円(3)タイプC(正社員とは職務も人材活用の仕組み・運用も違う)は20円目安――に設定。賃上げ要求は、現時点で集約している84組合(対象者数27.9万人)の単純平均で24.7円(2.6%)、加重平均で15.8円(1.8%)となっている。なお昨年の妥結実績は、単純平均で10.7円(1.1%)、加重平均で8.0円(0.9%)だった。

梯団方式で昨年を上回る回答めざす

今後の交渉展開についてUIゼンセン同盟は、 (1)JC回答も横睨みしながら3月15~16日に回答を引き出すリード組(Aグループ) (2)その結果を見ながら交渉し23日までに回答を引き出す追随組(Bグループ) (3)以上の動向を踏まえて3月末までに妥結組(Cグループ) (4)その他(Dグループ)――の梯団方式で、相乗効果により昨年を上回る回答をめざしている。

集会では、組織内・準組織内から70人の候補者を立てて臨む統一地方選挙の必勝に向け、決意表明も行われた。