定昇2.0%プラスベア2,500円を要求/私鉄総連中央委員会

(2011年2月4日 調査・解析部)

[労使]

私鉄総連(渡辺幸一委員長、13万人)は3日、都内で拡大中央委員会を開き、今春闘の賃上げ交渉で一人平均2.0%(定昇相当分)プラス2,500円(ベア分)を要求することなどを含む2011年春闘方針案を採択した。

渡辺委員長はあいさつで、「都道府県別の平均賃金と私たちの平均賃金額との間には著しい開きがある。魅力ある労働環境と将来展望が見いだせなければ、人材確保や産業の未来はない。懸命に地域公共交通を維持している組合員のためにも経営側の誠意ある回答を求め、全力で交渉を展開していくことが必要だ」と述べ、積極的な賃上げ交渉を要請した。

私鉄バス組合の統一要求では、組合員の基本給を一人平均で2.0%(定昇相当分)プラス2,500円(ベア分)の引き上げを求める。一時金については、水準の底上げを図るため年間5カ月分の要求を基本に据えるが、実現が難しい組合は年間3カ月分を最低水準とした。

一方、ハイタク専業組合は私鉄バス労働者と同水準の賃金をめざす。月例基本給では、一人2.0%(定昇相当分:定昇額1,500円+調整給3,000円)プラス2,500円(ベア分)の引き上げを要求。一時金については、年間5カ月分を基本目標とし、2010年度の各組合協定額プラス3万6,000円を要求する。

また、加盟組合の4分の3が定期昇給制度をもっていないことから、早期に賃金制度を整備するよう求める。タクシー運転手の賃金制度は歩合制が基本となっており、不安定な労働条件を強いられていることから、固定給(基本給+勤続給+手当)を8割、歩合分を2割とした安定的な制度の確立も求めていく。