パート労働者の組合員数、過去最高の72万人6,000人に/労働組合基礎調査

(2010年12月15日 調査・解析部)

[労使]

労働組合に加入するパートタイム労働者の数が過去最高の72万6,000人となったことが12月14日、厚生労働省がまとめた2010年の「労働組合基礎調査」で明らかとなった。前年から2万6,000人の増加。女性の組合員数も前年比3万1,000人増の296万4,000人となり、5年連続で増加した。

調査は全国の労働組合を対象に2010年6月30日時点の実態を調べたもの。

調査によると、組合員数は1,005万4,000人となり、前年から2万4,000人減少した。全雇用者に占める組合員の割合を示す「推定組織率」は34年ぶりに上昇に転じた前年から変わらず18.5%だった。推定組織率は労働組合員数を全雇用者数で割った数値。組合員数の減少にもかかわらず、推定組織率が前年度水準を維持したのは「分母」の雇用者数が昨年より8万人も減少したためだ。

一方、パートタイム労働者の組合員数は前年比2万6,000人増の72万6,000人となった。推定組織率は同0.3ポイント上昇の5.6%。いずれもパートタイム労働者の状況を調査項目に加えた1990年以降で最高の数値を示した。

女性の組合員数も前年から3万1,000人増の296万4,000人となり、5年連続で増加。推定組織率も前年比0.1ポイント上昇の12.8%となった。

産業別の増加幅をみると、パートタイム労働者の数がもっとも多い「卸売り・小売業」が同2万8,000人増ともっとも大きかった。うち、パートタイム労働者の数は1万6,000人と半数以上を占めた。

主要団体別の状況をみると、連合は前年より4万4,000人増えて687万6,000人。全労連が86万9,000人(前年比1万4,000人減)で、全労協は13万3,000人(同7,000人減)だった。

また、産別組合で増加幅がもっとも大きかったのはパートタイム労働者の組織化に力を入れるUIゼンセン同盟で同2万7,000人増となった。ついで、電機連合の同1万9,000人増、サービス・流通連合の同1万2,000人増の順。

パートタイム労働者の増加幅でみると、もっとも大きかったのはサービス・流通連合の同1万4,080人増で、以下JP労組の同8,440人増、UIゼンセン同盟の同7,360人増と続いた。

こうした結果について、連合の南雲弘行事務局長は同日談話を発表。パートタイム労働者の組合員数が増加したことについて、「正規労働者にとどまらず、『すべての働く者のために頑張る』をスローガンに掲げた連合の取り組みが結果となってあらわれたものと考える」との見解を示した。

一方、全労連も同日、「職域と地域の未組織労働者への働きかけを強め、労働組合の社会的存在と役割を大きく宣伝し、最高時現勢をめざす組織拡大への取り組みに全力をあげる」などとする小田川義和事務局長談話を発表している。