「官製ワーキングプアをなくせ!」院内集会と議員要請/自治労連

(2010年12月10日 調査・解析部)

[労使]

全国の市役所や役場、自治体病院、保育所をはじめ、外郭・関連職場に働く公務公共労働者で組織する自治労連(野村幸裕委員長、17.9万人<パート等1.2万人>)は9日、院内集会「雇止めをやめろ!官製ワーキングプアをなくせ!」を、議員会館内で開催し、衆・参総務委員会に所属する議員等への要請行動を行った。

3~5年の上限設定や雇用中断期間は廃止を

集会では、自治体現場から「枚方市一般職非常勤職員988人に対する一時金・退職金の返還訴訟で、大阪高裁から9月17日に、原告住民の請求を全面的に棄却する逆転判決が下り、上告されずに確定したことを、待遇改善の取り組みに活かしていこう」とする提起(大阪)があった。また、3月末に、滋賀県の高島市で168人の臨時職員、東近江市でも19年にわたる反復更新も含む嘱託職員6人が雇止めされたことを受け、地方労働委員会に不当労働行為の申立てを行っているほか、10月4日には損害賠償請求事件として大津地裁に提訴したことも報告(滋賀)された。

今後の行動提起では、第176回臨時国会でも、官製ワーキングプアをめぐる議論がみられ、片山総務相から「本来のあるべき姿とは異なる使い方がなされているのなら見直す必要がある」との答弁があったことなどを踏まえ、総務相に対する要求書の提出へ向け、10万人署名の集約に取り組んでいくことなどを確認した。

要求書では、 (1) 合理的理由のない「雇止め」や「3~5年の上限設定」は行わないよう徹底するとともに、「雇用中断期間」を廃止すること (2) 基幹・恒常業務に従事する非正規雇用職員を正規化するとともに、均衡待遇に基づく「任期の定めのない短時間勤務職員制度」を確立すること (3) 非正規雇用職員の賃金について、職責・経験を考慮した賃金決定や一時金・退職金支給を行うよう助言すること (4) 公務公共関係労働者の賃金・労働条件について、自治体職員との均衡待遇に配慮した抜本的な改善を行うよう助言すること (5) 指定管理者制度について、廃止を含め抜本的に見直すこと。また、指定管理・委託先変更に伴う雇用承継を制度化すること――を求めている。

「誇りと怒りの大運動」の全国展開で世論を形成へ

集会であいさつした猿橋均・書記長は、「今年の定期大会では、これまで訴え続けてきたすべての労働者の雇用安定と均等待遇を改めて社会に問い、世論を形成していくための『誇りと怒りの大運動』を、全国で積極的に展開してゆく方針を決定した。当たり前に働けば当たり前の生活ができる誇り、住民サービスを支える重要な役割を果たしている誇りを取り戻せるよう、正規・非正規が一体となり、要求実現に取り組んでいく構えだ」などと述べた。