空港など主要ターミナルの未組織労働者の組織化を/連合がターミナル労協を発足

(2010年9月1日 調査・解析部)

[労使]

連合(古賀伸明会長)は8月31日、主要な空港や駅などのターミナルで働く未組織労働者の組織化に向けた「主要ターミナル関係労組中央協議会(略称:ターミナル労協、代表:南雲弘行事務局長)」を発足させた。多様な業種の未組織労働者が多く働くターミナルに焦点を当て、ライフサポートや組織化に取り組む。

業種や企業の枠を超えた活動を

成田、羽田などの空港や東京、新宿などの主要な駅には、旅客・貨物サービスをはじめ、ビルメンテナンス、警備、店舗関係(食堂、コンビニ等)などさまざまな業種の労働者が働いている。しかし、こうした労働者の多くは未組織のまま。そこで、関係する産別や地方連合会が連携し、業種や企業の枠を超えて日常的な相談活動や組織化を行うことにした。

具体的な活動は、ターミナル内にライフサポート機能を持つ事務所を設けて、専従職員を配置。日常的な労働相談や各種キャンペーンなどを行い、個人加盟による組織化を進める。受け皿は個人加盟の地域ユニオンで、一定数がまとまった後は関連の構成組織に移行させる。組織化にあたっては、共有の食堂や託児所を設置するなどして、働く人に組合への加入を呼びかける。

また、取り組みの推進に向け、ターゲットとなるターミナルに関係する構成組織や地方連合会が連携して「関連労組連絡会」を立ち上げる。そこを拠点に情報交換などを行い、ターミナル労協が連絡調整などの役割を担う。

最初のターゲットは成田国際空港

最初のターゲットは、「成田国際空港」。連合の資料によると、同空港には674事業社、4万8,404人(2008年11月現在)が働いている。航空連合やサービス連合、国公連合(成田空港労組)などの空港関連労組はあるが、その多くは未組織労働者だという。

こうした現状を踏まえ、以前から同空港で働く労働者の組織化を重点課題としてきた連合千葉を中心に「成田国際空港関連労組連絡会(仮称)」を立ち上げ、組織拡大に向けた活動を展開。相互の関連が深い羽田空港対策も同時に進める。

今後の検討課題は、セキュリティー面での規制が厳しい同空港内での活動のあり方や活動拠点の確保など。併せて、空港内関連労組の組織化の状況などの実態把握も行う考えだ。

ターミナル労協に参加する構成組織は、航空連合、国公連合(全農林、税関労組、政労連)、サービス連合、私鉄総連、JP労組、UIゼンセン同盟、電機連合、運輸労連、JR連合、情報労連、JR総連、サービス流通連合、交通労連、NHK労連。連合千葉と連合東京、交運労協も加わる。