社会の原働力としての役割を果たそう/連合メーデー中央大会

(2010年4月30日 調査・解析部)

[労使]

連合(古賀伸明会長)が主催する第81回メーデー中央大会が4月29日、東京・代々木公園で開かれた。主催者発表で3万3,142人が参加。古賀会長は、「1,000万人連合をもう一度展望し、社会の原働力としての役割を果たそう」と訴えた。

第81回メーデー中央大会/メールマガジン労働情報 No.622(2010年4月30日記事)

『労働あるところに労働組合あり』が当然の社会づくりを

式典の冒頭、古賀会長はあいさつで、「働く者こそが日本の原動力であり、5,500万人の雇用労働者と、その家族の個人消費が伸びなければ、日本の景気回復が見えてこない。そして、老後の不安、新規学卒者の厳しい採用状況も含めた雇用・失業への不安などの社会不安を払拭しなければ、活力ある日本社会を取り戻すことはできない」などと指摘。「希望と安心の社会に向けて、何としても早期に対応しなければならない課題」として、 (1)雇用創出 (2)均等・均衡待遇の実現 (3)最低賃金の大幅な引き上げ――の3点を挙げて、「これらの実現に向け、連合は運動の先頭に立ち、政府関係者や経営側に強く要請していく」考えを示した。

さらに、組織化の推進と春闘時における全労働者を対象とした労働条件改善の取り組みを「連合自身がもう一度肝に銘じて取り組まなければならない使命だ」と強調。「労働組合こそ働く者にとって、真に機能するセーフティネット。春季生活闘争では、すべての働く者の処遇改善に向けた運動が着実に広がりつつある」などと述べ、「連合結成当時の目標だった1,000万人連合をもう一度展望し、社会の原働力としての役割を果たさなければならない。『労働あるところに労働組合あり』が当然という社会づくりに向けて、連合がその牽引力になろう」と呼びかけた。

景気を回復して雇用の拡大を

式典には鳩山由紀夫首相や長妻 昭厚生労働相らが来賓として出席した。現職首相の出席は、2001年の小泉純一郎元首相以来9年ぶり。鳩山首相は「失業者には、マンツーマンでサポートする人をつけて、すぐに新たな仕事が見いだせるようにする。非正規労働者には、職業能力を高めるたられる仕事を提供する。最低賃金は、中小企業には何らかの手を差し伸べながら、引き上げていくために努力する。このような雇用政策を連合とタッグを組むなかでしっかりつくりあげていきたい」などと訴えた。

第81回メーデー中央大会/メールマガジン労働情報 No.622(2010年4月30日記事)

長妻厚労相は、「雇用環境は新卒者をはじめとして、依然として大変厳しい状況にある。一刻も早く景気を回復し、新成長戦略で雇用の拡大に取り組む。目指すべき社会は格差が少なく、何歳になっても働きたい人が働くことができ、安心して子どもが産め、地域で健康に長寿を迎えられる社会だ」などと述べた。

大会では、「誰もが希望と安心が持てる社会を構築するための政策」の実現などを求めるメーデー宣言を採択した。

なお、5月1日には、全労連や全労協などのメーデーが開かれる。