5つの共闘連絡会議が62銘柄を公表/連合

(2010年3月12日 調査・解析部)

[労使]

連合(古賀伸明会長)は11日、産業部門ごとに5つ設定している共闘連絡会議の代表者全体会議を開き、それぞれの産別が持ち寄った賃金データをまとめた代表銘柄を確認した。中堅・中小労組や非正規労働者の賃金改善などの交渉の際の指標にすることが主な狙い。自動車総連や電機連合、基幹労連などで構成する「金属共闘連絡会議」が14銘柄をまとめたのをはじめ、「化学・食品・製造等」「「流通・サービス・金融」「インフラ・公益」「交通・運輸」の各共闘会議が、代表職種の年齢ポイントなどによる基本給を中心とした賃金データを公表している。

「自動車製造組立・高卒35歳」10社の平均で31万700円など

この日の代表者全体会議で確認した代表銘柄は表(添付pdfファイル)の通り。

金属共闘連絡会議は、「自動車製造組立・高卒35歳」(10社の平均で31万700円)や、「電機メーカー開発・設計職基幹労働者・30歳相当」(中闘14組合の平均で31万2,400円)など14銘柄のデータを公開。JEC連合やフード連合などで構成する化学・食品・製造等共闘連絡会議は、「石油・30歳技術職」(7社の平均で28万5,300円)、「化学・30歳技術職」(33社の平均で27万3,000円)など16銘柄の産別データをオープンにした。このほか、UIゼンセン同盟やサービス流通連合、自治労などの流通・サービス・金融共闘連絡会議(12銘柄)、情報労連や電力総連などでつくるインフラ・公益共闘連絡会議(11銘柄)、運輸労連や私鉄総連などの交通・運輸共闘連絡会議(9銘柄)もそれぞれ代表銘柄をまとめている。連合によれば、JEC連合や全国ガスなどの産別が賃金水準を公表したのは初めてのことだという。

特定ポイントでの絶対水準を集約する方向に

ただし、銘柄の公表の仕方に関しては、産別によって違いが鮮明になってもいる賃金水準は30歳、35歳の個別ポイントでの絶対水準以外に、平均賃金の水準で示した銘柄も少なくなく、単純な比較が難しいデータも多く含まれている。

今回のデータの開示について、團野久茂副事務局長は、「非正規労働者が3割を超えるなか、その賃金は働き方別に市場の労働需給によって決められる。そこで、今回から企業ごとの交渉で決まった労働条件を産別が整理して連合に報告し、それを集積することで連合が日本型の働き方別の賃金(指標)を作っていくことにした。ただ、今年が1回目なので運動をスタートさせるために水準の出し方については目をつぶって整理した。今後は平均・勤続という形ではなく、(比較ができるように)あるポイントでの絶対水準を報告できる方向に持っていきたい」「(代表銘柄は)ゆくゆくは産別ではなく、産業名で産業ごとに賃率形成をしていきたい。併せて、所定労働時間の把握も行い、それを割り戻して時間給を提示することで非正規労働者のベンチマークとしていきたい」などと説明している。