定期大会に合わせ要求実現決起集会を開催/介護クラフトユニオン

(調査・解析部)

[労使]

UIゼンセン同盟傘下で主に介護従業者を企業の枠を超えて組織する、日本介護クラフトユニオン(NCCU・河原四良会長、5万3,000人)は17日、都内で第10回定期大会および09年の介護報酬改定を見据えた要求実現決起集会を開催した。

河原会長は挨拶の中で、UIゼンセン同盟の賃上げ要求基準に沿い、月給制組合員を7,000円(賃金引上分2,000円+他産業との格差是正分5,000円)以上、時給制組合員は40円(月給制組合員の要求額7,000円をその月間平均勤務時間<170時間>で割った額をもとに算出)以上――などの方針を掲げて臨んだ08労使交渉を振り返り、「この一年間の春の賃上げ交渉、一時金交渉、その他諸条件改善の交渉等々、労使の交渉は事業者の経営実態を反映して非常な苦難を強いられた」「昇給ゼロ、一時金ゼロで合意指示をせざるを得ない分会が例年よりも多くあり、私としても大変申し訳なく思っている」――などと述べた。

その上で、「やはり介護報酬の改善がまずは大切との思いを益々強くした。賃金アップのためには、事業者の適切な利益も増えなければならない」と強調。「(NCCUの)アンケート結果でも他調査でも、介護職の離職原因のトップは『賃金が低い』こと」(NCCU就業意識実態調査によると現在、働く上での悩み、不安、不満がある割合(男性92.3%、女性79.8%)のうち、『賃金が安い』はそれぞれ66.9%、53.5%)とし、「人材難を打破するには、その処遇を改善するしかない」などと述べた。

大会では、 (1) 集団交渉への取り組み (2) 労働条件の整備と向上 (3) 組織の拡大と強化――等を柱とする、向こう一年間の活動方針を決定。また、役員改選を行い、河原四良・会長、陶山浩三・事務局長らを再任した。

大会終了後には、09年の介護報酬改定を見据え、「もう限界!介護報酬から立て直せ」要求実現決起集会を開催した。

(1) 他職種に比し劣らない賃金水準を実現できる介護報酬に改定する (2) 介護報酬の改定に当たっては、新たな保険料負担並びにサービス利用料負担が発生しない政策を確立する――ことを求める請願署名に対し、15日現在までに18万2,416筆を集約したことなどを報告。今週にも衆参両院議長へ提出する予定で、処遇改善につながる09介護報酬改定を強く求める姿勢を改めて確認した。