■□――【メールマガジン労働情報/No.2043】
2024年の月額賃金33万400円、前年比3.8%増/賃金構造基本統計調査 ほか
―2025年3月19日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】2024年末の在留外国人数、約376万人で過去最高を更新/出入国在留管理庁 ほか
【統計】2024年の月額賃金33万400円、前年比3.8%増/賃金構造基本統計調査 ほか
【労使】実効ある「学校の働き方改革」を求める運動を強化/日教組中央委員会 ほか
【企業】積立有給休暇等の休暇制度を導入/エイチ・アイ・エス ほか
【海外】2024年の育児休業取得者数が過去最高、男性も30%を超過/韓国
【イベント】「社会保険入門講座」/神奈川県労働福祉協会
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【JILPT研究成果情報】
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◇調査シリーズNo.250『若年者の初職における経験と若年正社員の離職状況
―第3回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査―』
本調査は、若者がキャリア形成できる職場・社会のあり方を探るための調査で、3回目の調査となります。
初職が非正社員であった若者は、正社員であった若者に比べ、職場での教育訓練やエンゲージメントが不足し、
勤続しても成長につながりにくく、仕事の相談相手にも乏しい傾向がある一方、初職が正社員の場合は職場
トラブルを経験した者が非正社員の若者より多い、などがわかりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2025/250.html
◇ディスカッションペーパー25-03『中間層の暮らし向きは案外良くない』
中間層(中間所得層)について、1990年代から2010年代にかけての暮らし向きの低下に着目し、特に労働時間
や就業形態、家計の消費支出などが暮らし向きに与える影響を検証しました。所得から見て中間層に区分され
ても、暮らし向きは良好な世帯、良好でない世帯があり、多変量解析の結果、暮らし向きの高低と、妻の
就業時間の長短あるいは妻の就業形態との間に関係があることが示されました。
https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2025/25-03.html
◇記者発表
「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査」(企業調査、労働者調査)結果
JILPTは13日、標記調査結果を記者発表しました。人材育成・能力開発の現状と課題を把握するため調査を実施
したところ、8割超の企業が教育投資が生産性向上に効果的と認識していました。また、従業員で自己啓発を
実施した人は15%足らず。実施しない理由(複数回答)は「仕事が忙しく時間が取れない」が3割超、「自己
啓発しても会社で評価されない」が約4分の1、などがわかりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20250313.pdf
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【JILPTからのお知らせ】
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★「メールマガジン労働情報」は3月21日(金)の配信をお休みします。
次回の配信は3月26日(水)です。
★2026年度 職員(事務職員)募集について
労働政策研究・研修機構では、2026年度採用の事務職員(総合職)を募集します。
詳細は下記よりご覧ください。
https://www.jil.go.jp/information/koubo/shokuin/2025/index.html
★25年度「東京労働大学講座・総合講座」(5月開講、オンライン開催)募集開始!
本講座は今回で74回目を数え、歴史と伝統を誇る講座です。
「人事管理・労働経済」「労働法」の2部門で、現代の労働問題を学習するのに最適なトピックス31課目を精選。
当該分野の第一人者の講師陣が、労働市場の現状や課題、労働問題などについて講義を行います。
<人事管理・労働経済>部門 5月7日(水)~7月4日(金)(17講義日+試験)
<労働法> 部門 7月10日(木)~8月29日(金)(14講義日+試験)
開催方式:オンライン開催(ライブ配信)※オンデマンド配信ではありません。
配信方法:Zoomウェビナー利用
講義時間:午後6時30分~8時30分まで(120分)
受講料 :1部門につき35,000円(税込)、2部門受講は58,000円(税込)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html
☆『労働関係法規集2025年版』好評発売中!
主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの法規集です。2025年版では、
「子ども・子育て支援法」「特定業務委託事業者が募集情報の的確な表示、育児介護等に対する配慮及び
業務委託に関して行われる言動に起因する問題に関して講ずべき措置等に関して適切に対処するための指針」
などを新たに収録するとともに、「次世代育成支援対策推進法」「雇用保険法」などの改正法令も収録しています。
【B6判変型1,332頁 定価:1,980円(本体1,800円) 3月14日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html
◇「最近の統計調査結果から」(2025年2月)
官公庁から最近発表された労働統計等をご紹介しています。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2025/202502.html
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2025/documents/202502.pdf
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【行政】
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●2024年末の在留外国人数、約376万人で過去最高を更新/出入国在留管理庁
出入国管理庁が14日に公表した2024年末現在の在留外国人数は376万8,977人(前年末比10.5%増加)で過去最高
を更新した。在留資格別では「永住者」91万8,116人(前年比3.0%増)が最多、次いで「技能実習」45万6,595人
(同12.9%増)。前年末比の増加率が最も高いのは「特定技能」(36.5%増・28万4,466人)だった。
国籍別の人数は、中国(87万3,286人)が最多で、ベトナム(63万4,361人)、韓国(40万9,238人)が続く。
前年末比の増加率が高いのは、ミャンマー(55.5%)、インドネシア(34.0%)、ネパール(32.2%)など。
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00052.html
▽公表資料
https://www.moj.go.jp/isa/content/001434755.pdf
●「特定技能」の届出緩和など改正入管法関連省令等を公表/出入国在留管理庁
出入国管理庁は12日、4月1日施行の省令改正と、改正による在留資格「特定技能」の運用変更を公表した。
特定技能所属機関(特定技能外国人を雇用する企業等)は、地方公共団体から共生社会の実現のために実施する
施策への協力を要請されたときは協力することとされ、特定技能外国人の受入れに当たり、事業所の所在地及び
住居地が属する市区町村へ「協力確認書」を提出すること、などが必要とされる。また、特定技能所属機関に
よる定期届出は、届出項目の変更及び提出頻度が1年に1回(従来は、四半期ごと)に変更となる。
https://www.moj.go.jp/isa/10_00222.html
▽特定技能制度における運用改善について
https://www.moj.go.jp/isa/10_00225.html
●大学生の就職内定率92.6%、前年同期比1.0ポイント上昇/厚労省・文科省調査
厚生労働省と文部科学省は14日、2025年3月大学等卒業予定者の就職内定状況(25年2月1日現在)を公表した。
大学(学部)の就職内定率は92.6%(前年同期比1.0ポイント上昇)で調査開始以降、同時期では過去最高。
短期大学は84.9%(同0.8ポイント低下)。文系・理系別(大学)では、文系は92.7%(同0.9ポイント上昇)、
理系は92.4%(同1.7ポイント上昇)。男女別では、男子は91.6%、女子は93.8%でいずれも1.0ポイント上昇。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00053.html
▽公表資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001442656.pdf
●職場における熱中症対策の強化、労働安全衛生規則の改正省令案要綱を答申/労政審
労働政策審議会は12日、労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱について、妥当と答申した。
熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、(1)熱中症の自覚症状がある作業者や熱中症のおそれのある
作業者が生じた場合の報告体制、(2)作業からの離脱や必要に応じた医師の診察等の悪化防止のために
必要な措置とその実施手順、を事業場ごとに事前に定め、作業関係者に周知することを義務付ける。
6月1日から施行。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/newpage_00043.html
▽改正案要綱
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001441014.pdf
▽資料1-1:職場における熱中症対策の強化について(その2)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001439158.pdf
●2025年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の実施/厚労省
厚生労働省は、5月1日から9月30日まで「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施する。
暑さ指数(WBGT)の把握とそれに応じた熱中症予防対策の実施、熱中症に影響のある疾病を有する者への配慮、
などの対策徹底を図る。これらの措置は同じ場所で作業に従事する労働者以外の者も対象に含める。
同省が公表した「2024年職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(1月7日時点速報値)によると、
2024年の職場での熱中症による死亡者及び休業4日以上の業務上疾病者の数は1,195人(うち死亡者数30人)で、
多くの事例で「WBGT」を把握せず、発症時・緊急時の措置の確認・周知の実施が確認できなかったとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/coolwork_20250228.html
▽「2024年熱中症による死傷災害の発生状況」
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001426738.pdf
●「雇用就農資金」2025年度の募集/農水省
農林水産省では、雇用就農者の確保・育成推進のため、50歳未満の就農希望者を新たに雇用する農業法人等に
対し雇用就農資金を助成する。今回は2025年度第1回目の募集。事業タイプ別に3種類あり、雇用就農者育成・
独立支援タイプと新法人設立支援タイプは4月7日まで募集し、次世代経営者育成タイプは2026年1月30日まで
随時募集。
https://www.maff.go.jp/j/press/keiei/zinzai/250312.html
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【統計】
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●2024年の月額賃金33万400円、前年比3.8%増/賃金構造基本統計調査
厚生労働省は17日、2024年「賃金構造基本統計調査」結果を公表した。一般労働者(短時間労働者以外の労働者)
の月額賃金は、男女計33万400円(前年比3.8%増)、男性36万3,100円(同3.5%増)、女性27万5,300円(同4.8%増)。
男女計、男性及び女性とも1991年以来33年ぶりの高い伸び率。男女間賃金格差(男性=100)は75.8(前年差
1.0ポイント上昇)は、比較可能な76年以降で、格差が最も縮小。短時間労働者の賃金は、時間当たり男女計
1,476円(同4.5%増)、男性1,699円(同2.5%増)、女性1,387円(同5.7%増)。
賃金構造基本統計調査は、主要産業の雇用労働者(10人以上雇用の事業所)の賃金調査で、今回は24年6月分
として支払われた所定内給与額の平均。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/dl/13.pdf
▽統計表
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/index.html
▽概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/dl/14.pdf
●2023年度1カ月平均の保護の申請件数、前年度比2.3%増/被保護者調査
厚生労働省は14日、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2023年度確定値)結果を公表した。
23年度1カ月平均の保護の申請件数は2万949件で、前年度1カ月平均比474件(2.3%)増。保護開始世帯数は
1万8,509世帯で3.2%増。被保護実世帯は165万478世帯で0.4%増。被保護実人員は同202万576人で0.2%減。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2024/kakutei.html
▽報道資料(2023年度確定値)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2024/dl/r05houdou.pdf
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【労使】
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●実効ある「学校の働き方改革」を求める運動を強化/日教組中央委員会
日教組(梶原貴委員長、19万6,000人)は14日、都内で中央委員会を開き、運動を進めるにあたっての
「当面の取り組み」を確認した。取り組み方針は、教職員等の賃金改善や長時間労働の是正、ワーク・
ライフ・バランスの実現に向けた対応などの労働政策を提示。梶原委員長は、学校の働き方改革の実現に
向けて「業務削減、人員増、給特法の廃止・抜本的見直しの3本柱を求めていく」などと述べ、実効ある
取り組みの推進を訴えた。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20250319.html
●仕事と育児の両立支援の事例集、3社を追加して掲載/経団連HP
経団連は7日、ホームページに「仕事と育児との両立支援 事例集―男性の家事・育児の促進に向けて―」を
東日本旅客鉄道など3社を追加して掲載した。企業における男性の育休取得促進や柔軟な働き方の拡充、
人事評価の工夫や周囲の社員への支援などの取組みについて、業種・規模の異なる18社の事例を紹介している。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/086.html
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【企業】
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●積立有給休暇等の休暇制度を導入/エイチ・アイ・エス
旅行業のエイチ・アイ・エス(HIS)は5日、3つの休暇制度の導入を発表した。積立有給休暇制度は、
2年で失効する有給休暇を積み立てて利用できる。使用事由は本人の病気・けが、骨髄ドナー、不妊治療で、
1日単位で取得し有効期限は3年、年間積立日数上限は10日(総積立日数上限は30日)で5月1日から導入。
時間単位年次有給休暇制度は、時間単位での年休取得を可能とし、取得日数上限は5日で4月1日から導入。
シフト勤務の正社員・契約社員が対象。永年勤続特別休暇制度は、勤続10年等や定年を対象に付与していたが
コロナ禍で中断・休止していた制度で4月1日から再導入する。これらの導入はワークバランスの充実と
多様な働き方の推進のため、としている。
https://www.his.co.jp/news/20324.html
●三菱UFJ信託銀、初任給30万円に
三菱UFJ信託銀行は2026年4月から、新入社員の初任給を引き上げる。大卒は現行から4万5,000円増額し
30万円に、大学院修了は4万円増額し33万円に改定する。優秀な人材を確保するため採用競争力を高める。
物価高騰に合わせて生活水準を維持する狙いもある。
初任給の引き上げは24年4月以来、2年ぶり。入社2年目以降の社員についても、新卒の処遇を下回らない
よう給与を今後改定する。
転居を伴う異動がない採用枠では、大卒で28万5,000円(3万5,000円増額)、大学院修了で31万5,000円(3万3,500円増額)とする。
(時事通信)2025年3月1日 ※リンク先なし
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<韓国>
▽2024年の育児休業取得者数が過去最高、男性も30%を超過
雇用労働部は2025年2月23日、2024年の育児休業取得者数が過去最高の13万2,535人を記録し、男性の
育児休業取得者数も4万1,829人で全体の31.6%を占めたと発表した。2024年の育児期労働時間短縮の
利用者数は2万6,627人で前年より3,439人(14.8%)増加した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/03/korea_01.html
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【イベント】
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●「社会保険入門講座」/神奈川県労働福祉協会
神奈川県労働福祉協会は4月22日(火)、「社会保険入門講座」を会場(横浜市)とZoomライブで開催する。
社会保険事務担当者が、備えておくべき社会保険の実務の基礎知識について、特に重要な部分を抽出して
整理し、解説する。受講料13,200円。要事前申込。定員は、会場18名、Zoom500名。指定日(1日限定)に
見逃しオンデマンド受講も可能。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/hoken-beginner.html