労組が賃上げ拒否、スト継続 7~9月期は赤字9400億円/米ボーイング
ニューヨーク時事によると、米航空機大手ボーイングの労働組合は23日、経営側が提案した4年間で35%の賃上げを柱とした労働協約を否決した。投票した組合員の6割が反対した。1カ月に及ぶストライキが継続し、経営に一層打撃を与えそうだ。
スト継続を受け、主力の777型機などの生産停滞が長引き、サプライチェーン(供給網)のさらなる混乱は不可避の情勢。三菱重工業など日本企業が航空機生産の一部を担っており、こうした企業にも損失が生じる恐れがある。
これに先立ちボーイングが同日発表した2024年7~9月期決算は、純損益が61億7400万ドル(約9400億円)の赤字となった。赤字は9四半期連続で、コロナ禍だった20年以降で最大規模。先月始まった16年ぶりのストが生産に打撃となった。
売上高は前年同期比1%減の178億4000万ドルだった。オルトバーグ最高経営責任者(CEO)は「ボーイングがかつての栄光を取り戻すには時間がかかるだろう」と経営環境の厳しさを認めた。
近年のボーイングは、18年と19年の2度の墜落事故に加え、今年初めには飛行中の機体の壁が吹き飛ぶなど、品質対策が急務。安全確保のため生産ペースを落とさざるを得ず、新型機の投入も遅れている。
ボーイング(BA)決算の概要
- 24年7~9月期
- 前年同期
- 売上高
- 17,840 18,104
- 純損益
- ▲6,174 ▲1,638
- 1株損益
- ▲10.44 ▲3.26
(注)売上高と純損益の単位は100万ドル、1株損益は調整後、ドル。▲は赤字
(ニューヨーク時事)
2024年10月24日