■□――【メールマガジン労働情報/No.1998】
若年正社員、定着の対策は「労働時間の短縮・有休取得奨励」が上昇/厚労省調査 ほか
―2024年9月27日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】若年正社員、定着の対策は「労働時間の短縮・有休取得奨励」が上昇/厚労省調査 ほか
【統計】海外現地法人の売上高3.2%減、2期連続の減少/経産省調査 ほか
【労使】イオングループ労連会長の永島智子氏が新会長に就任/UAゼンセンの定期大会
【動向】「男性育休白書2024」を発表、企業で働く男性の育休実態を調査/積水ハウス ほか
【企業】「ウェルカムバック制度」を開始、転職退職者や内定辞退者も対象/イオンリテール ほか
【海外】AI市場の拡大で数百万人の人材不足が懸念/中国 ほか
【法令】労働関係法令一覧(2024年8月公布分)
【イベント】「連合総研フォーラム~生活向上につながる賃上げの実現と労働環境の改善へ~」 ほか
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【JILPTからのお知らせ】
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◇『日本労働研究雑誌』10月号を刊行しました! 特集「最低賃金『1000円』の先」
日本の最低賃金は2023年度に全国加重平均で1,004円と初めて1,000円を突破し、2024年度には制度開始以来
最大の引き上げで、1,055円となりました。最低賃金は、どのように、どこまで引き上げるべきでしょうか。
本特集では、最低賃金の影響に関する実証分析に加え、最低賃金決定における地域や産業の役割、全国一律
最低賃金の是非、決定システムの課題や社会保障制度との相互関係などにも目を向け、海外との制度比較を
交え「その先」への具体的道筋を考察します。
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2024/10/index.html
◇『ビジネス・レーバー・トレンド』10月号公開! 「労働者協同組合」で多様な働き方を実現する
労働者協同組合法が2022年10月1日に施行されてから、まもなく2年となります。
労働者が組合員として出資し、平等な立場で事業に対して意見を反映し、自ら従事することを基本原理
とする「労働者協同組合」は、多様な働き方を実現しながら、介護・福祉や子育て、地域づくりなど
幅広い分野での課題解決の担い手の受け皿として、その活躍が大きく期待されています。
本号では、シニア・フリーランスの新たな働き方の選択肢としての労働者協同組合の事業展開などを
テーマとした労働政策フォーラムでの報告・議論を通して、労働者協同組合が秘める可能性を展望します。
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2024/10/index.html
★新版「OHBYカード」予約受付中!(9月30日販売開始予定)
「OHBYカード」は、カード式の職業情報ツールです。キャリアガイダンスや自己理解ツールとして、
是非ご活用ください。発売開始は9月30日予定です。
https://www.jil.go.jp/institute/seika/ohby/index.html
【カード:定価440円(本体400円)/手引き:定価330円(本体300円)】
※20個以上ご購入の場合、本体価格の2割引(本体価格320円)で販売します。
▽ご希望の方は当機構成果普及課まで直接ご注文ください。
https://www.jil.go.jp/publication/ordering.html#kikou
★研究員の募集について(2025年度採用)
労働政策研究・研修機構では、【労働法】【労使関係・人事労務管理】【労働経済】の3分野で
研究員を募集します。応募書類の提出期限は2024年10月10日(木)必着です。
https://www.jil.go.jp/information/koubo/index.html
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【行政】
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●若年正社員、定着の対策は「労働時間の短縮・有休取得奨励」が上昇/厚労省調査
厚生労働省が25日に発表した2023年「若年者雇用実態調査」結果によると、全労働者に占める若年労働者
(満15~34歳)の割合は23.7%で、前回調査(2018年・27.3%)より低下した。正社員に占める若年割合も
27.7%から25.4%に低下。若年正社員定着のための対策は、「労働時間の短縮・有休の積極的な取得奨励」の
実施事業所が、前回の37.8%から52.9%と上昇している。
一方、個人調査によると、初めて勤務した会社で現在も「勤務している」は55.5%、「勤務していない」は
42.7%。会社を辞めた理由(3つまで回答可)は、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」28.5%、
「人間関係がよくなかった」26.4%の順だった。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/4-21c-jyakunenkoyou-r05.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-r05_houdoou.pdf
▽概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-r05_gaikyou.pdf
●10月からの制度変更を周知/厚労省ホームページ
厚生労働省は、2024年10月に実施される同省関係の主な制度変更のうち、特に国民生活に影響を与える
事項をホームページに掲載している。短時間労働者への被用者保険の適用については、従業員100人超の
企業規模要件を50人超へ引き下げる。最低賃金額の改定は、全ての都道府県において時間額50円から84円の
引き上げを行う。教育訓練給付については、一定の条件を満たした場合、受講費用の10%を追加支給する。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43327.html
●建設業の技能労働者の処遇改善、「標準労務費」の作成・勧告に向け議論スタート/国交省
国土交通省は10日、中央建設業審議会「労務費の基準に関するワーキンググループ」の第1回を開催した。
建設業の担い手確保に必要不可欠な技能労働者の処遇改善のため、改正建設業法(2024年9月施行)により、
中央建設業審議会において、建設工事の労務費に関する基準を作成し、実施の勧告ができることとされた。
ワーキンググループでは2025年11月頃の勧告に向け、標準労務費の作成について議論・検討を行う。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00234.html
▽資料
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/tochi_fudousan_kensetsugyo13_sg_000001_00034.html
●2024年度「公務研究セミナー」を全国で開催/人事院
人事院は、2024年度「公務研究セミナー」を全国で開催する。府省が一堂に集まり本府省の業務を中心に
業務内容、勤務の実態、やりがい、体験談等について説明。10月5日(土)に大阪府(豊中市・大阪大学)、
10月20日(日)に東京都(文京区・中央大学)で会場開催。その後も全国主要都市で予定。
https://www.jinji.go.jp/saiyo/event/koumu/koumu.html
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【統計】
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●海外現地法人の売上高3.2%減、2期連続の減少/経産省調査
経済産業省は26日、2024年4~6月の「海外現地法人四半期調査」結果を公表した。売上高(全地域合計)は、
前年同期比3.2%減で2期連続の減少。主要4業種のうち、減少は輸送機械、電気機械、はん用等機械で、
化学は8期ぶりの増加。地域別では、アジアは、中国、ASEAN10で輸送機械などが減少し、同8.6%減で7期連続の減少。
北米は同1.2%増で8期連続の増加、欧州は同0.7%減で6期ぶりの減少。
従業員数(全地域)は408.5万人で同1.9%の減少。中国やASEAN10は、7期連続で減少。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/genntihou/result-1.html
▽調査結果の概要(ダウンロード)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040211447&fileKind=2
●7月の実質賃金、前年同月比0.3%増で2カ月連続のプラス/毎勤統計確報
厚生労働省は26日、7月の「毎月勤労統計調査」結果(確報・事業所規模5人以上)を公表した。
実質賃金は前年同月比0.3%増(速報では0.4%増)で、2カ月連続でプラスとなったが、率は縮小。
現金給与総額は、就業形態計40万3,090円(前年同月比3.4%増)、うち一般労働者が53万596円(同3.9%増)、
パートタイム労働者が11万5,141円(同4.2%増)。きまって支給する給与は同2.2%増、
特別に支払われた給与は同6.6%増(いずれも就業形態計)。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2407r/dl/pdf2407r.pdf
▽統計表等
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/2407r/2407r.html
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【労使】
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●イオングループ労連会長の永島智子氏が新会長に就任/UAゼンセンの定期大会
わが国最大の産業別労働組合であるUAゼンセン(松浦昭彦会長、189万4,000人)は18、19の両日、
神奈川県横浜市で定期大会を開催し、「2024労働条件闘争まとめ」を含む2024年度の活動報告を確認する
とともに、2025・2026年度運動方針を決定した。闘争まとめは「物価上昇分を一定程度上回り生活向上分を
確保する結果を獲得できた」などと総括した。役員改選では、松浦会長が退任し、副会長で流通部門長を
務めていた永島智子・イオングループ労連会長が新会長に選ばれた。同会長に女性が就任するのは今回が初めて。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20240927.html
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【動向】
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●「男性育休白書2024」を発表、企業で働く男性の育休実態を調査/積水ハウス
積水ハウスは19日、小学生以下の子どもを持つ全国の男女を対象に、企業で働く男性の育休取得実態を調査
した「男性育休白書2024」を発表した。男性の育休取得率は27.3%、平均取得日数は29.9日と過去最高を更新。
育休取得後に復職した男性社員の仕事へのプラスの変化は、期間が伸びるほど高まること、夫の育休取得は
妻のキャリアアップにも好影響を与えることや、女性の4割が夫の育休を「とるだけ育休」と評価している
ことなどを紹介。同社は9月19日を「育休を考える日」として記念日に制定、2019年から白書を発行している。
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2024/20240919/
●「バス再興 10年ビジョン」を策定/日本バス協会
全国2200余りの事業者から構成される日本バス協会は20日、「バス再興 10年ビジョン」の策定を発表した。
バスを取り巻く環境は、コロナ禍、燃料高、2024年問題による運転士不足など深刻な状況に直面しており、
エッセンシャルな事業でありながら維持が一層困難になっていると指摘。バスを「夢のある産業」にする
施策として、自動運転の本格化や完全キャッシュレス化の実現などの次世代バス輸送への転換のほか、
運転士・整備士などの待遇改善、若年・女性・外国人の採用促進、カスハラ防止などの働く環境の改善
を盛り込んでいる。
https://www.bus.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/09/R6.9.20_10-year_vision_press_release.pdf
▽バス業界のカスタマーハラスメントに対する基本方針
https://www.bus.or.jp/cms/wp-content/uploads/2024/09/R6.9.20_customer_harassment_policy.pdf
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【企業】
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●「ウェルカムバック制度」を開始、転職退職者や内定辞退者も対象/イオンリテール
イオンリテールは20日、退職理由を問わず再入社できる新たな人事制度「ウェルカムバック制度」を
開始すると発表した。正社員に限らずパートタイム従業員も対象とし、一定の条件を満たす場合、処遇と
連動する資格等級は退職時以上を基本とする。転職による退職者や、新卒3年以内の内定辞退者が入社を
希望する場合も新たに対象とし、採用選考を経ずに入社が可能。今後の退職者には、ネットワークづくりの
ため「ウェルカムバックカード」を配布し、将来的な再入社につなげていくとしている。
https://www.aeonretail.jp/pdf/240920R_2.pdf
●カムバック採用の強化に向けた「アルムナイ専用サイト」を開設/MIXI
ソーシャル・ネットワーキングサービスのMIXI(ミクシィ)は20日、カムバック採用の強化に向けた
アルムナイ専用サイトを開設した。同社は以前より「リファラル採用」を推進し、一度退職した社員が
在職中の社員の紹介を受けて再び入社するケースもあるとして、アルムナイ専用サイトをオープン。
専用サイトでは、同社のイベント情報・ニュースの閲覧や、コーディネーターとチャットで相談ができるほか、
各人の経験に合った求人の提供も行う。
https://mixi.co.jp/news/2024/0920/35288/
●グローバルの人員最適化、特別損失70億円を計上/カシオ計算機
カシオ計算機は24日、構造改革の一環としてのグローバルの人員最適化に関する特別損失の計上について
発表した。この施策に伴う早期退職者および自然退職者は、国内約530名、海外約80名。特別損失として
約70億円を計上するとしている。
https://www.casio.co.jp/content/dam/casio/global/corporate/ir/2024/20240924.pdf
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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<中国>
▽AI市場の拡大で数百万人の人材不足が懸念
中国の人工知能(AI)市場は急速に成長しており、特に生成AIの進展が顕著になっている。この急成長により、
当該分野では数百万人規模の人材不足が懸念されている。生成AIの台頭により、多くの企業が新技術の開発に
力を入れており、優秀な人材の獲得競争が激化している。その結果、企業は高い給与を提示して優秀な人材の
確保に懸命となっている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/09/china_01.html
<ILO>
▽障害者の賃金は12%低く、自営業で働く可能性が高い―ILOワーキングペーパー
ILO(国際労働機関)は8月27日、障害者の労働について分析したワーキングペーパー「障害者の就労と賃金に
関する研究(A study on the employment and wage outcomes of people with disabilities)」を発表した。
障害者は労働市場に参加する率が低く、賃金も12%少ない。また、自営業を選択する可能性が高いと指摘している。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/09/ilo_01.html
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【法令】
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●労働関係法令一覧(2024年8月公布分)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202408.html
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【イベント】
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●「連合総研フォーラム~生活向上につながる賃上げの実現と労働環境の改善へ~」/連合総研
連合総研は10月29日(火)、第36回「連合総研フォーラム~生活向上につながる賃上げの実現と労働環境の
改善へ~」をオンライン(Zoomウェビナー)で開催する。基調講演とパネルディスカッションで、
日本経済の現状や雇用・賃金の動向、生活向上につながる賃上げや働きやすい労働環境の実現に向けた課題等
について論議する。参加無料、要事前申込(定員になり次第締切)。
https://www.rengo-soken.or.jp/info/2024/09/251739.html
●労働セミナー「一体感を生むオンラインコミュニケーション」/東京都
東京都労働相談情報センターと東京都立大学オープンユニバーシティは、10月9日(水)、16日(水)に
労働セミナー「一体感を生むオンラインコミュニケーション」をライブ配信で開催する。
リモートワークが普及し、オンラインコミュニケーションが当たり前の時代に、その課題や、
やり取りするスキル等について解説する。受講無料、要事前申込(先着順、定員75名)。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/index/detail?kanri_bango=seminar-zchuo-001517