■□――【メールマガジン労働情報/No.1999】
8月の完全失業率2.5%、前月比0.2ポイント低下/労働力調査 ほか
―2024年10月2日発行――――――――――――――□■
┏━━━━━━━━┓
本号の主な内容
┗━━━━━━━━┛
【行政】高齢者の活躍に取り組む企業の事例を公表/厚労省 ほか
【統計】8月の完全失業率2.5%、前月比0.2ポイント低下/労働力調査 ほか
【労使】次期年金制度改正に向けた基本的見解を発表/経団連
【動向】企業経営者へのアンケート結果を発表、働きやすい職場環境の取組みなど調査/大同生命保険
【企業】新人事制度を導入、年功脱却とシニアの役割実態に見合う報酬へ/ヤマハ発動機 ほか
【海外】中国政府、法定退職年齢の引き上げを決定――70年ぶりの見直し/中国 ほか
【イベント】10月は「高年齢者就業支援月間」/JEED
━━━━━━━━━━━━━━
【JILPTからのお知らせ】
━━━━━━━━━━━━━━
★新版「OHBYカード」 発売を開始しました!
「OHBYカード」は、カード式の職業情報ツールです。キャリアガイダンスや自己理解ツールとして、
是非ご活用ください。
https://www.jil.go.jp/institute/seika/ohby/index.html
【カード:定価440円(本体400円)/手引き:定価330円(本体300円)】
※20個以上ご購入の場合、本体価格の2割引(本体価格320円)で販売します。
▽ご希望の方は当機構成果普及課まで直接ご注文ください。
https://www.jil.go.jp/publication/ordering.html#kikou
★研究員の募集について(2025年度採用)
労働政策研究・研修機構では、【労働法】【労使関係・人事労務管理】【労働経済】の3分野で
研究員を募集します。応募書類の提出期限は2024年10月10日(木)必着です。
https://www.jil.go.jp/information/koubo/index.html
━━━━━━━━━━━━━━
【行政】
━━━━━━━━━━━━━━
●高齢者の活躍に取り組む企業の事例を公表/厚労省
厚生労働省は9月30日に「高齢者の活躍に取り組む企業の事例」を公表した。
高齢化が進む日本社会で、働く意欲のある高齢者が年齢にかかわりなく活躍できるよう、個々の企業の
実態に応じ、役職定年・定年制の見直し等の検討が求められている。同省では、高齢者の人事・給与制度の
工夫(役職定年・定年制の見直し、ジョブ型人事制度の導入等)に取り組む企業(14社)にヒアリングを実施し、
他の企業の制度見直し検討の参考になるよう、事例を取りまとめた。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43828.html
▽公表先(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「高年齢者活躍企業事例サイト」特設ページ)
https://www.elder.jeed.go.jp/topics/katsuyaku_jirei_r6.html
●10月は「年次有給休暇取得促進期間」/厚労省
厚生労働省は、年次有給休暇を取得しやすい環境整備推進のため、10月を「年次有給休暇取得促進期間」と
している。年休は、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(2024年8月2日閣議決定)により、
2028年までに取得率を70%とすることが目標に掲げられており、22年は62.1%と過去最高となったものの、
依然として乖離がある。同省では、2019年4月に義務化された使用者による年5日の年休の時季指定として
認められる計画的付与制度の導入のほか、時間単位年休の活用など、年休を取得しやすい環境整備を推進
するため、周知広報に努めるとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43965.html
●「労働基準関係法令違反に関する公表事案」を公表/厚労省
厚生労働省は9月30日、「労働基準関係法令違反に係る公表事案」を公表した。
2023年9月1日から2024年8月31日の間に、都道府県労働局が労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、
労働安全衛生規則等の労働基準関係法令違反の疑いで送検し公表した内容を都道府県別に集約したもの。
https://www.mhlw.go.jp/content/001150620.pdf
●10月は「個別労働紛争処理制度」周知月間、全国でイベント開催/労働委員会
中央労働委員会と都道府県労働委員会は、毎年10月を「個別労働紛争処理制度」周知月間とし、集中的な周知・
広報活動を全国的に展開している。16年目となる2024年度は、都道府県労働委員会では、「労働相談会の開催」
「パネル展や出前講座などのイベント開催」「街頭宣伝活動の実施」などの取組を展開。
中央労働委員会でも「労使関係セミナーの開催」「商業施設や労使関係団体等の協力による周知・広報」
「SNSでの情報発信」などに取り組んでいる。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/kobetsu/r060927-1.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/kobetsu/dl/r060927-1-07.pdf
▽労働相談会、イベント等の一覧
https://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/kobetsu/dl/r060927-1-02.pdf
●教育訓練給付金の拡充のリーフレットを公表/厚労省
厚生労働省は、10月1日以降の教育訓練給付金の給付率を引き上げに関するリーフレットを公表した。
特定一般教育訓練(介護職員初任者研修等の再就職や早期のキャリア形成に資するもの)は資格取得・
就職の場合に40%から50%に、専門実践教育訓練(介護福祉士の資格取得等の中長期的キャリア形成に
資するもの)は受講前から賃金が5%上昇した場合に70%から80%に、給付率を引き上げる。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00042.html
━━━━━━━━━━━━━━
【統計】
━━━━━━━━━━━━━━
●8月の完全失業率2.5%、前月比0.2ポイント低下/労働力調査
総務省は1日、2024年8月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。完全失業率(季調値)は2.5%で、
前月比0.2ポイント低下。完全失業者数は175万人(前年同月比11万人減)で、5カ月ぶりの減少。就業者数は
6,815万人(同42万人増)で25カ月連続の増加。雇用者数は6,140万人(同52万人増)で、30カ月連続の増加。
正規従業員数は3,659万人(同22万人増)で10カ月連続の増加。非正規従業員数は2,127万人(同13万人増)で、4カ月ぶりの増加。
▽8月結果
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
▽8月概要
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf
●8月の有効求人倍率1.23倍、前月比0.01ポイント低下/一般職業紹介状況
厚生労働省は1日、2024年8月分「一般職業紹介状況」を公表した。有効求人倍率(季調値)は1.23倍で、
前月と比べ0.01ポイント低下。新規求人倍率(同)は2.32倍で、前月比0.1ポイント上昇。
新規求人(原数値)は、前年同月比で6.5%減。産業別では、減少したのは、宿泊業・飲食サービス業(23.5%減)、
生活関連サービス業・娯楽業(12.3%減)、製造業(10.5%減)など、増加したのは情報通信業(1.4%増)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43865.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001307814.pdf
●8月の鉱工業生産3.3%低下、基調判断は「一進一退」で据え置き/鉱工業指数速報
経済産業省は9月30日、8月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を公表した。生産指数(季調値)は
前月比3.3%低下の99.7で2カ月ぶりの低下。業種別で低下したのは、自動車工業、電気・情報通信機械工業、
生産用機械工業等、上昇は輸送機械工業(自動車工業を除く)、電子部品・デバイス工業、化学工業
(無機・有機化学工業・医薬品を除く)。出荷は97.6で前月比4.0%、在庫は同0.6%のいずれも低下。
在庫率は同5.2%上昇。基調判断は、「生産は一進一退で推移している」で、前月から据え置き。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
▽概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202408sj.pdf
●7月の基調判断は「下げ止まりを示している」で据え置き/景気動向指数の改訂状況
内閣府は9月27日、7月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は前月差3.1ポイント上昇の117.2(速報値117.1)。
基調判断は、「景気動向指数(CI一致指数)は、下げ止まりを示している」で、前月から据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202407rsummary.pdf
▽統計表
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
━━━━━━━━━━━━━━
【労使】
━━━━━━━━━━━━━━
●次期年金制度改正に向けた基本的見解を発表/経団連
経団連は9月30日、次期年金制度改正に向けた基本的見解を発表した。2023年10月の提言「中長期視点での
全世代型社会保障の議論を求める」を踏まえ、「特に将来世代の老後所得への安心感の確保・向上に資する
年金制度の実現が必要」と指摘。公的年金制度については、企業規模要件の撤廃や個人事業所の非適用業種の
解消等により被用者保険のさらなる適用拡大を図ること、女性の就業促進に向け、第3号被保険者制度の
在り方を検討、再構築すること、年齢に関わりなく高齢者が就業できる環境整備の観点から、在職老齢年金の
将来的廃止を本格検討することなど、私的年金については、iDeCoと企業型確定拠出年金(DC)の拠出限度額
引上げ、確定給付企業年金(DB)の給付減額の判定基準の見直しなどを提起している。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/064.html
━━━━━━━━━━━━━━
【動向】
━━━━━━━━━━━━━━
●企業経営者へのアンケート結果を発表、働きやすい職場環境の取組みなど調査/大同生命保険
大同生命保険は9月24日、中小企業経営者を対象としたアンケート調査(大同生命サーベイ)結果を発表した。
働きやすい職場環境づくりへの取組みができているものとして、「時間外労働の上限規制」が55%と最多、
次いで「年休の取得義務化」53%など。時間外の上限規制の課題については、「業務の繁閑が激しく、
突発的な業務が生じやすい」「業務量が多く、人手が不足している」などが挙がり、建設業では他業種に
比べて「人手不足」が課題となっている(p.7)。調査では、景況感やカスタマーハラスメントの状況等に
ついても調べている。
https://www.daido-life.co.jp/company/news/2024/pdf/240924_02_news.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【企業】
━━━━━━━━━━━━━━
●新人事制度を導入、年功脱却とシニアの役割実態に見合う報酬へ/ヤマハ発動機
ヤマハ発動機は9月25日、2025年1月から「新人事制度」を導入すると発表した。
「総合職」「業務職」「製造職」の3つの職類を1つに統合し、共通の等級体系に変更。昇格要件から
在級年数を廃止するなど年功的要素からの脱却と、飛び級導入などの早期抜擢を促進する。
また、60歳定年後の再雇用制度で登用された「エキスパート職」には、働き方の選択肢を複数設け、
その実態に応じて役割を付与し、見合った報酬とする新制度を導入することで、シニアに対して、
現役同等の活躍を条件に定年前の報酬水準を維持する働き方や、短日勤務なども選択できる環境を整える。
https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2024/0925/jinji.html
●「子の看護休暇制度」改定と「パートナーシップ制度」導入を発表/鹿児島銀行
鹿児島銀行は9月20日、子の看護休暇制度の改定を10月1日に実施すると発表した。2025年4月施行
予定の育児・介護休業法の内容に準拠し、休暇取得理由に「感染症に伴う学級閉鎖等」と
「入園(入学)式および卒園(卒業)式」を追加。また同日、法律上の配偶者と同等の福利厚生等を適用
する「パートナーシップ制度」の導入についても発表した。
▽「子の看護休暇制度」の改定について
https://www.kagin.co.jp/library/pdf_release/2024/news20240920_271_konokangokyuka.pdf
▽パートナーシップ制度の導入について
https://www.kagin.co.jp/library/pdf_release/2024/news20240920_271_partnership.pdf
━━━━━━━━━━━━━━
【海外】
━━━━━━━━━━━━━━
●国別労働トピック/JILPT
<中国>
▽中国政府、法定退職年齢の引き上げを決定――70年ぶりの見直し
中国政府は9月13日、急速に進む少子高齢化に対応するとともに、生産年齢人口の減少傾向やひっ迫する
年金財政を緩和し、経済や社会の発展を維持するために、法定退職年齢(定年)を男女同時に引き上げる
ことを発表した。15年間かけて段階的に、男性は60歳から63歳に、女性は一般労働者が50歳から55歳に、
管理職が55歳から58歳にそれぞれ引き上げる。施行は2025年1月からとしている。1950年代に定められて以来、
70年ぶりの見直しとなる。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/09/china_02.html
●フォーカス/JILPT
<ドイツ>
▽ドイツの仕事と家事・育児のジェンダー平等に関する最新事情
2024年8月21日から30日までドイツのベルリンに滞在し、父親の育児支援をしている団体(ベルリン父親センター)
や労使団体、研究機関(ベルリン社会科学センター。略称WZB)を訪問し、仕事と家事・育児における男女平等
と男性育休の関係について、ヒアリング調査を行った。日本政府は、男性の育休取得と仕事での女性活躍を
推進してきた。その取り組みをもう一歩進めるために、日本より一歩先を歩んでいるドイツから示唆を得たい。
そのような目的で渡独した。(池田心豪 JILPT副統括研究員)
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2024/09/germany.html
━━━━━━━━━━━━━━
【イベント】
━━━━━━━━━━━━━━
●10月は「高年齢者就業支援月間」/JEED
高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)は、10月の「高年齢者就業支援月間」において、
高年齢者雇用への関心と理解を一層深めてもらうため、厚生労働省などと連携してさまざまな啓発活動を
行っている。同月間では、オンライン開催の「生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム」(3回)、
各都道府県支部開催の「生涯現役社会の実現に向けた地域ワークショップ」などを行う。
▽シンポジウム
https://www.jeed.go.jp/elderly/activity/symposium.html
▽ワークショップ
https://www.jeed.go.jp/elderly/activity/activity04.html