メールマガジン労働情報 No.1997

■□――【メールマガジン労働情報/No.1997】

約7割の事業所が「労働者不足に何らかの対処した」/労働経済動向調査 ほか

―2024年9月25日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】国民年金保険料の納付猶予制度について議論/厚労省年金部会 ほか
【統計】約7割の事業所が「労働者不足に何らかの対処した」/労働経済動向調査 ほか
【動向】派遣社員の意識・就労実態調査を公表/民間調査
【判例】家政婦兼ヘルパーの労災認定 家事と介護、「一体の業務」/遺族側が逆転勝訴・東京高裁
【海外】世帯所得は4年ぶりに増加するも、コロナ禍前の水準には回復せず/アメリカ ほか
【イベント】講演会「障害のある方の「働く」を考える」/千代田区

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【JILPTからのお知らせ】
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◇『日本労働研究雑誌』10月号を刊行しました! 特集「最低賃金「1000円」の先

日本の最低賃金は2023年度に全国加重平均で1,004円と初めて1,000円を突破し、2024年度には制度開始以来
最大の引き上げで、1,055円となりました。最低賃金は、どのように、どこまで引き上げるべきでしょうか。
本特集では、最低賃金の影響に関する実証分析に加え、最低賃金決定における地域や産業の役割、全国一律
最低賃金の是非、決定システムの課題や社会保障制度との相互関係などにも目を向け、海外との制度比較を
交え「その先」への具体的道筋を考察します。
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2024/10/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』10月号公開! 「労働者協同組合」で多様な働き方を実現する

労働者協同組合法が2022年10月1日に施行されてから、まもなく2年となります。
労働者が組合員として出資し、平等な立場で事業に対して意見を反映し、自ら従事することを基本原理
とする「労働者協同組合」は、多様な働き方を実現しながら、介護・福祉や子育て、地域づくりなど
幅広い分野での課題解決の担い手の受け皿として、その活躍が大きく期待されています。
本号では、シニア・フリーランスの新たな働き方の選択肢としての労働者協同組合の事業展開などを
テーマとした労働政策フォーラムでの報告・議論を通して、労働者協同組合が秘める可能性を展望します。
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2024/10/index.html

★新版「OHBYカード」予約受付中!(9月30日販売開始予定)

「OHBYカード」は、カード式の職業情報ツールです。キャリアガイダンスや自己理解ツールとして、
是非ご活用ください。発売開始は9月30日予定です。
https://www.jil.go.jp/institute/seika/ohby/index.html
【カード:定価440円(本体400円)/手引き:定価330円(本体300円)】
 ※20個以上ご購入の場合、本体価格の2割引(本体価格320円)で販売します。

▽ご希望の方は当機構成果普及課まで直接ご注文ください。
 https://www.jil.go.jp/publication/ordering.html#kikou

★研究員の募集について(2025年度採用)

労働政策研究・研修機構では、【労働法】【労使関係・人事労務管理】【労働経済】の3分野で
研究員を募集します。応募書類の提出期限は2024年10月10日(木)必着です。
https://www.jil.go.jp/information/koubo/index.html

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【行政】
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●国民年金保険料の納付猶予制度について議論/厚労省年金部会

厚生労働省は20日、社会保障審議会年金部会を開催し、国民年金保険料の納付猶予制度などについて議論した。
同制度は、若年失業やフリーターの増加、非正規雇用が中高年を含む幅広い年代で増加していること等を踏まえ、
50歳未満の被保険者を対象として、本人と配偶者の所得要件で判断し、実際に保険料負担が可能となった時点で
追納できる仕組み。将来の無年金・低年金を防止するために設けられ、2030年6月までの時限措置とされている。
検討の方向性として、対象年齢は現行どおり50歳未満とし、「時限措置を延長すること」、「本人と配偶者の
所得が一定以下であっても、親などの世帯主に一定以上の所得がある場合は対象外とし、保険料納付を求める
こと」などを提起した。(資料2・P14~15)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/nenkin_20240920.html
▽資料2
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001306460.pdf

●国の中小企業退職金共済制度への加入促進/厚労省・勤労者退職金共済機構

勤労者退職金共済機構は、毎年10月を中小企業退職金共済制度の「加入促進強化月間」とし、制度への
加入促進や広報活動を行っている。同制度は、退職金制度を単独で備えることが難しい中小企業のために
設けられた国の退職金制度。期間中、ポスター・パンフレットを市役所やハローワークで掲示・配布し、
関係機関や事業主団体を通じて事業主など周知するとしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43158.html

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【統計】
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●約7割の事業所が「労働者不足に何らかの対処した」/労働経済動向調査

厚生労働省は24日、「労働経済動向調査(2024年8月)」結果を公表した。8月1日現在の労働者の過不足判断
DI(不足-過剰)は、正社員等がプラス46ポイント、パートタイム労働者が同29ポイントで、引き続き
「不足」超過。産業別にみると、正社員等は「学術研究,専門・技術サービス業」「医療,福祉」「建設業」
「運輸業,郵便業」で人手不足感が高くなっている(概況P5)。
過去1年間に労働者不足に何らかの対処をした事業所は71%。対処方法は、「正社員等採用・正社員への
登用の増加」が59%と最も多く、「在職者の労働条件の改善(賃金)」が55%など(概況P12)。
調査対象は主要産業の30人以上規模の民営事業所。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2408/
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2408/dl/6siryo.pdf
▽概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2408/dl/7roudoukeizaidouko.pdf

●労災の死亡者数2.1%増、休業4日以上死傷者数1.5%増/厚労省

厚生労働省は19日、2024年の労働災害発生状況(9月速報値)を公表した。死亡災害は、死亡者数が437人で
前年同期比2.1%増加。業種別では、建設業7.0%増、陸上貨物運送事業6.3%増など。
休業4日以上の死傷者数は、7万7,251人で前年同期比1.5%増。業種別では、第三次産業3.0%増、陸上貨物
運送事業1.8%増、建設業2.8%減など。公表数値は、新型コロナ感染症のり患による労働災害を除いたもの。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/24-09.pdf

●24年9月の総人口、前年同月比57万人減/総務省人口推計

総務省は20日、人口推計の2024年9月概算値及び4月の確定値を公表した。
24年9月1日現在の総人口(概算値)は1億2,378万人(前年同月比57万人・0.46%減)。
4月1日現在の総人口(確定値)は1億2,400万2千人(同55万3千人・0.44%減)。年齢階層別(確定値)では
「15歳未満」2.39%減、「15~64歳」0.34%減、「65歳以上」0.11%増、うち「75歳以上」人口は3.55%
増加した(年齢階層別増減率は前年同月比)。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/202409.pdf
▽統計表等
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html

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【動向】
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●派遣社員の意識・就労実態調査を公表/民間調査

マイナビは20日、派遣社員の意識・就労実態調査(2024年版)を発表した。「今後も派遣社員として働きたい」
と回答したのは48.2%、「正社員で働きたい」は26.6%だった。正社員を希望する人の86.1%がハードルの
高さを感じており、スキルや資格、年齢などを理由に挙げている。
派遣元のスキルアップ制度を「利用したことがある」人は28.1%。制度利用者の平均時給(1,619円)は、
非利用者の平均時給(1,417円)より202円高く、昇給額も39円上回っている。
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240920_85134/

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【判例】
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●家政婦兼ヘルパーの労災認定 家事と介護、「一体の業務」/遺族側が逆転勝訴・東京高裁

家政婦兼介護ヘルパーとして住み込みで働いていた女性=当時(68)=が急死したのは過労が原因だとして、
夫が国に遺族補償の不支給決定取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁であった。
水野有子裁判長は「家事と介護は一体の業務だった」として、訴えを退けた一審東京地裁判決を取り消し、
夫の請求を認めた。労働基準法では、家政婦など派遣先の家族に雇われて家事を行う「家事使用人」は
労災の対象外と定められている(時事通信)2024年9月19日
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/kiji/20240925.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<アメリカ>
▽世帯所得は4年ぶりに増加するも、コロナ禍前の水準には回復せず―国勢調査局調査

米国勢調査局が9月10日発表した年次報告書によると、2023年における米国の実質平均世帯所得の中央値は
8万610ドルで、コロナ禍前の2019年以来4年ぶりに増加したが、当時に比べ600ドルほど低い。また、
低所得世帯に対する政府支援などを踏まえて算出する補足貧困率(Supplemental Poverty Measure)は
12.9%で、前年に比べて0.5ポイント上昇した。とくに子どものSPMは前年比1.3ポイント増の13.7%と
高まっている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/09/usa_01.html

<ドイツ>
▽2023年の出生率、1.35に低下―複数の危機が要因か

連邦統計局がこのほど発表した統計資料によると、2023年の出生数は69万2989人で、前年(2022年)の
73万8819人から4万5830人減少(6%減)した。合計特殊出生率では、前年の1.46から1.35に低下した。
連邦人口研究所(BiB)は、新型コロナパンデミックの後遺症、地政学的な不確実性、物価高騰、自然災害等の
気候への懸念といった複数の世界的な危機が、少なくとも一時的に、親になるのを思いとどまらせた可能性が
あると指摘している。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/09/germany_02.html

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【イベント】
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●講演会「障害のある方の「働く」を考える」/千代田区

東京・千代田区障害者就労支援センターは10月8日(火)、講演会「障害のある方の「働く」を考える~
居なくては困る人財として~障害者スタッフから学ぶ“発見と感動”」を会場(千代田区)とオンラインで
開催する。障害者雇用に向けた取り組み、雇用の事例についての講演。対象は、千代田区民・在勤、
その他関心のある方。参加無料。要事前申込、10月3日(木)締切。定員は、会場30名、オンライン50名。
https://forms.gle/zRzbkVXxxnvuDS6X8