メールマガジン労働情報 No.1983

■□――【メールマガジン労働情報/No.1983】

中長期の経済財政に関する試算、予算の全体像及び概算要求基準を提示/政府会議 ほか

―2024年7月31日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】中長期の経済財政に関する試算、予算の全体像及び概算要求基準を提示/政府会議 ほか
【統計】6月の完全失業率2.5%、前月比0.1ポイント低下/労働力調査 ほか
【労使】6月の中小企業景況、多くの指標で前月比低下/全国中央会
【動向】カスハラ、直近 1 年で企業の15.7%が被害「あり」/民間調査 ほか
【企業】有給の看護休暇、子ども休暇の導入/インターグ
【海外】労働力不足の改善と雇用拡大、就業・訓練の奨励/台湾
【法令】労働関係法令一覧(2024年6月公布分)
【イベント】男性育業推進リーダー事業研修会・Web交流会/東京都

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【JILPTからのお知らせ】
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◇『日本労働研究雑誌』2024年8月号を刊行しました!
 特集「家族と労働」
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2024/08/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2024年8・9月号を公開しました!
 「カスタマーハラスメントをなくす――企業・業界・労組の取り組みを中心に」
https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2024/08_09/index.html

★2024年度・第72回「東京労働大学講座専門講座」(9月開講、通学・会場開催)受講者募集中!

 ・第一線の講師によるゼミナール形式の講義
 ・一部講義はハイブリッド(会場+オンライン)開催
<人事管理・労働経済コース>
 9月3日(火)~11月26日(火)(15講義日)
<労働法コース>
 9月6日(金)~11月28日(木)(15講義日)
会場  :ビジョンセンター赤坂(永田町)/東京都千代田区
講義時間:午後6時30分~8時10分(100分)
受講料 :1コースにつき45,000円(税込)
(主催)労働政策研究・研修機構 (共催)東京都 (後援)日本労使関係研究協会
https://www.jil.go.jp/kouza/senmon/index.html

★労働政策フォーラム(オンライン開催)申込受付中!
「ICTの発展と労働時間政策の課題─『つながらない権利』を手がかりに─」
第1部(研究報告) 8月30日(金)~9月5日(木) *オンデマンド配信
第2部(パネル討論)9月5日(木)14時30分~17時00分  *ライブ配信
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240905/index.html

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【行政】
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●中長期の経済財政に関する試算、予算の全体像及び概算要求基準を提示/政府会議

政府は29日、経済財政諮問会議を開催し、中長期の経済財政に関する試算、予算の全体像及び2025年度予算の
概算要求基準について議論した。首相は、財政健全化の指標となる国と地方の基礎的財政収支が2025年度に
黒字化するとの試算に触れたうえで、財政健全化の前提となる民需主導の成長を実現するため、「消費回復に
必要な物価上昇を上回る所得・賃金の拡大」に向けて、「骨太の方針2024に盛り込まれた賃上げや処遇改善の
取組を確実に実行に移す」などと述べた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202407/29keizai.html
▽会議資料
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/0729/agenda.html

●景気判断「足踏みもみられるが、緩やかに回復」を維持/7月・月例経済報告

政府は25日、7月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は、「景気は、このところ足踏みもみられるが、
緩やかに回復している」を維持。先行きについては、「緩やかな回復が続くことが期待される」としつつ、
海外景気の下振れリスク、物価上昇、中東情勢等について、十分注意する必要があるとの前月の判断を踏襲。
判断の内訳では、「公共投資」について「底堅く推移」を「堅調に推移」に引き上げたほかは、個人消費
「足踏みが見られる」、雇用情勢「改善の動きがみられる」などの判断を維持した。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2024/0725getsurei/main.pdf

●自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況を公表/厚労省

厚生労働省は30日、全国の労働基準監督署等が、2023年にトラック、バス、タクシーなどの自動車
運転者を使用する事業場に対して行った監督指導や送検等の状況を公表した。労働基準関係法令違反が
認められた事業場は、監督指導を実施した3,711事業場のうち3,049事業場(82.2%)。労働時間等の
改善基準告示違反は1,999事業場(53.9%)。主な違反事項は、労基法関係は労働時間(46.9%)、
割増賃金の支払(21.2%)など。改善基準告示関係は、最大拘束時間(39.2%)、総拘束時間(30.7%)、
休息期間(28.1%)。重大・悪質な労働基準関係法令違反による送検件数は54件。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41824.html

●遺族厚生年金の男女差の見直しを提起/厚労省年金部会

厚生労働省は30日に開催した社会保障審議会年金部会で、20代から50代で配偶者と死別した者を対象とする
遺族厚生年金について、養育する子供がいない場合は、男女とも5年の有期給付とすることを提起した。現行
制度では、主たる生計維持者を夫とする考え方により、30歳以上の妻については終身給付であるのに対して、
夫は55歳以上でないと受給できない。こうした男女差を、女性の就業の進展や共働き世帯の増加等の変化を
踏まえて見直す。現行制度を前提に生活設計している者に配慮する等の観点から、見直しは、相当程度の時間を
かけて段階的に進めるとしている。
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001281516.pdf

●雇用保険の基本手当日額の最高・最低額変更、8月から/厚労省

厚生労働省は8月1日から、雇用保険の基本手当日額を変更する。最高額については各年齢階層で120円から145円、
最低額は99円の引き上げ。今回の変更は、2023年度の平均給与額が2022年度と比べ約1.7%上昇したこと及び
最低賃金日額の適用に伴うもの。高年齢雇用継続給付、介護休業給付、育児休業給付についても、支給限度額が変更となる。
また、労災保険でも賃金水準の変動に対応して8月1日から、休業給付基礎日額の最低保障額を70円増の
4,090円とし、年金給付基礎日額の最低・最高限度額もほとんどの年齢階層で引き上げ改定となる。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41790.html
▽令和6年8月1日からの基本手当日額等の適用について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00041.html
▽労災保険の給付基礎日額等の変更
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/rousainenkin-slideinfo.html

●本田技研工業不当労働行為再審査事件で初審命令を維持/中労委

中央労働委員会は16日、会社が、(1)組合が「労災証明のお願い」と題する文書の送付により申し入れた
団体交渉を拒否したこと、(2)組合の組合員を契約期間満了をもって雇用終了としたこと等が不当労働行為
であるとして救済申立てがあった事件の再審査事件において、(1)当該文書を送付したことをもって
団体交渉を申し入れたとは評価できないこと、(2)当該組合員の勤務状況等を総合的に勘案して判断して
いること等から、いずれも不当労働行為には当たらないとして、初審命令を維持し再審査申立てを棄却した。
https://www.mhlw.go.jp/churoi/futouroudou/dl/r060717-1.pdf

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【統計】
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●6月の完全失業率2.5%、前月比0.1ポイント低下/労働力調査

総務省は30日、2024年6月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。完全失業率(季調値)は2.5%で、
前月比0.1ポイント低下。完全失業者数は181万人(前年同月比2万人増)で、3カ月連続の増加。就業者数は
6,822万人(同37万人増)で23カ月連続の増加。雇用者数は6,139万人(同30万人増)で、28カ月連続の増加。
正規従業員数は3,669万人(同31万人増)で8カ月連続の増加。非正規従業員数は2,121万人(同12万人減)で
2カ月連続の減少。
▽6月結果
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
▽6月概要
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

●6月の有効求人倍率1.23倍、前月比0.01ポイント低下/一般職業紹介状況

厚生労働省は30日、2024年6月分「一般職業紹介状況」を公表した。有効求人倍率(季調値)は1.23倍で、
前月と比べ0.01ポイント低下。新規求人倍率(同)は2.26倍で、前月比0.1ポイント上昇。新規求人(原数値)
は、前年同月比で9.4%減。産業別では、減少したのは製造業(14.6%減)、生活関連サービス業・娯楽業
(13.7%減)、建設業(12.8%減)、教育・学習支援業(11.5%減)など。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41697.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001280193.pdf

●5月の基調判断は「下げ止まりを示している」で上方修正/景気動向指数の改訂状況

内閣府は26日、2024年5月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は前月差1.9ポイント上昇の117.1(速報値116.5)。
基調判断は、「景気動向指数(CI一致指数)は、「下げ止まりを示している」で
前月の「下方への局面変化を示している」から上方修正。。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202405rsummary.pdf
▽統計表
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

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【労使】
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●6月の中小企業景況、多くの指標で前月比低下/全国中央会

全国中小企業団体中央会は25日、「6月の中小企業月次景況調査(令和6年6月末現在)」を公表した。
多くの指標が前月比で低下し、主要3指標は、景況2.6ポイント、売上高5.2ポイント、収益状況2.0ポイント
のいずれも低下。主要3指標以外では、設備操業度のDIが5.7ポイント低下。原材料・エネルギー価格の高騰、
人件費上昇等により、製造業の景況感は依然厳しく、物価高による消費者マインドの低下から、非製造業でも
前月に続き景況感が低下。人手不足・人材確保の問題が、多くの業種で収益力の足かせとなっているとみている。
https://58c92754.viewer.kintoneapp.com/public/file/inline/zenkokuchuokai07192024/2024072507402396ADACB458BB4966A361D94A1C1B8A5A309

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【動向】
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●カスハラ、直近1年で企業の15.7%が被害「あり」/民間調査

帝国データバンクは23日、「カスタマーハラスメントに関する企業の意識調査」結果を発表した。
直近1年以内に自社もしくは自社の従業員がカスハラや不当な要求などを受けたことが「ある」とした企業は
15.7%。規模別では「大企業」21.0%、「中小企業」14.8%、「小規模企業」14.4%。業界別では「小売」
34.1%がトップで「金融」30.1%、「不動産」23.8%、「サービス」20.2%と、主に個人を対象とする業界が
並んだ。対応策・取り組みについて、何らかの「取り組みあり」とする企業は50.1%、「特にない」は47.4%で、ほぼ二分された。
https://www.tdb-di.com/2024/07/sp20240723.pdf

●「レジャー白書2024」を公表、仕事より「余暇」重視の傾向/民間調査

日本生産性本部は22日、「レジャー白書2024」(速報版)を発表した。余暇活動実態調査の結果をみると、
仕事(勉強や家事を含む)と余暇のどちらを重視するかを尋ねたところ、65.7%が「余暇を重視する」傾向に
あった。特に「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」の回答率が2021年以降増加しており、23年は34.1%
と3分の1以上となった。余暇活動の参加率は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が、前年(22年)
から6ポイント上昇し48.7%となり、2年連続で1位となったが、コロナ禍前の19年の水準(54.3%)より低い。
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/release_2024_leisure_pre.pdf
▽詳細資料
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/app_2024_leisure_pre.pdf

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【企業】
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●有給の看護休暇、子ども休暇の導入/インターグ

デジタルメディア事業等のインターグは18日、7月1日より「看護休暇」、「子ども休暇」制度を導入したと
発表した。「看護休暇」の対象は正社員で、病院の付き添い、家族の看病等に利用。日数は年5日で、小学生
以下の子ども1人につき5日加算。「子ども休暇」の対象は中学生以下の子どもを持つ正社員で、入学・入園
式、卒業・卒園式、参観日、三者面談などのイベントに利用。日数は、子ども1人につき年5日。両制度とも
取得単位は全休または半休で、有給。年次有給休暇とは別に追加で付与する。育児・介護・看護の面で従業員を
サポートし、仕事との両立支援を目的として導入する、としている。
https://interg.co.jp/news/welfaresystem/

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<台湾>
▽労働力不足の改善と雇用拡大、就業・訓練の奨励

コロナ禍の影響などで生じた人手不足を補うために、台湾労働部は、2023年5月1日から「パンデミック後の
人手不足改善および雇用拡大プラグラム」を開始した。失業者が人手不足の職種に従事することを奨励し、
一人につき最高月額1万3,000台湾ドルの就業奨励金を提供する。プラグラムは当初2024年6月30日まで実施
する予定だったが、宿泊業および飲食業における人手不足が依然として続いていること、および夏休みの旅行
シーズンが到来することを考慮し、宿泊業および飲食業に対する実施期限を2024年12月31日まで延長することとした。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/07/taiwan_01.html

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【法令】
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●労働関係法令一覧(2024年6月公布分)

https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202406.html

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【イベント】
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●男性育業推進リーダー事業「研修会」・「Web交流会」/東京都

東京都は男性の育児休業取得率向上を目指し、都内企業等の経営者、人事・労務担当者、従業員等を対象に
男性育業推進リーダー事業「研修会」・「Web交流会」を開催する。どちらも参加費無料。
 ○研修会:男性育業の現状、直近の育児・介護休業法の法改正、育業に関する制度等について解説する。
  オンデマンド配信で、8月23日(金)~2025年2月28日(金)。申込は25年2月27日(木)まで。
 ○Web交流会:第1回・9月17日(火)、第2回・11月14日(木)、第3回・25年1月23日(木)
  各回ともZoomで開催、募集人数は各回20名、先着申込制。申込期間は、第1回が8月9日(金)~9月11日(水)。
https://ikugyoleader.metro.tokyo.lg.jp/