■□――【メールマガジン労働情報/No.1984】
101人以上企業での男女賃金差異の公表の義務化等を提起/厚労省検討会報告書案 ほか
―2024年8月2日発行――――――――――――――□■
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本号の主な内容
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【行政】101人以上企業での男女賃金差異の公表の義務化等を提起/厚労省検討会報告書案 ほか
【統計】男性の育休取得30%、前年度比13ポイント上昇/雇用均等基本調査 ほか
【労使】組織の7割超を占める中小労組への支援体制を強化/JEC連合定期大会
【動向】テレワーク実施率は16.3%に増加、大企業は低下/民間調査
【企業】「かぞくおもい休暇」制度を新設、家族の入学式・受診時に利用/博報堂など ほか
【イベント】労務管理セミナー「事例から学ぶ!労務トラブル解決のポイント」/神奈川県・相模原商工会議所
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https://www.jil.go.jp/kouza/senmon/index.html
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https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20240905/index.html
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【行政】
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●101人以上企業での男女賃金差異の公表の義務化等を提起/厚労省検討会報告書案
厚生労働省の「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会 」は1日、報告書案について検討した。
報告書案は、女性活躍推進法が定めている女性の活躍に関する情報公表について、男女間賃金差異の公表が
任意とされている常時雇用労働者数101人以上300人以下の企業でも公表を義務化すること(p.13)、開示の
選択肢の一つである女性管理職比率についても開示必須項目とすること(p.15)が適当であるとした。また、
2026年3月末までの10年間を期限とする女性活躍推進法については、10年程度で役職が上がっていく傾向などを
踏まえると、10年間の延長が適当であるとした(p.11)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41904.html
▽報告書案
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001282515.pdf
▽現在の女性の活躍に関する情報公表(リーフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000962289.pdf
●改正育児・介護休業法の政省令・告示案の要綱を答申/厚労省労政審
労働政策審議会は7月30日、同日の雇用環境・均等分科会の報告に基づき、改正育児・介護休業法の
政令・省令・告示案の要綱、指針を妥当と答申した。2025年4月1日施行予定の主な内容は、
残業免除の対象拡大(子が3歳になるまで→小学校就学まで)、看護休暇の見直し(取得事由に子の
行事参加等を追加、子の年齢を小学校3年生まで拡大)、3歳までの子を養育する労働者に関する
措置へのテレワークの追加、等。子が3歳から小学校就学前の労働者に関し、柔軟な働き方を実現
するための措置(事業主が、始業時刻等の変更、テレワーク、短時間勤務、新たな休暇の付与等から
2つ以上を措置)の義務付けは、2025年10月1日施行予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41954.html
▽改正育児・介護休業法の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001268175.pdf
●育児・介護、パワハラ等の雇用均等関係法令の2023年度の施行状況を公表/厚労省
厚生労働省は、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が所管する男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法
(パワーハラスメント関係)、パートタイム・有期雇用労働法、育児・介護休業法の2023年度の施行状況を
公表している。4法全体での相談件数は、16万7,158件(対前年度比13.2%減)、是正指導件数は5万7,707件
(同105.2%増)。法別にみた相談件数は、育児・介護休業法関係の7万8,032件(同32.1%減)が最多で、
2022年4月から中小企業にも防止措置等が義務化されたパワハラ関係が6万2,863件(同23.6%増)で続く。
是正指導件数では、育児・介護休業法関係の2万7,232件が最多、次いで、パート・有期法関係の2万515件等となっている。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001274451.pdf
●外国人技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況を公表/厚労省
厚生労働省は7月31日、全国の労働基準監督署等が、2023年に外国人技能実習生の実習実施者に対して行った
監督指導や送検等の状況を公表した。労働基準関係法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した
1万378事業場のうち7,602事業場(73.3%)。主な違反事項は、使用する機械等の安全基準(23.6%)、
割増賃金の支払(16.5%)、健康診断結果についての医師等からの意見聴取(16.2%)など。重大・悪質な
労働基準関係法令違反により送検したのは27件。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41831.html
●3年間の物価上昇、「概ね2%程度で推移」と予想/日銀・展望レポート
日本銀行は7月31日、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」(2024年7月)を発表した。
日本経済の先行きについて、「海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、
所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続ける」とした。
物価の先行きについては、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、2024年度に2%台半ばとなったあと、
25年度および26年度は、概ね2%程度で推移すると予想。「政策委員の大勢見通し」では、24年度2.5%、
25年度2.1%、26年度1.9%としている(p.8)。
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2407a.pdf
▽全文(8月1日掲載)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2407b.pdf
●G20労働雇用大臣会合が開催/厚労省
G20労働雇用大臣会合が7月25、26日、ブラジルで開催され、宮崎厚生労働副大臣が出席した。
「質の高い雇用の創出及びディーセント・ワークの促進」、「気候変動、エネルギー等の変革と仕事の世界
における公正な移行に関する課題」「労働におけるジェンダー平等と平等と多様性の促進」「すべての人の
生活の質を向上させるテクノロジーの使用」について議論し、労働雇用大臣宣言を採択した。厚労副大臣は
働く人がやりがいを持ち能力を発揮することで経済を活性化し、所得も向上する好循環を生むことが重要で、
そのような議論を各国とともに深めていくことを呼びかける旨、発言した。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41864.html
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【統計】
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●男性の育休取得30%、前年度比13ポイント上昇/雇用均等基本調査
厚生労働省は7月31日、2023年度「雇用均等基本調査」結果を公表した。
事業所調査(6,300事業所)では、育児休業取得者の割合は、女性は84.1%(22年度80.2%)で
3.9ポイント上昇、男性は30.1%(同17.13%)で13ポイント上昇。
企業調査(6,000企業)で、女性管理職等を有する企業割合を役職別にみると、「部長相当職あり」は12.1%、
「課長相当職あり」21.5%、「係長相当職あり」23.9%(同22.9%)。管理職等に占める女性の割合では、
「部長相当職」7.9%、「課長相当職」12.0%、「係長相当職」19.5%。課長相当職以上の女性の割合は
12.7%で前回調査(22年度)と同率、係長相当職以上は15.1%(同14.7%)で0.4ポイント上昇した。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r05.html
▽報道発表資料・結果概要
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/71-r05/06.pdf
●7月の消費者マインドの基調判断、「改善に足踏みがみられる」で据え置き/消費動向調査
内閣府は7月31日、2024年7月の「消費動向調査」結果を公表した。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季調値)」
は36.7(前月比0.3ポイント上昇)。同指数を構成する意識指標のうち前月比で上昇は、「暮らし向き」
34.5(0.7ポイント)、「耐久消費財の買い時判断」30.0(0.4ポイント)、「雇用環境」42.0(0.3ポイント)、
前月比で低下は「収入の増え方」33.8(マイナス0.2ポイント)。消費者マインドの基調判断は、「改善に
足踏みがみられる」で前月から据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/youten.pdf
▽統計表等
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/shouhi.html
●6月の鉱工業生産3.6%低下、基調判断は「一進一退ながら弱含み」で据え置き/鉱工業指数速報
経済産業省は7月31日、6月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を公表した。生産指数(季調値)は
前月比3.6%低下の100.6で2カ月ぶりの低下。業種別では、自動車工業、生産用機械工業、汎用・業務用機械
工業等すべての業種で低下。出荷は99.4で前月比4.3%、在庫は同0.6%のいずれも低下。在庫率は同2.1%上昇。
基調判断は、「総じてみれば、生産は一進一退ながら弱含んでいる」として据え置き。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
▽概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202406sj.pdf
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【労使】
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●組織の7割超を占める中小労組への支援体制を強化/JEC連合定期大会
化学・エネルギー関連産業の組合でつくるJEC連合(堀谷俊志会長、12万5,000人)は7月18、19の両日、
京都府京都市で定期大会を開き、昨年の大会で決めた「2024~2025年度運動方針」の補強内容を決定した。
補強方針は、組織の7割超を占める中小労組への産別全体でのサポート強化や、部会中心の活動のあり方を
見直す必要性などを提起。組織拡大にあたっては、組合員を増やす取り組みだけでなく、減少の歯止めとなる
情報も加えて連携することも打ち出している。大会では24春闘の「まとめ」も確認。堀谷会長はあいさつで、
格差是正に向けた中小組合への支援について、「様々な取り組みを行ったが、まだまだ課題の残る結果だ」
などと述べ、支援の継続と対応強化の必要性を訴えた。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20240802.html
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【動向】
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●テレワーク実施率は16.3%に増加、大企業は低下/民間調査
日本生産性本部は7月29日、第15回「働く人の意識に関する調査」結果を発表した。同調査はコロナウイルス
感染症が及ぼす影響の継続調査として、勤め先への信頼度や雇用・働き方に対する考え方などについて、
雇用者を対象に2020年5月以降、四半期毎(23年7月調査より6カ月毎)に実施。今回はコロナ「5類」移行
から2024年1年2カ月が経過した2024年7月に実施した。テレワークの実施率は16.3%で過去最低となった前回
1月調査(14.8%)から微増。企業規模別では、1,001名以上の大企業で減少したが、中・小規模企業の実施率は
増加。テレワーカーの週当たり出勤日数は、「3日以上」が 57.0%で前回(50.3%)から増加。希望する
働き方については、ジョブ型が23年7月調査の67.4%から64.8%に微減した一方、メンバーシップ型が
32.6%から35.2%へと微増。
https://www.jpc-net.jp/research/detail/006970.html
▽第15回調査結果レポート
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/15th_workers_report.pdf
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【企業】
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●「かぞくおもい休暇」制度を新設、家族の入学式・受診時に利用/博報堂など
博報堂、博報堂DYメディアパートナーズは7月24日、子供の入学式や家族の受診時に取得できる休暇制度
「かぞくおもい休暇」の新設を発表した。これまで一定要件のもと、看護・介護、入院等で利用できた
特定積立休暇(繰越せなかった年次有給休暇の積立利用)の取得事由に、子どもの公式行事への参加や、家族の
受診時の付き添いを含む看護・介護を追加する。2025年4月1日より段階的に施行される育児・介護休業法の
改正に先行した取り組み、としている。また、同休暇制度を含む、夕食づくりなどのサポート、長期休暇中の
子供向けの学童サポートなどの両立支援施策「huug(ハーグ)」を開始する。
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/111277/
●中外製薬、定年廃止=26年に
中外製薬は29日、2026年に定年制度を実質的に廃止すると発表した。現行制度では55歳になると、
60歳、65歳のいずれかまで働くかを選択できる。新制度では、こうした年齢制限を取り払い、
仕事で成果を出せる健康な人が雇用を希望し、会社側も合意すれば、年齢にかかわらず勤務できる
ようになる。給与水準も正社員と同等という。これに先立ち、同社は25年1月に人事制度を改定する。
一般社員を対象に職務内容に合わせて処遇を決定する「ジョブ型」を導入するほか、希望するポストに
挙手制による人事異動を採用する。奥田修社長は記者懇談会で「社員が自分のキャリアを自ら考えて
実行できる主体性を後押ししたい」と意義を語った。(時事通信)2024年7月23日 ※リンクなし
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【イベント】
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●労務管理セミナー「事例から学ぶ!労務トラブル解決のポイント」/神奈川県・相模原商工会議所
神奈川県かながわ労働センター県央支所は相模原商工会議所と共催で9月9日(月)、労務管理セミナー
「事例から学ぶ!労務トラブル解決のポイント~就業規則・社内規程の見直しはお済みですか~」を
オンラインで開催する。職場でおこる労務トラブルの解決、働きやすい職場づくりのため、就業規則等の
見直しポイントなどについて、事例を交え解説する。対象は、県内中小企業等の事業主、人事・労務担当者等。
参加無料。要事前申込、定員100名。
https://www.sagamihara-cci.or.jp/archives/63800