メールマガジン労働情報 No.1868

■□――【メールマガジン労働情報/No.1868】

「副業者の就労に関する調査」結果を記者発表 ほか

―2023年5月19日発行――――――――――――――□■

┏━━━━━━━━┓
  本号の主な内容
┗━━━━━━━━┛

【行政】三位一体労働市場改革の指針をとりまとめ/新しい資本主義実現会議 ほか
【統計】母親の有職割合、9年前より7ポイント上昇/厚労省「21世紀出生児縦断調査」 ほか
【動向】4月の倒産610件、13カ月連続で前年同月を上回る/民間調査 ほか
【海外】「自動化技術の労働への影響」に関する情報提供を呼びかけ―ホワイトハウス ほか
【イベント】シンポジウム「なぜ人は自主的に学ばないのか。学びに向かわせない組織の考察」/リクルートワークス研究所 ほか

━━━━━━━━━━━━━━
【JILPT研究成果情報】
━━━━━━━━━━━━━━

◇記者発表「副業者の就労に関する調査」結果

 JILPTは19日、「副業者の就労に関する調査」結果を記者発表しました。
厚生労働省では副業・兼業について、2018 年1月に「副業・兼業の促進に関する
ガイドライン」を策定、20年9月に同ガイドラインを改定しています。それから
一定期間を経過し、副業を行う労働者の就労状況に関するアンケート調査を
実施しました。副業をしている人は6.0%で男性(5.1%)よりも女性(7.4%)
が多く、副業をする理由(複数回答)は「収入を増やしたいから」が54.5%、
「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」が 38.2%、
などがわかりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20230519.pdf

◇記者発表「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」(企業郵送調査)及び
「働き方に関するアンケート調査」(労働者Web調査)結果

 JILPTは16日、「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」(企業郵送調査)
及び「働き方に関するアンケート調査」(労働者Web調査)結果を記者発表しました。
2022年10月の社会保険適用拡大による対象となる短時間労働者がいる企業に尋ねた
ところ、「できるだけ、適用する」方針で調整した企業が半数を超えました。
また、適用拡大対象企業に勤務する短時間労働者で厚生年金・健康保険に新たに加入した
割合は、所定労働時間を短縮し適用を回避した割合を上回ることがわかりました。
(記者発表資料)
https://www.jil.go.jp/press/documents/20230516.pdf

━━━━━━━━━━━━━━
【JILPTからのお知らせ】
━━━━━━━━━━━━━━

☆JILPTリサーチアイ 第77回
 コロナショックにおける日本社会の「レジリエンス」
 JILPT労働市場・労働環境部門 研究員 鈴木 恭子(5月19日)

 労働政策研究・研修機構(JILPT)では、パンデミック発生の初期段階にある
2020年4月から3~4ヶ月ごとに、同じ個人・企業を追跡したパネル調査を計7回
にわたり実施してきた。今般、2020年~22年3月までのデータにもとづいた研究の
成果を『検証・コロナ期日本の働き方 意識・行動変化と雇用政策の課題』
(樋口美雄、労働政策研究・研修機構編)として刊行したが、本稿では、
「コロナショックにおける『レジリエンス』」の分析を紹介する。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/077_230519.html

☆2023年度・第72回東京労働大学講座 総合講座

「人事管理・労働経済」部門 開講中!
  2023年5月9日(火曜)~7月5日(水曜)
「労働法」部門 受講者募集中!
  2023年7月11日(火曜)~8月31日(木曜)

開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
講義時間:午後6時30分~8時30分まで(120分)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

━━━━━━━━━━━━━━
【行政】
━━━━━━━━━━━━━━

●三位一体労働市場改革の指針をとりまとめ/新しい資本主義実現会議

 政府は16日、新しい資本主義実現会議を開催し、「三位一体の労働市場改革の指針」を
まとめた。総理は議論を踏まえ、「リスキリングによる能力向上支援」策として、
高賃金等が期待される分野での教育訓練給付の支給率等の引き上げや、在職中の学び直し
の支援の仕組みを雇用調整助成金に組み込むなどとした。また、自己都合退職の場合の
失業給付に給付制限期間があることについて、労働移動の円滑化を進める一環として、
「給付要件を緩和し例えば1年以内にリスキリングに取り組んでいた場合などについて、
会社都合離職と同じ扱いとする」とした。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202305/16shihon.html
(指針案)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai18/shiryou1.pdf

●こども・子育て政策の強化について議論/こども未来戦略会議

 政府は17日、こども未来戦略会議を開催し、こども・子育て政策の強化について議論した。
首相は議論を踏まえ、「少子化は、我が国が直面する長年の問題で待ったなしの課題」とし、
「第1に、児童手当の拡充を始めとする経済的支援の強化、第2に、伴走型支援の強化や
保育の質の向上、サービスの拡充、第3に、育休制度の強化、働き方改革を中心とする
共働き・共育ての推進、第4に、こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革」
を通じて、「今後3年間のこども・子育て支援加速化プランに掲げられた各種施策について、
速やかに具体化し、財源の確保とあわせて、実行に移していかなければならない」などと
述べた。
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202305/17kodomo.html
(議事次第・資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai3/gijisidai.html

━━━━━━━━━━━━━━
【統計】
━━━━━━━━━━━━━━

●母親の有職割合、9年前より7ポイント上昇/厚労省「21世紀出生児縦断調査」

 厚生労働省は17日、「21世紀出生児縦断調査(2010年出生児)」の第12回(2022年)
の結果を公表した。2010年出生児を毎年追跡調査するもので、今回対象は12歳
(小学6年)。母の有職割合は81.0%と、2001年出生児調査(2013年実施)の
73.7%に比べて7.3ポイント高い。母の就業状況は、「勤め(常勤)」の割合が、
第4回調査(2010年出生児が3歳6カ月時)の23.8%から今回調査の30.0%まで
ゆるやかな上昇傾向にある。「勤め(パート・アルバイト)」の割合は、出産
半年後の第1回調査の5.7%から年々上昇し、今回は43.9%となっている。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/21/index.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/21/dl/houdou.pdf
(概況版)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/21/dl/gaikyo.pdf

●3月の生鮮食品を除く総合指数、前年同月比3.1%上昇/全国消費者物価指数

 総務省は19日、2023年4月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く
総合指数は104.8で前年同月比3.4%の上昇、前月比(季節調整値)0.5%の上昇。
前年同月比での上昇に寄与したのは、鶏卵などの乳卵類16.7%(寄与度0.21)、
さけなどの生鮮魚介14.3%(寄与度0.17)、洗濯用洗剤などの家事用消耗品12.6%
(同0.14)など。下落は、電気代のマイナス9.3%(同マイナス0.36)。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

●労災の死亡者数17.2%減、休業4日以上死傷者数6.9%減/厚労省集計

 厚生労働省は18日、2023年の労働災害発生状況(5月速報値)を公表した。
2023年における死亡災害は、死亡者数が188人で前年同期比17.2%減少。業種別では、
建設業55人(同25.7%減)、製造業37人(同28.8%減)、陸上貨物運送事業35人
(同45.8%増)など。事故の型別では、「墜落・転落」46人(同36.1%減)が最多。
休業4日以上の死傷者数は4万4,976人で、前年同期比6.9%減少。業種別では、
第三次産業の2万8,380人(同5.0%減)が最多。事故の型別では、「その他」(主に
感染症による労働災害)1万3,822人(同19.2%減)、「転倒」9,576人(同1.2%減)など。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/dl/23-05.pdf
(統計表)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei11/rousai-hassei/index.html

●3月の生産指数、前月比1.1%上昇/鉱工業指数

 経済産業省は17日、3月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」
確報値を公表した。生産指数(季節調整済)は95.9で、前月比1.1%の上昇。
業種別にみると、自動車工業、生産用機械工業、化学工業(無機・有機化学工業を除く)
が上昇し、電子部品・デバイス工業、汎用・業務用機械、食料品・たばこ工業等が低下。
出荷は同0.8%上昇、在庫は同0.2%上昇、在庫率は同1.1%上昇。
速報と比べて、生産、出荷は上方修正、在庫、在庫率は下方修正。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要冊子)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202303kj.pdf

━━━━━━━━━━━━━━
【動向】
━━━━━━━━━━━━━━

●4月の倒産610件、13カ月連続で前年同月を上回る/民間調査

 東京商工リサーチは12日、4月の全国企業倒産状況を発表した。倒産件数は610件
(前月809件、前年同月486件)で、2022年4月から13カ月連続で前年同月を上回った。
件数が13カ月連続で前年同月を上回るのは、22年5カ月ぶり。前年同月比で増加率
25%超は4カ月連続。負債総額は2,038億6,100万円(同150.8%増)で、2カ月ぶりに
前年同月を上回った。「新型コロナウイルス」関連倒産は235件(前年同月比52.5%増)
で、8カ月連続200件超、集計を開始した20年2月以降の累計は5,786件に達した。
https://www.tsr-net.co.jp/news/status/detail/1197644_1610.html

●企業の正社員不足感は全体で58.2%、求職者の3割超が年収交渉/民間調査

 マイナビは11日、「中途採用・転職活動の定点調査(2023年3月)」を発表した。
23年3月に中途採用活動を実施した企業は全体で43.5%と前年同月比1.4ポイントの微増。
正社員について、不足していると感じている企業は58.2%と半数を超えた。業界別では
「運輸・交通・物流・倉庫」が70.9%で最多。直近3カ月以内の中途入社者で、企業と
年収交渉を行った人の割合は33.1%、うち交渉して企業の当初提示金額よりも年収が
上がったと答えた人は90.3%。「年収を上げる余地がある」とした企業は過半数
(54.8%)の一方、「選考通過が難しくなる」「やや難しくなる」とした企業は
あわせて約7割(68.8%)。
https://www.mynavi.jp/news/2023/05/post_38634.html

━━━━━━━━━━━━━━
【海外】
━━━━━━━━━━━━━━

●国別労働トピック/JILPT

<アメリカ>
▽「自動化技術の労働への影響」に関する情報提供を呼びかけ―ホワイトハウス

 ホワイトハウスの科学技術政策局(OSTP)は3日、労働者の監視や評価に使用する
AIなどの自動化システムの使用に関する情報の提供を国民や組織に求めた。
自動化テクノロジーが職場の安全やメンタルヘルスへの悪影響、団結権の侵害、
採用や処遇上の差別といった問題をもたらす可能性を指摘。それらの具体的な情報を
収集することで、今後の政策策定に役立てる。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/05/usa_01.html

▽AIが及ぼす職業へのインパクト―研究者らの分析が相次ぐ

 ChatGPT(チャットGPT)などユーザーの求めに応じて自然な文章や適した画像を
自動的に作り出す「生成(Generative)AI(人工知能)」の利用が急速に普及している。
こうした中で、AIが職業や労働市場に与えるインパクトを考察した研究論文の発表が
相次いでいる。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/05/usa_02.html

<フランス>
▽就労放棄による解雇が自己都合退職に―失業認定の変更により失業保険給付不可へ

 無断欠勤など正当な理由なく出勤しなくなった従業員は、従来の制度では雇用主から
不法行為を理由に解雇扱いとなるのが一般的であり、失業保険を受給することができた。
しかし、2023年4月17日のデクレで変更され、正当な理由がなければ「解雇」ではなく
「自己都合の退職者」として扱われ、失業保険が受給できなくなった。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/05/france_01.html

<韓国>
▽若者が求める職場―全国経済人連合会調査結果より

 韓国の経済団体、全国経済人連合会がMZ世代と呼ばれる若者827人を対象に、
韓国の企業に対して抱くイメージを調査した。その結果、MZ世代が経営陣の
リーダーとして好むタイプは「コミュニケーション型リーダー」であること、企業の
イメージ向上のためには「企業内組織人員間のコミュニケーションの強化」を重視
していること、そして就職したい企業には「ワーク・ライフ・バランスが保障されて
いる企業」を選択すること、などが明らかとなった。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/05/korea_01.html

●フォーカス/JILPT

<インドネシア>
▽インドネシア:2023年2月の失業率は5.45%に低下―コロナ禍前の水準に近づく

 2023年5月5日、インドネシア中央統計局(BPS)は同年2月の労働力調査の結果を
公表した。失業率は5.45%(男性5.83%、女性4.86%)、失業者数は799万人となった。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2023/05/indonesia.html

━━━━━━━━━━━━━━
【イベント】
━━━━━━━━━━━━━━

●シンポジウム「なぜ人は自主的に学ばないのか。学びに向かわせない組織の考察」/リクルートワークス研究所

 リクルートワークス研究所は、シンポジウム「なぜ人は自主的に学ばないのか。
学びに向かわせない組織の考察」をオンラインと、対面でのワークショップで開催する。
個人が主体的に学ばない要因や、学びたくなる職場についての研究成果を報告し、
学びに向かう組織作りを考える場とする。
5月31日:ウェビナー「エビデンスに基づく「学びに向かわせない組織」の実態」
6月5日:対面ワークショップ「「学びに向かう組織」への導線」
参加無料、参加希望する回ごとに同シンポジウムのHPから申し込む。
https://www.works-i.com/column/seminar/interruptlearning.html

●労働保険年度更新・算定基礎届の事務説明会/東京都社会保険労務士会

 東京都社会保険労務士会は、労働保険年度更新申請書や社会保険の算定基礎届・
月額変更届の事務説明会を動画配信(期間限定)で開催する。事業主や事務担当者を
対象として、算定基礎届・月額変更届の書き方等について、毎年の変更点や重要点を
説明する。配信期間は、6月1日~7月10日まで。視聴無料、要事前申込み。
(申込受付)
https://www.tokyosr.jp/r5shakaikouken
(リーフレット)
https://www.tokyosr.jp/wp-content/uploads/2023/05/60c247ff3e9ff6ae7242e8c796317625.pdf
(同会HP・申込受付のご案内)
https://www.tokyosr.jp/topics/52568/

●「テレワークセミナー」/東京テレワーク推進センター

 東京テレワーク推進センターは、テレワークに関するセミナーを毎月開催している。
5月23日は同センター(文京区)及びオンラインで開催する。テレワークのノウハウを
活用した社員のリスキリング効果を高める手法(5月23日)を説明する。
東京都や国の支援事業も紹介予定。参加無料。要事前予約。
定員15名(会場)、300名(オンライン)。
https://tokyo-telework.metro.tokyo.lg.jp/seminarevent

●カンファレンス「東京から変える!これからの女性の働き方」/東京都

 東京都は28日、カンファレンス「これからの女性の働き方」を開催する。
女性経営者による講演や、企業経営者や実務家などによるトークセッションを行う。
東京国際フォーラムで開催し、同時にライブ配信(YouTube)を実施。
参加無料、要事前登録(締切25日)。
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/plan/sangyo/conference_1/index.html