メールマガジン労働情報 No.1849

■□――【メールマガジン労働情報/No.1849】

今後3年間に雇用者を増やす見通しの企業は7割強/内閣府調査 ほか

―2023年3月3日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】今後3年間に雇用者を増やす見通しの企業は7割強/内閣府調査 ほか
【統計】1月の完全失業率2.4%、前月比0.1ポイント低下/労働力調査 ほか
【労使】昨年を大きく上回る要求額が相次ぐ/2023春闘での金属大手労組の賃上げ要求額 ほか
【動向】コロナ破たん、2月は月間最多の249件/民間調査 ほか
【企業】「副業・副業受け入れ制度」を導入/沖電気工業 ほか
【海外】戦略的新興産業分野の中小企業「専精特新」に対する支援策/中国

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【JILPTからのお知らせ】
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☆ポータルサイトを開設しました!
 厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)関連のJILPT調査研究成果

 JILPTでは、様々な就職支援ツールの研究開発の蓄積を活かし、厚労省の職業情報提供
サイト(日本版O-NET)【愛称:jobtag】向けに、職業情報データベース(職業解説及び
スキルレベルや知識の重要度等を職業間で比較できるようスコア化した「数値情報」)や、
Web化した職業興味・適性検査を開発・提供しています。
 本サイトでは、関連のJILPT研究開発物や、開発経緯・過程等を取りまとめた研究成果
および「数値情報」を二次分析したディスカッションペーパー等の研究成果をご紹介します。
https://www.jil.go.jp/activity/project/o-net/index.html

☆労働政策フォーラム

「労働と健康─職場環境の改善と労働者の健康確保を考える─」(オンライン開催)
 日 時:(第1部)3月15日~20日/(第2部)3月20日14時30分~17時
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20230320/index.html

☆JILPTコロナプロジェクト セミナー

「コロナ期日本の働き方、家計のレジリエンス格差」(オンライン開催)
 日 時:3月17日 14時30分~16時50分
 https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/event/sm230317/index.html

◇『日本労働研究雑誌』2023年2・3月号を刊行しました!
 学界展望:労働法理論の現在
 公募特集:雇用環境・均等政策の効果と課題
 https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2023/02-03/index.html

◇『ビジネス・レーバー・トレンド』2023年3月号を公開しました!
 「70歳まで働ける職場をつくる」
 https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2023/03/index.html

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【JILPT研究成果情報】
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◇労働政策研究報告書 No.223『企業のキャリア形成支援施策導入における現状と課題』
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2023/0223.html

◇ディスカッションペーパー 23-S-01『職業の自動化確率についての日米比較
 Frey&Osborne モデルの再現と日本版 O-NET データへの拡張』
https://www.jil.go.jp/activity/project/o-net/documents/DP23-S-01.pdf

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(3月2日更新)

 国内統計:売上高、営業利益、経常利益、設備投資
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c16.html

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【行政】
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●今後3年間に雇用者を増やす見通しの企業は7割強/内閣府調査

 内閣府は1日、2022年度「企業行動に関するアンケート調査」結果を公表した。
今後3年間(2023~2025年度平均)に雇用者を増やす見通しの企業割合(全産業)は
73.6%(前年度調査70.1%)、製造業では68.8%(同67.0%)、非製造業では77.4%
(同72.9%)。業種別では、非製造業は「倉庫・運輸関連業」(94.1%)、「証券、
商品先物取引業」(90.9%)、「建設業」(90.7%)など、製造業では、「化学」
(77.8%)、「機械」(77.5%)、「精密機器」(77.3%)などが高い。
次年度(2023年度)の実質経済成長率見通し(全産業・実数値平均)は1.3%
(前年度調査1.5%)。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/ank/menu_ank.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/ank/r4ank/r4ank_houdou.pdf

●各地域の景況判断、8地域で「一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」/3月地域経済動向

 内閣府は1日、3月の「地域経済動向」を公表した。景況判断(景気の変化方向)は、
「一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」(8地域)、「緩やかに
持ち直している」(2地域)、「持ち直しの動きに足踏みがみられる」(2地域)。
11月調査と比較すると、東海、近畿、中国、四国、沖縄の5地域は据え置き、
他の7地域は下方修正。雇用情勢は、全12地域が「持ち直している」で据え置き。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/chiiki/2023/0301chiiki/menu.html
(概況等)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/chiiki/2023/0301chiiki/gaikyou.pdf

●「男性育休推進企業実態調査結果発表イベント」を開催/厚労省

 厚生労働省は、4月から従業員1,000人超の企業で義務化される男性の育児休業
取得率等の公表に合わせて、報道関係者を対象とした「男性育休推進企業実態調査結果
発表イベント」を3月15日に開催する。「男性育休推進企業実態調査」の結果を分析し、
男性の育児休業取得率や取得日数の取組事例を紹介するとともに、調査結果から分かった
男性育休を推進する上で有効な取組について解説する。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31480.html
(リーフレット: 男性の育児休業取得率等の公表)
https://www.mhlw.go.jp/content/11911000/001064082.pdf

●第1回「雇用就農資金」の募集を開始/農水省

 農林水産省は、2023年度第1回「雇用就農資金」の募集をしている。
同事業は、49歳以下の就農希望者を新たに雇用する農業法人等に対して
資金を助成するもの。対象は2023年6月から事業の開始を希望する者で、
募集タイプは、「雇用就農者育成・独立支援タイプ」(年間最大60万円、
最長4年間)、「新法人設立支援タイプ」(年間最大120万円、最長4年間
(3年目以降は年間最大60万円))、「次世代経営者育成タイプ」
(月最大10万円、最短3か月~最長2年間)がある。募集期間は、次世代
経営者育成タイプが2024年1月31日まで、他のタイプは2023年4月4日まで。
https://www.maff.go.jp/j/press/keiei/zinzai/230301.html

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【統計】
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●1月の完全失業率2.4%、前月比0.1ポイント低下/労働力調査

 総務省は3日、2023年1月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。
完全失業率(季節調整値)は2.4%で、前月比0.1ポイントの低下。
完全失業者数は164万人(前年同月比21万人減)で、19か月連続の減少。
就業者数は6,689万人(同43万人増)で、6か月連続の増加。産業別では、
「医療・福祉」、「宿泊業・飲食サービス業」、「サービス業
(他に分類されないもの)」などで前年同月に比べて増加。
雇用者数は6,034万人(同57万人増)で、11か月連続の増加。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
(概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

●1月の新規求人、「宿泊業・飲食サービス業」は前年同月比27%増/一般職業紹介状況

 厚生労働省は3日、「一般職業紹介状況」を公表した。2023年1月の
有効求人倍率(季節調整値)は1.35倍で、前月比0.01ポイント低下。
新規求人倍率(同)は2.38倍で、前月と同水準。新規求人(原数値)は、
前年同月比で4.2%増。産業別では、宿泊業・飲食サービス業(27.0%増)、
運輸業・郵便業(4.0%増)、卸売業・小売業(3.8%増)などで増加。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31294.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001060938.pdf

●経常利益「運輸業・郵便業」が増益、一方で「石油・石炭」は減益/10~12月期法人企業統計調査

 財務省は2日、2022年10~12月期の「法人企業統計調査」結果を公表した。
全産業(金融業、保険業を除く)の企業動向を前年同期比でみると、売上高は
6.1%増、経常利益は2.8%減(製造業15.7%減に対して非製造業5.2%増)、
設備投資は7.7%増。業種別のプラス寄与は、売上高では「電気業」(44.8%)、
経常利益では「運輸業・郵便業」(93.7%)、設備投資では金属製品(56.4%)
が最高。マイナス寄与は、経常利益の「石油・石炭」(マイナス244.8%)が
突出している。
https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/data.htm
(報道発表資料)
https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/results/r4.10-12.pdf

●生活保護開始世帯数は約1万7千世帯、前年同月比0.7%減/12月被保護者調査

 厚生労働省は1日、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2022年12月分概数)
結果を公表した。保護の申請件数は1万7,706件で、前年同月比46件(0.3%)減。
保護開始世帯数は1万7,532世帯で、同115世帯(0.7%)減。被保護世帯は
164万6,686世帯で、同1,800世帯(0.1%)増。被保護実人員は202万6,763人で、
同1万3,446人(0.7%)減。同日には、「被保護者調査」の2021年度確定値も
公表された。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2022/12.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2022/dl/12-01.pdf
(2021年度確定値)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2022/dl/r03houdou.pdf

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【労使】
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●昨年を大きく上回る要求額が相次ぐ/2023春闘での金属大手労組の賃上げ要求額

 2023春闘では、先行大手の労働組合の要求提出と交渉・協議が進んでいる。
金属労協(JCM)加盟の大手労組の賃上げ要求水準をみると、自動車総連では、
本田技研労組が総額で1万9,000円、基幹労連の重工では、賃金改善額だけで
1万4,000円を掲げるなど、昨年を大きく上回る要求水準が目立つ。電機連合の
中闘組合を構成する主要12組合は、開発・設計職の個別ポイントで、7,000円
(昨年3,000円)の引き上げを要求した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20230303.html

●業況DIは、コスト増に価格転嫁が追いつかず悪化/日商LOBO調査

 日本商工会議所は2月28日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を発表した。
2月の業況DI(全産業合計)はマイナス19.4で、前月比1.0ポイントの低下。小売業は
インバウンド需要の増加により百貨店を中心に改善したが、建設業は建設資材の高騰の
影響で悪化、製造業は外需の減退から電子部品関連を中心に悪化、卸売業は力強さを欠き、
飲食・宿泊業は横ばいとしている。業種を問わず、人手不足や資源・エネルギー価格の
高騰によるコスト増に価格転嫁が追いつかず、中小企業の業況は悪化したとしている。
先行き見通しDIはマイナス19.2で、今月比0.2ポイントの上昇。新型コロナの5類移行
に伴う活動正常化で、売上増加を期待する声が小売業・サービス業から聞かれた一方で、
活動回復に伴うさらなる人手不足が懸念されるとしている。
https://www.jcci.or.jp/news/2023/0228110330.html

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【動向】
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●コロナ破たん、2月は月間最多の249件/民間調査

 東京商工リサーチは2月28日、2月の「新型コロナ」関連の経営破たん
(負債1,000万円以上)が249件だったと発表した。3か月連続で月間最多を更新。
月間件数を日数で割った1日あたりの件数も、2月は8.8件と初めて8件を超え、
これまでの最多だった2023年1月(7.9件)を大きく上回った。コロナ破綻の件数は
2022年に入って増勢を強め、前年(1,718件)から3割増の2,282件となったが、
2023年に入っても増勢は続いている。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20230228_03.html

●転職のきっかけ、30代「給与」、40代「会社の将来性」、50代「会社の風土」/民間調査

 エン・ジャパンは2月28日、35歳以上を対象とした「『転職のきっかけ』
意識調査」結果を発表した。転職を考えたきっかけは、30代は「給与」(47%)、
40代は「会社の将来性」(49%)、50代は「会社の考え・風土」(40%)が最多。
転職で最も実現したいことは、「給与・待遇のアップ」(40%)、「経験・能力が
活かせるポジションへの転職」(31%)、「やりたい仕事ができる環境での就業」
(20%)など。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2023/32158.html

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【企業】
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●「副業・副業受け入れ制度」を導入/沖電気工業

 沖電気工業株式会社は1日、同日より「副業・副業受け入れ制度」を
導入すると発表した。従来は、家業など最小限の範囲で副業を認めていたが、
今回の「副業制度」では、国内全社員について、副業先との雇用形態(雇用・非雇用)
に関わらず副業を認める。「副業受け入れ制度」では、戦略分野に外部人材の
多様な視点・知見の取り込みを目指す。社員一人ひとりの自律・新たな知見と
スキルの獲得・価値観の多様化を進め、既存ビジネスの変革や新規事業創出を
目指すとしている。
https://www.oki.com/jp/press/2023/03/z22076.html

●週2日の在宅勤務推奨を廃止/GMOインターネットグループ

 GMOインターネットグループ株式会社は2月21日より、「原則、週3日出社・
週2日在宅勤務」を推奨していた出社体制を廃止し、原則出社しての勤務体制に
変更したと発表した。同社では社内アンケートを実施したうえで2月6日に、
社内のパーティションを撤去するなど感染対策を完全撤廃し、マスク着用を
任意としている。全ての従業員がオフィスで顔を合わせて勤務することで、
これまでよりもさらにコミュニケーションを円滑化させるとしている。
https://www.gmo.jp/news/article/8236/

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<中国>
▽戦略的新興産業分野の中小企業「専精特新」に対する支援策

 中国政府(工業情報化部)は2月21日、第5期「専精特新」企業への支援を
実施するとの通知を発表した。「専精特新」企業とは、専門性、精巧性、特徴性、
新規性の4つの優れた特徴を持つ中小企業を指し、そのうち中国工業情報化部が
選出した「専精特新」企業を「小さな巨人」と呼ぶ。「小さな巨人」企業は、
中央もしくは地方政府から、税金、融資、人材採用の優遇策など、さまざまな
支援を受けることができる。工業情報化部は今後、対象企業の発展に向けて、
より有利な環境の醸成や、資本、人材、技術、インキュベーションプラット
フォームの設立などの側面支援を改善し、2023年末までに全国の「専精特新」
企業を8万社以上、「小さな巨人」企業を1万社以上に育成する計画である。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/03/china_01.html