メールマガジン労働情報 No.1790

■□――【メールマガジン労働情報/No.1790】

男女賃金差の情報公表を大企業に義務化する改正省令等を施行/厚労省 ほか

―2022年7月13日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】男女賃金差の情報公表を大企業に義務化する改正省令等を施行/厚労省 ほか
【統計】景気判断、多くの地域で「緩やかに持ち直している」/日銀地域経済報告 ほか
【労使】単純平均5,960円、2.06%/国民春闘共闘委員会の賃上げ最終集計
【動向】労働生産性に対する危機感、経営層の約4割が「かなり危機感がある」/民間調査 ほか
【海外】首都やサンフランシスコなどで最低賃金を引き上げ/アメリカ ほか
【イベント】「事例から学ぶ職場のメンタルヘルスセミナー(大人の発達障がい)」/中央労働災害防止協会 ほか

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【JILPTからのお知らせ】
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☆労働政策フォーラム(オンライン開催)
「転職と中途採用について考える─キャリア採用の取組を中心に」

 日 時:2022年7月22日(金曜)~26日(火曜)
 プログラム:
  <第1部>オンデマンド配信(7/22~26)
   研究報告
   事例紹介(株式会社湖池屋/三井化学株式会社/株式会社ジェイエイシーリクルートメント)
  <第2部>ライブ配信
   パネルディスカッション
 参加費:無料(要予約)
 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20220726/index.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(7月12日更新)

 国際比較統計:完全失業者数
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/f/f02.html

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【行政】
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●男女賃金差の情報公表を大企業に義務化する改正省令等を施行/厚労省

 厚生労働省は8日、女性活躍推進法の省令・告示を改正し、同日施行した。
同改正により、女性の活躍に関する情報公表項目として「男女の賃金の差異」
を追加し、常用労働者301人以上の大企業には、次の事業年度の開始日から
おおむね3か月以内に、直近の男女の賃金の差異の実績を公表することが
義務付けられる。「男女の賃金の差異」は、全労働者、正社員、パート・
有期社員の区分ごとに男性労働者の賃金の平均に対する女性労働者の賃金の
平均を割合(パーセント)で示す。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26587.html
(通達)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000962286.pdf
(男女の賃金の差異の算出及び公表の方法)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000962287.pdf
(解説資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000962288.pdf
(リーフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000961793.pdf

●中小企業のデジタル化に役立つポータルサイト「みらデジ」を公表/経産省

 経済産業省は、中小企業のデジタル化に役立つ情報をワンストップで紹介する
ポータルサイト「みらデジ」を公表している。同サイトでは、スマホやPCから
5つの質問に回答することにより、同地域・同業種の事業者と比較した自社の
デジタル化の進捗度などを確認することが可能。各種支援策情報も掲載されており、
専門家による無料オンライン相談も受けられる。
https://www.meti.go.jp/press/2022/07/20220711001/20220711001.html

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【統計】
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●景気判断、多くの地域で「緩やかに持ち直している」/日銀地域経済報告

 日本銀行は11日、7月の「地域経済報告―さくらレポート―」を公表した。
中国でのロックダウンもあって供給制約の影響がみられているものの、個人消費
への感染症の影響が和らぐもとで、多くの地域で「緩やかに持ち直している」
などとしている。雇用・所得情勢は、東北(「改善の動きがみられる」)、
北陸(「緩やかに持ち直している」)、四国(「改善に向かいつつある」)
を除いて、「弱めの動きとなっている」などとしている。
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/rer220711.htm/
(全文)
https://www.boj.or.jp/research/brp/rer/data/rer220711.pdf

●「景気は、緩やかに持ち直している」/6月景気ウォッチャー調査

 内閣府は8日、全国の商店主やタクシー運転手などに街角の景況感をたずねた
「景気ウォッチャー調査」の結果を公表した。6月の現状判断DI(季節調整済)は、
前月差1.1ポイント低下の52.9。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべての
DIが低下したことによる。先行き判断DI(同)は、同4.9ポイント低下の47.6。
調査結果について、「景気は、緩やかに持ち直している」とし、先行きについては、
「緩やかな持ち直しが続くとみているものの、ウクライナ情勢等に伴う影響も含め、
コスト上昇等に対する懸念が強まっている」としている。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2022/0708watcher/bassui.html
(調査結果全体版)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2022/0708watcher/watcher1.pdf

●基調判断「持ち直しの動きがみられる」で据え置き/機械受注統計調査報告5月実績

 内閣府は11日、機械受注統計調査報告(2022年5月実績)を公表した。
機械受注総額は、前月比10.1%減の3兆273億円(季節調整値)。民間設備投資の
先行指標である「船舶・電力を除く民需」は、同5.6%減の9,088億円。このうち、
製造業は同9.8%減、非製造業(船舶・電力を除く)は同4.1%減。基調判断は
「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2022/2205juchu.html
(概要)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2022/2205gaiyou.pdf

●二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質0.5%減/5月家計調査報告

 総務省は8日、5月の「家計調査報告」を公表した。二人以上世帯の1世帯当たりの
消費支出は、実質で前年同月比0.5%減、前月比(季節調整値)1.9%減の28万7,687円。
支出項目別での実質増減へのマイナス寄与は、住居(マイナス0.50%)、教育
(マイナス0.42%)など7費目、プラス寄与は、教養娯楽(0.83%)、被服及び履物
(0.38%)など3費目。勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は、1世帯当たり
実質で前年同月比2.7%減の48万9,745円。
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf

●6月の輸入物価指数、契約通貨ベースで前年比約26%上昇/日銀

 日本銀行は12日、企業物価指数(2022年6月速報)を公表した。輸入物価指数は、
ドルなどの契約通貨ベースで前月比0.8%、前年比25.8%、円ベースで前月比4.1%、
前年比46.3%、それぞれ上昇。前月比での上昇への寄与度は、石油・石炭・天然ガス
(1.03%)、木材・木製品・林産物(0.07%)など。国内企業物価指数は、前月比0.7%、
前年比9.2%の上昇。前月比での上昇への寄与度は、石油・石炭製品(0.29%)、
化学製品(0.18%)、電力・都市ガス・水道(0.10%)など。
https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/cgpi2206.pdf

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【労使】
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●単純平均5,960円、2.06%/国民春闘共闘委員会の賃上げ最終集計

 全労連や中立組合などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事:小畑雅子全労連議長)は
7月11日、2022春闘の最後となる第8回賃上げ集計を公表した。7日までに1,351組合が
回答を引き出し、有額回答のあった885組合の単純平均額は5,960円で、率は2.06%。
加重平均では5,655円、2.02%となった。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20220713.html

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【動向】
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●労働生産性に対する危機感、経営層の約4割が「かなり危機感がある」/民間調査

 日本生産性本部は11日、「生産性課題に関するビジネスパーソンの意識調査」
結果を発表した。日本の労働生産性に対する危機感は、経営層で「かなり危機感がある」
が41%と最多。一方、管理職・非管理職では「やや危機感がある」が最も多いが
「わからない」も目立ち、役職によって温度差がある。また、コロナ禍収束を見据えた
生産性の高い組織のあり方については、「働く場所に制約がない働き方」「出社と
テレワークを柔軟に組み合わせる」とする回答が全役職で約3割程度を占め、
「コロナ前の組織体制に戻す」は全役職で5%前後。
https://www.jpc-net.jp/research/detail/005917.html
(結果概要)
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/businessperson_1.pdf

●6月の倒産件数は546件、3か月連続の増加/民間調査

 東京商工リサーチは8日、2022年6月の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)件数が
546件(前年同月比0.9%増)、負債総額が1兆2,325億8,300万円(同1,697.6%増)
と発表した。件数は4月から3か月連続で前年同月を上回り、コロナ関連の資金繰り
支援策による効果が薄れ、倒産は抑制から増勢に潮目が変わりつつあるとしている。
6月の「新型コロナウイルス」関連倒産は200件(同44.9%増)で、3月(205件)
に次ぐ2番目の高水準。
https://www.tsr-net.co.jp/news/status/monthly/202206.html

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<アメリカ>
▽首都やサンフランシスコなどで最低賃金を引き上げ

 2022年7月1日、コネチカット州など3州と首都ワシントンD.C.(コロンビア特別区)、
カリフォルニア州のサンフランシスコ市・郡などが最低賃金を引き上げた。物価の上昇を
反映してワシントンD.C.では時給16ドルを超え、サンフランシスコでは17ドルに迫る水準
となっている。また、ハワイ州では最低賃金を段階的に引き上げる法案が成立。
時給10.10ドルの現行最賃を今後4段階に分けて引き上げ、28年1月までに18ドルとする。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/07/usa_03.html

<中国>
▽2022年度大学卒業者への政府の就職支援策

 新型コロナウィルス感染拡大防止のための都市封鎖により経済が減速する中、
政府は就職難に巻き込まれた若者に対する就職支援策を強化している。2022年度の
新規大卒者は1,076万人で、過去最高を更新した。「史上最も就職が困難な年」
と言われる中、大卒者の就職と起業を支援するため、国務院は今年5月13日、
「大学卒業生等青年の就職と起業のさらなる遂行に関する通知」を発表した。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/07/china_01.html

<OECD>
▽OECD経済見通し 戦争の代償

 経済協力開発機構(OECD)は2022年6月20日に、「経済見通し2022:戦争の代償」
と題する報告書を公表した。同報告書によると、2022年の世界経済成長率は3%と、
昨年12月の予測(4.5%)から1.5%下方修正された。さらにインフレ率はOECD平均で
8.5%と、昨年予測の約2倍に上っている。こうした世界経済の後退は、ロシアによる
ウクライナ侵攻によるところが大きい。2月24日に開始されたウクライナ侵攻によって、
700万人近くの避難者がヨーロッパ各地に避難しており、深刻な人道危機を引き起こしている。
この数は、2015年~2016年にかけてシリアからヨーロッパへ避難した人数の数倍の規模に
上っている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/07/oecd_01.html

<ベトナム>
▽2年半ぶりに最低賃金を引き上げ

 ベトナム政府は2022年6月12日、4つの地域別に設定している最低賃金を
7月1日からそれぞれ改定すると発表した。2020年1月以来2年半ぶりの改定で、
平均約6%の引き上げ率となっている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/07/vietnam_01.html

<ドイツ>
▽操短特例の一部を9月末まで延長―ウクライナ戦争の影響で

 ドイツ政府は6月22日、コロナ禍で始まった操業短縮(操短)手当の特例措置
の一部を、9月30日まで3か月間延長することを決定した。ウクライナ戦争
によるサプライチェーンの混乱の悪化を避け、企業労使の安定的な計画策定を
支援するため、としている。なお、コロナ禍を理由とした手当の引き上げなどの
特例措置は、当初の予定通り6月30日で終了した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/07/germany_02.html

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【イベント】
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●「事例から学ぶ職場のメンタルヘルスセミナー(大人の発達障がい)」/中央労働災害防止協会

 中央労働災害防止協会は7月26日、「事例から学ぶ職場のメンタルヘルスセミナー
(大人の発達障がい)」を港区で開催する。「大人の発達障がい」に関して、自然体で
仲間として受け入れることのできる職場づくりを進めている事業場の事例、就労が困難
となり休職を繰り返す発達障がい者の就労支援について、適切な対応方法を解説するとともに
大人の発達障がいの特性について理解を深めるための医学的な情報も提供する。
参加費26,400円、定員32名。
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/h3690_mh_case.html
(チラシ)
https://www.jisha.or.jp/seminar/health/pdf/h3690_mh_case-adult_dd_2022.pdf

●「人を活かすSDGs経営のこれから―地域企業の活動への展開―」/大原記念労働科学研究所

 大原記念労働科学研究所は7月26日、セミナー「人を活かすSDGs経営のこれから
―地域企業の活動への展開―」をオンラインで開催する。SDGsの基本理念である
「誰一人取り残さない-No one will be left behind」を実現するための新たな
人財の活かし方についてケーススタディ、ディスカッションを通じて考え、
イメージを模索する。参加無料。事前申込制。
https://www.isl.or.jp/service/seminar/20227sdg.php

●キャリア・シフトチェンジのためのワークショップインストラクター養成研修/中央職業能力開発協会

 中央職業能力開発協会は、「キャリア・シフトチェンジのためのワークショップ」
インストラクター養成研修を新宿区または大阪市で開催する。ミドルシニア向け
キャリア研修である「キャリア・シフトチェンジのためのワークショップ」の講師を
養成するための研修。日程は9月~23年2月(全5回、各回2日間、各回は同内容)。
受講料51,000円。定員24名。
https://www.javada.or.jp/shift/instructor.html