単純平均5,960円、2.06%/国民春闘共闘委員会の賃上げ最終集計

2022年7月13日 調査部

全労連や中立組合などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事:小畑雅子全労連議長)は7月11日、2022春闘の最後となる第8回賃上げ集計を公表した。7日までに1,351組合が回答を引き出し、有額回答のあった885組合の単純平均額は5,960円で、率は2.06%。加重平均では5,655円、2.02%となった。

ケア労働者の大幅賃上げアクションの成果が鮮明に

集計結果によると、7月7日までに1,351組合が何らかの回答を引き出している。そのうち、金額もしくは率などが明らかになっている有額回答を得た組合は885組合(65.5%)で、「定昇確保」などの言葉による回答を得た組合が466組合(34.5%)となっている。

有額回答を引き出した885組合での単純平均(一組合あたりの平均)は、額で前年の最終集計(7月8日集約)に比べて1,074円増の5,960円、率も同0.22ポイント増で2.06%となった。加重平均額(組合員一人あたりの平均、組合員数9万9,475人)は、前年最終集計比41円減の5,655円、率は同0.09ポイント増で2.02%となった。

同一組合で前年実績と対比できる576組合についてみると、単純平均額は5,370円(前年実績4,870円)で前年を500円上回っている。率で比較可能な328組合の賃上げ率も、単純平均で2.08%(同1.89%)と、前年を0.19ポイント上回った。なお、前年実績以上の回答を引き出した組合は、額で413組合(71.7%)、率では212組合(64.6%)となっている。

国民春闘共闘委員会によると、「産業別で、介護・保育・障害福祉などの『社会福祉・介護』で前年実績を4,000円以上、上回る8,036円となるなど、ケア労働者の大幅賃上げアクションに取り組んだ成果がはっきりする結果になっている」と評価している。

非正規労働者は時給23.2円の賃上げ

非正規労働者の賃上げ状況については、11単産231組合から398件の報告が寄せられている。時給制では283件の報告があり、そのうち引き上げ額がわかっている186件の単純平均は23.2円。率では、正規労働者の改定率を上回る2.67%となった。月給制では、78件の獲得報告が寄せられており、引き上げ額は3,800円、率では1.66%となっている。

企業内最賃協定の改定状況では、全農協労連、健交労、JMITU、化学一般、生協労連、全印総連、民放労連、出版労連、日本医労連の79組合から157件の報告があり、 時間額(82件)では、新協定額の単純平均が1,046円。日額(14件)では新協定額7,960円、月額(25件)の新協定額は15万9,935円となっている。