資料シリーズ No.68
若者の就業への移行支援と我が国の社会的企業
―ヒアリング調査による現状と課題の検討―

平成22年3月30日

概要

研究の目的と方法

プロジェクト研究「新たな経済社会における能力開発・キャリア形成支援の在り方に関する研究」)サブテーマ研究「キャリア形成弱者の実態と支援に関する調査研究」

※平成19~22年度の研究の中間とりまとめ

文献研究およびヒアリング調査

ヒアリング調査

  • 調査対象:若者就業支援を行なうNPOやワーカーズ・コレクティブ、ワーカーズ・コープなど「社会的企業」17団体
  • 調査時期:2009年6月~11月
  • 調査項目:(1)団体の概要 (2)事業・活動の内容 (3)支援機関のスタッフの状況 (4)社会経験がない若者の受け入れについて (5)外部機関とのつながり (6)今後の展開についてなど。

主な事実発見

  • 若者就業支援において「社会的企業」が果たしている機能は、一般的就業への「媒介」あるいは参加の要素の強い「もうひとつの出口」の提供である。
  • 職業訓練とその後の就業が切り離されない仕組みが効果的である。
  • 支援機関の活動を支える公的資金は短期の成果を求めがちだが、対象によっては時間がかかる。伴走方の支援の仕組みと就業のハードルを低くするような仕組みとの組み合わせを考える必要がある。
  • 事業の質の担保を援助者の資格要件などによってすることも考えるべきである。
  • 支援者のキャリア形成が可能な仕組みが必要である。

政策的含意

  • 公共政策を担うパートナーとしての「社会的企業」を育成する視点が必要であり、入札における配慮などを考える必要がある。
  • 支援者のキャリア形成のために、支援スタッフの専門性をたかめ認証する仕組みが必要である。

政策への貢献

厚生労働省「雇用政策研究会」、文部科学省「生涯学習審議会」で新たな強い公共のあり方の議論で引用。社会的企業の活用は、事業を安価に行なうためでなく、新たな視点を取り込み、政策効果を高めるために行なうべきで、社会的企業を政策パートナーとして育成する視点がなければならないことなどを指摘。

本文

執筆担当者

小杉礼子
労働政策研究・研修機構 統括研究員
堀有喜衣
労働政策研究・研修機構 研究員

研究期間

平成21年度

お問合せ先

内容について
研究調整部 研究調整課 お問合せフォーム新しいウィンドウ
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