労働政策研究報告書No.100
高齢者の就業実態に関する研究
―高齢者の就労促進に関する研究中間報告―
概要
当機構では、「人口減少下における全員参加型社会の在り方に関する調査研究」をプロジェクト研究の一つに掲げ、労働力人口の減少を抑え、経済社会の活力を維持・増進できるよう、高齢者、女性、若者等、すべての人の意欲と能力を最大限発揮できるような環境整備の在り方について調査研究を行っています。
2007年から団塊世代の定年到達者が大幅に増えるなど、とりわけ高齢者の能力を活かすための取り組みを早急に進める必要があり、上記プロジェクト研究のサブ研究として「高齢者の就労促進に関する研究」を2007年度から先行・実施しております。
この研究の目的は、高齢者が意欲・能力を発揮し、年齢にかかわりなく働くことが出来るような環境整備の在り方について研究することです。他方、高齢者の就業率は長期的には低下がみられるため、高齢者の就業促進を図るためには、まず、高齢者の就業率の変動要因を分析し、それに対する処方箋を探ることが必要です。
このため、本研究では、2007年度は、既存の調査により、高年齢者の就業行動の要因、企業の雇用管理等と高齢者の雇用状況との関係等を分析し、高齢者の就業率の変動要因を明らかにするとともに、就業促進を図るための環境整備の課題を探ることとしました。その意味で本報告書は、「高齢者の就労促進に関する研究」の中間報告と位置づけられます。
本分析から、高齢者の就業決定には、制度要因(年金制度、定年制)の影響が大きいこと、従業員自身の意識と就業能力も影響していること、企業の人事労務管理の影響も大きく、特に継続雇用の質的側面の課題があること、60歳以前の働き方の状況が影響していること(企業、労働者の双方の対応)等を指摘することができます。
なお、2008年度は、更に分析を進め、高齢者が意欲と能力があれば、年齢にかかわりなく働けるような社会の在り方についての検討を予定しています。
本文
- 労働政策研究報告書No.100 サマリー (PDF:351KB)
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労働政策研究報告書No.100 本文(PDF:3.3MB)
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- 表紙・まえがき・執筆担当者・目次(PDF:149KB)
- 序章 本研究の目的と概要(PDF:299KB)
- 第1章 男性高齢者の就業決定の規定要因とその変化:1980~2004(PDF:667KB)
- 第2章 60歳定年以降における雇用・不雇用の分岐点―「自己選別」による雇用可能性の事前診断―(PDF:561KB)
- 第3章 在職老齢年金、高年齢雇用継続給付が高齢者の継続雇用希望に及ぼす影響(PDF:334KB)
- 第4章 高齢期夫の就労が妻の労働供給を抑制しているか(PDF:472KB)
- 第5章 高齢者継続雇用の実態と課題―継続雇用の質的側面の改善を中心として―(PDF:825KB)
- 第6章 高齢者就業の促進に向けた継続雇用の枠組みが機能する要件(PDF:325KB)
- 第7章 就業条件の変化が高年齢者の継続雇用に与える影響―従業員調査に基づく大幅な賃金・年収水準引き下げ効果の測定―(PDF:547KB)
研究期間
平成 19年~ 20年度
執筆担当者
- 藤井 宏一
- JILPT統括研究員
- 清家 篤
- 慶應義塾大学商学部教授
- 馬 欣欣
- JILPT臨時研究協力員
- 高木 朋代
- 敬愛大学経済学部准教授
- 浜田 浩児
- JILPT副所長
- 周 燕飛
- JILPT研究員
- 岩田 克彦
- 職業能力開発総合大学校専門基礎学科教授
- 藤本 真
- JILPT研究員
- 山田 篤裕
- 慶應義塾大学経済学部准教授
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