ディスカッションペーパー 21-10
日本企業における人事制度改革の30年史

2021年3月31日

概要

研究の目的

日本的雇用システムの研究の発展のために、雇用システムを巡る議論を整理すると共に、雇用システムを分析するための枠組みの提示を試みる。

研究の方法

既存調査・研究のレビュー

主な事実発見

  1. 人事改革は、企業の戦略との適合を目指して行われてきたこと。
  2. その際に、製品・サービス市場の二つの側面は、これまでの人事制度改革の議論を混乱させてきた原因であり、この二つの側面は明確に分けて議論する必要があること。
  3. 上記の分類に基づくと、日本企業は、ライン部署における機能的柔軟性に対応する人材を確保し、活用することについては一定の成果をあげてきたが、新しい事業を起こしたり、新商品を開発したりする人材に対しては有効な仕組みを構築できていないと解釈でき、この課題に対する取り組みこそが、現在進行中の人事制度改革であると考えられること。
  4. そのような人材マネジメントを分析する際には、長期雇用慣行(Old Deal)か雇用の流動化(New Deal)かといった二者択一ではない、「両立の人材マネジメント」という視点が必要になること(図表1図表2)。

図表1 両立の人材マネジメント

図表1画像
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図表2 人材マネジメントの枠組み

図表2画像

政策的インプリケーション

一律の雇用制度改革を議論するのではなく、「両立の人材マネジメント」の実現に向けた環境整備を考えていく必要がある。

政策への貢献

今後の労働政策を検討する上での基礎的な情報の提供

本文

研究の区分

プロジェクト研究「雇用システムに関する研究」
サブテーマ「産業構造と人口構造の変化に対応した雇用システムのあり方に関する研究 」

研究期間

令和2年度

研究担当者

梅崎 修
法政大学キャリアデザイン学部 教授
藤本 真
労働政策研究・研修機構 主任研究員
西村 純
労働政策研究・研修機構 副主任研究員

関連の研究成果

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