労働力不足を背景に外国人労働者受入れを拡大

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2012年10月

韓国政府は、勤勉に働く外国人労働者のための再入国雇用制度や送り出し国における特別韓国語能力試験の実施など、技能を持つ外国人労働者の受入れを促進するための施策を実施している。外国人労働者政策委員会は、2013年の外国人労働者受入れ割当数を6万2000人(前年比8.8%増)に設定すると発表した。中小企業で顕著な労働力不足に対応するため、事業所規模に応じた外国人労働者雇用制限数も緩和される。

勤勉な外国人労働者のための再入国雇用制度がスタート

「外国人労働者の雇用等に関する法律」改正法が2012年7月2日に施行され、雇用許可制度に基づき韓国で働く外国人労働者(非専門就業)のための新たな再入国雇用制度がスタートした。製造業、農畜産業および漁業の従業員30人以下の事業所(成形、鋳造、プラスチック加工、表面処理、熱処理などの業種の場合は従業員50人以下の事業所)において、雇用許可期間(最長4年10カ月)を通じて勤務先を1度も変更することなく勤勉に働いた外国人労働者は、出国してから3カ月経過後、再び韓国に入国して、もう4年10カ月間就労することができる。再入国雇用は1回に限り許可される。休業、廃業や使用者の労働条件違反など、使用者の責に帰すべき事由により勤務先を変更せざるを得なかった外国人労働者は、出国前の直近の勤務先で1年以上働いた場合、この制度を利用できる。

雇用許可制度において外国人労働者の雇用期間を最長4年10カ月に制限しているのは、低熟練労働者の定住を防止するためである。韓国の国籍法は、外国人が帰化を申請する際、5年以上継続して韓国に住所があることを条件としている。

雇用労働部によると7月に雇用許可期間が満了した外国人労働者703人のうち、536人(76%)が再雇用許可を得て、韓国を出国した。8月に雇用許可期間が満了となる外国人労働者1425人のうち、717人(50%)も7月中に再雇用が許可された。これらの外国人労働者は、韓国語能力試験や就業教育を受けることなく、韓国で再び就労することができる。

特別韓国語試験を8カ国で実施

韓国政府は、雇用許可期間中に勤務先を変更したことにより、勤勉な外国人労働者のための再入国雇用制度の適用を受けられない外国人労働者のために、特別韓国語試験を実施している。勤務先変更の有無や業種・企業規模にかかわらず、4年10カ月の雇用許可期間が満了する前に自主的に帰国した外国人労働者は、この試験を受験することができる。韓国に不法滞在した経歴のある外国人労働者は、受験資格がない。試験に合格した外国人労働者は、韓国を出国してから6カ月経過後、再び韓国で就労することができる。

特別韓国語試験は現在、韓国が二国間協定に基づき外国人労働者を受け入れている15カ国のうち、ベトナム、タイ、インドネシア、パキスタン、ウズベキスタン、バングラデシュ、カンボジア、モンゴルの8カ国で年4回(四半期に1回)実施されている。韓国政府は、今後、その他の送り出し国にも試験を拡大していく予定である。これらの8カ国において7月31日までに3625人の外国人労働者が特別韓国語試験に合格した。このうち出国前の直近の勤務先で1年以上働いた2897人の外国人労働者は、優先的にその勤務先の使用者と雇用契約を締結する資格を有していた。結果として694人の外国人労働者に対し出国前と同じ勤務先の雇用許可が発行された。

出国前と同じ勤務先で働く資格のない外国人労働者は、外国人労働者の雇用許可を申請しているその他の事業所に推薦される。企業と外国人労働者の雇用契約が成立してはじめて、外国人労働者は韓国に入国することができる。

2013年の外国人労働者受入れ割当数を設定

外国人労働者政策に関する最高決定機関である外国人労働者政策委員会は9月13日、2013年の外国人労働者導入計画を発表した(表1)。韓国は2013年、雇用許可制度に基づき、前年より5000人多い6万2000人の外国人労働者(非専門就業)を受け入れる。このうち3万9000人は帰国する外国人労働者の代替であり、残りの2万3000人は労働力不足による追加的需要に基づくものである。また、6万2000人のうち、5万2000人は新規入国者に、1万人は再入国者にそれぞれ割り当てられる。産業別には、深刻な労働力不足に直面し、かつ韓国人労働者の採用が困難な、製造業、農畜産業、漁業が大きな割合を占めている。

表1:雇用許可制度に基づく2013年の外国人労働者受け入れ割当数(人)
  製造業 農畜産業 漁業 建設業 サービス業 合計
新規割当数 42,600 5,600 2,150 1,560 90 52,000
再雇用割当数 9,400 400 150 40 10 10,000
合計 52,000 6,000 2,300 1,600 100 62,000

他方、特例雇用許可制度(訪問就業制度)に基づく韓国系外国人労働者(在外同胞)の受入れ割当数は、2012年と同レベルの30万3000人に設定された。彼らは、建設、ホテル、食品サービスなどの職種で働くことができる。韓国系外国人労働者の受入れ数は、非専門就業の外国人労働者と異なり、韓国に滞在する韓国系外国人労働者の総数に基づき管理されている。

外国人労働者政策委員会は、経済や国内労働市場の状況、不法滞在外国人数などを考慮し、必要に応じて2013年の外国人労働者受入れ割当数を調整することができる。

外国人労働者の雇用許可人数の制限は、事業所の規模に応じて定められている。製造業の場合、常用労働者300人未満または資本金80億ウォン以下の事業所が対象となる(表2)。

表2:製造業における外国人労働者の雇用許可人数(2012年)
内国人雇用保険被保険者数 外国人雇用許可人数 新規外国人雇用許可人数
1人以上10人以下 5人以下 2人以下
11人以上50人以下 10人以下 3人以下
51人以上100人以下 15人以下 4人以下
101人以上150人以下 20人以下
151人以上200人以下 25人以下 5人以下
201人以上300人未満 30人以下
301人以上 40人以下

韓国政府は、外国人労働者への依存度が高い事業所の現状を考慮し、新たに雇用することができる外国人労働者の人数制限を緩和する。2013年は、製造業の従業員10人以下の事業所で新たに雇用できる外国人労働者の数を、現在の2人から3人に引き上げる。また、成形、鋳造、プラスチック加工、表面処理、熱処理など業種の従業員50人以下の事業所では、現在よりも1人多い外国人労働者を新たに雇用することができるようになる。

韓国政府はまた、勤勉な外国人労働者のための再入国雇用制度を利用できる事業所の範囲を、現行の製造業の従業員30人以下の事業所(成形、鋳造、プラスチック加工、表面処理、熱処理など業種の場合は従業員50人以下の事業所)から、製造業の従業員50人以下のすべての事業所に拡大することにより、技能を持つ外国人労働者の雇用を積極的に支援する。

参考

  • 雇用労働部Web情報

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