台湾における行政組織再編

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  • 国別労働トピック:2005年4月

行政院(内閣)は、「行政院組織法」、「機能と組織の調整に関する暫定法」、「中央行政機関統制基本法」の3つの行政組織再編に関する法案を承認した。今回の法案承認により、行政院は13の省庁と委員会もしくは審議会に再編され、中央政府職員の総数は、現状の20万500人から18万3000人へと15500人が減少することになる。

先日、新たに任命された謝長廷首相は、「行政院は、行政組織再編に関する3法案を立法院に提出する。今議会中に立法院が同法案を承認するよう期待している」と述べている。

グローバリゼーションの進展に伴い、行政効率の向上を目的に「行政院再編促進委員会」が設置された。同委員会は、主要国の中央行政組織の設置に関する現状を検討し、組織再編機能と「中央行政組織法」の見直しを図った後、「行政院組織法修正案」を提出している。

この「行政院組織法修正案」によれば、旧来省庁を統合・強化するため、中央行政組織を「内務・領土保全部」、「外交・外国人問題部」、「防衛・退役軍人事務部」、「財務部」、「教育・体育部」、「法務部」、「経済・貿易部」、「運輸・建設部」に分ける。旧来省庁は、名称を存続もしくは一部修正し、主な責任と機能の強化・再編を図ること期待される。また、「労働・人的資源部」、「農業部」、「衛生・社会保障部」、「環境資源部」、「文化・観光部」の5省庁を新設する。

上記の新設省庁は、世界の趨勢と台湾行政組織再編の必要性に対処することを基本とする。

また、省庁横断的な以下の4つの閣僚審議会を設置する。

「行政院国家開発・技術審議会」、「行政院海洋審議会」、「行政院原住民族審議会」、「行政院ハカ民族審議会」。

上記の省庁横断的な4つの閣僚審議会の目的は、文化・民族の多角的開発を重視し、国家開発戦略手段の統合・調整を強化し、海洋国家の構築を目指す上で、政策を調整・統合する役割を果たすことにある。

さらに、行政院本部の意思決定・計画レベルでの機能を向上させるために、以下を実施する。

  1. 政務委員会の政策調整・統合機能を強化する。
  2. 行政院の職務負担が過大になることに対処するために、副委員長1名、議長1名、政務顧問7名から9名を増員する。
  3. 予算・決算、公務員・組織管理、法務・情報管理に関する政府の重要な全般業務に対処するために、非常勤会計士、労務担当者、法務担当者、情報担当者の各役職を新設する。

「行政院組織法修正案」の目的は、グローバリゼーションと国際競争力という課題に対処するために、弾力的かつ効率的な行政組織を構築することにある。今回の修正法案が発効することによって、行政院は、迅速かつ効果的なサービスを国民に提供し、グローバリゼーションに伴う新たな問題に対処する能力を強化し、公共支出の規模を効果的に管理し、政府の役割を明確にし、政府の機能と効率を高めることが期待されている。

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