通信分野の発展と雇用創出の可能性

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2004年8月

メキシコ国家統計・地理・情報処理局(INEGI)によれば、2004年1月~4月における製造業の就業人口は、前年同期から3.3%減少した。しかし経済の動きは、ようやく回復局面に入ったとみられる。2004年第1四半期、実質GDPは低迷の続いた製造業がプラスに転じ、全ての産業でプラス成長となった。

第1四半期GDPを産業別にみると、通信・運輸・倉庫部門で9.5%と高成長を記録した。メキシコの電気通信分野は、1990年代に大きく成長し、国際電機通信連合(ITU)によれば、ネットワークの拡張や電気通信産業の近代化のために、この期間に22億米ドルが投資されている。また携帯電話の普及もめざましい。人口100人当たりの携帯電話回線数は、1996年の1.1回線から2000年には10.6回線と、約10倍に伸びている。2003年時点で、メキシコの携帯電話利用者数は3千万人に上るという。

メキシコの携帯電話会社アメリカ・モビル社は、国内市場の約8割のシェアを占めている。また中南米市場でも、同社は積極的な事業展開を行っている。中南米市場の携帯電話の利用者数は1億人を超えるが、アメリカ・モビル社はスペインのテレフォニカ・モビレス社と市場を二分しており、それぞれ約4千万人の顧客を抱えるという。

いわゆる「地下経済」の就業者が労働力人口の相当のウェイトを占めているといわれる中、通信関連分野は、製造、サービスなど幅広い部門での雇用を産みだす可能性がある。

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