低所得者層を対象にした生命保険制度の拡充

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2004年3月

政府が2003年9月から実施し始めた低所得者向け生命保険制度の拡大に着手している。2004年1月からは生命保険に続き、葬儀保険も導入し、今後は失業や農作物に対する保険制度にも広げていく考えだ。

低所得者層の生命保険

一般的に生命保険は個人の任意で加盟し、保険金を支払う制度であるが、低所得者層に関しては、毎月の保険料を納める経済的余裕がないため、保険には加入していない場合が大半である。しかし、低所得者を対象とした福利厚生の充実政策の一環として、政府は2003年9月から、1日1バーツという低価格の保険料を売りに、保険を販売し始めた。保険金が支払われるのは、病死を除いた事故死のみ。死亡時に支払われる保険料は最大30万~40万バーツとなっているが、加入後半年以内の死亡に対して保険金は支払われない。

葬儀保険、農産物保険など新製品を開発予定

2004年1月から導入される新制度として、商務省保険局(DOI)のポチャニー局長が明らかにしたところによると、低所得者層向け保険制度の拡大政策の一環として葬儀保険も開始するということだ。

タイでは、葬儀の儀式が地方によっては1週間行う場合もあり、費用がかさみがちである。そのため、突然の家族の死亡に備えた保険制度への需要が高まっていた。葬儀保険の年間保険料は550バーツで、加入者の死亡年齢に応じて1万~2万バーツが支払われる。

政府は今後、農民を対象にした不作の際の農産物保険、失業保険、学生を対象にした低保険料(1日0.25バーツ)の生命保険なども開発・販売することを明らかにしている。

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