化学産業におけるEUレベルの労使対話の進展

カテゴリー:労使関係

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  • 国別労働トピック:2004年12月

EUレベルの化学産業労使団体の欧州鉱山・化学・エネルギー労働者連合(EMCEF)と欧州化学産業使用者グループ(ECEG)は、2004年9月10日、ヘルシンキにおいて労使対話のための会議を開催した。その会議において、欧州委員会に対し、欧州化学産業における正式なEUレベルの労使対話委員会を設立することを提案すると表明した。

EUレベルでは現在30の産業別労使対話委員会が存在し、広範な問題に関する共同文書を採択してきた。欧州化学産業は、約200万人の労働者を雇用しており、欧州において2番目に大きな産業となっている。もし正式に労使対話委員会が設立されると、欧州レベルにおける最初の大規模な産業別対話の枠組みとなる。EMCEFとECEGは、化学産業及びその労働者双方の利益において、欧州化学産業の発展を主導するために、欧州労使対話の枠組みを活用していきたいとしている。

EMCEFとECEGは、近年、徐々に協力関係を深めてきており、2003年11月に開催した労使会議では、欧州化学企業の産業政策に関する共同宣言に署名した。

9月のヘルシンキ会議で、EMCEFとECEGは、「欧州化学産業における教育、職業訓練、生涯学習」と題する共同文書を発表した。この文書において、労使は、手始めに、化学産業における現在の技能・資格水準、職業訓練、生涯学習に関する詳細な分析を行うための共同ワーキング・グループを立ち上げることで合意した。次のステップとしては、将来の発展を支援するための基礎として、各国の成功事例の比較と情報交換を挙げている。共同文書はまた、化学産業のイメージ向上、学校における化学教育支援の強化、すべての化学産業労働者のための教育訓練・生涯学習等のキャリア形成支援――などの進め方に関する問題についても検討している。

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