外国人雇用許可制の運用が本格化
韓国では本年8月17日から外国人雇用許可制度が施行されている。これに基づき、ベトナム、タイなどからすでに300人弱の外国人労働者が入国したことを韓国労働省が明らかにした。今後は外国人労働者の入国が毎週1回、定期的に行われる予定であり、雇用許可制の運用が本格化しつつある。
外国人雇用許可制の概要
外国人雇用許可制は、
- 常時勤労者300人未満の中小製造業、
- 建設業(工事規模300ウォン(注1)以下)、
- サービス分野6業種(飲食店業、事業支援サービス業(建築物一般・産業設備清掃業)、社会福祉事業、清掃関連サービス業、看病サービス業、家事サービス業)、
- 遠近海漁業(10トン以上25トン未満漁船など)、
- 農畜産業(一定規模以上の企業型農畜産業)
について、政府(労働省・雇用安定センター)のあっせんの元に、3年を限度に外国人労働者の就労を認めるというものである。その導入に伴い出入国管理法施行令入管法が改正され、「非専門就業」という在留資格が新設されている。
雇用許可制の導入に当たり、韓国政府は経過措置として不法在留者の一部合法化を行った。具体的には中小製造業・建設業・一部サービス業・遠近海漁業・農畜産業に従事している外国人(建設業・サービス業は朝鮮族に限定)で、
- 2003年3月末時点で在留3年未満の不法在留者にはそのまま2年間の就業資格を付与、
- 3年以上4年未満の者には査証発給認定書を発給し、一旦出国することを条件に出国前の在留期間と合わせて5年の範囲内で就業資格を認定、
- 4年以上の者は11月15日を自主出国期限(この期間までに出国すればその後の観光ビザ等の発給に影響を及ぼさないとのこと)
とし、それ以降は不法在留者として強力に取り締まるというものであった。
すでに300人近くが入国
韓国労働省によれば(注2)、この雇用許可制に基づき10月5日までに284名の外国人労働者が入国した。その内訳はタイ出身者47名、ベトナム112名、モンゴル75名、フィリピン 50名などで、全国100企業で3年間勤務することとなっている。
今回の入国者の平均年齢は28歳、高卒以上の学力を有し、本国で製造業などの勤務経歴がある良質の労働者が選定されている。また彼らは入国前に韓国語、韓国文化の理解、外国人雇用許可制などについて150時間以上の事前教育を受けている。
彼らの勤務先はソウル・京仁など中部地域83か所、嶺南16カ所、湘南1か所の企業100社で、いずれも繊維製造、自動車部品などの製造業の中小企業である。
今回の入国者のうちには、昨年の不法在留者の自主出国期間に出国した者3名が含まれている。また、自主出国者のうち80余名がすでにあっせんを通じて韓国内での労働契約を締結しており、近いうちに再入国予定である。
今後の見込み
今後、外国人労働者の入国は毎週1回定期的に行われる。すでに韓国労働省は、フィリピン、ベトナム、モンゴル、タイ、インドネシア、スリランカの6カ国から2万2326名の求職者名簿を受け付けており、このうち5347人にあっせんを通じて雇用許可書を発給し、4249名と労働契約を締結している。一方外国人労働者の勤務先としては、10月7日現在で韓国内の4723企業から8519名の求人が申請されている。
注
- 100ウォン≒9.52円(※みずほ銀行ウェブサイト2004年11月4日現在)
- 労働ニュース(韓国労働省発行、10月11日付)による。
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