Socso、適用対象を拡大

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年4月

フォン人的資源大臣は1月13日、社会保障機構(Socso)の適用対象を拡大する方向で検討していることを明らかにした。現在加入資格があるのは月収2000リンギ未満の従業員だが、この上限を3000リンギに引き上げる。

社会保障機構(Socso)は「従業員社会保障法」の運営機関。同法が用意している保障制度には、業務上災害による傷害・疾病・死亡に対して補償する「業務上災害補償保険制度」と、傷病の結果、廃疾(就労不能)になった者に対して年金を補償する「廃疾年金制度」の二つがある。

財源は、前者については使用者が拠出する掛金によって、後者については使用者と従業員が折半して拠出する掛金によって、それぞれ賄われる。掛金率は前者が各従業員の月収の1.25%、後者が同1.00%で、両者の合計2.25%のうち使用者が1.5%、従業員が0.50%を負担することになる。

Socsoが想定している主な対象者は、工場労働者や機械工など傷害を負う可能性の高い職種で、これらの労働者をカバーしながらも対象者を増やさないように、1992年に対象者の月収の上限を2000リンギに設定した。ところがフォン大臣によると、こうした熟練労働者らは現在2000リンギ以上の月収を得ていて、Socsoの対象からはずれてしまうケースが生じていたため、今回の動きとなった。

月収上限を3000リンギに引き上げるには従業員社会保障法の改正が必要だが、実現すれば対象者はさらに約6万人増えると見られる。使用者にとっては負担が増えることになるので、マレーシア経営者連盟(MEF)は人的資源省に対して再考を求めいく方針だ。

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