斗山重工業に対する労働部の特別調査と調停案勧告

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年4月

労働部は2月24日、「斗山重工業に対して2月5日から22日にかけて特別調査を実施した結果、経営側の不当労働行為を確認したので、補足調査を経て関係者を司法処理する方針である」と発表した。労働部によると、経営側はストに積極的に参加した組合員に対して本来の職種ではない雑務に従事させた。これについては、「労組が正当な活動を行い、正当な争議行為などに参加したのを理由に組合員に不利益を与えてはならない」と定められた労働組合および労働関係調整法第81条第1号および5号を違反したものであるということが確認された。

その他に、組合員の性向や労組との関係などに基づいて等級リストを作成し、労組の組合員投票に介入したことも確認された。ただし、労組側が主張していた「スト参加者に対する特別・延長勤務上の差別・不利益」については、各部署での勤怠状況と経営側の組合員別等級リストとの関係は確認されたものの、等級による差別のケースはみつからなかったことも付け加えられた。

このような特別調査結果を発表すると同時に、労働部は「労使双方に対して数回調停を試みたが、合意案を見出すことができず、これ以上調停を続けられないと判断し、労使双方に調停案を勧告したこと」を明らかにした。その主な内容は次の通りである。1.組合員個人に対する財産仮差押は焼身自殺した組合員の葬式が終わった後、遡及して解除する。2.組合費の仮差押は葬式が終わってから組合費の該当部分の40%に対してのみ適用する。3.解雇者の復職および懲戒解除問題は労働委員会と裁判所の決定に従う。4.2002年のスト期間中発生した「無断欠勤処理による賃金目減り分」の50%は組合員の生計費補填の名目で支給するなど。

  • 労働部の調停案に対して経営側はその受け入れを表明したが、労組側はそれを拒否し、金属労組との連帯闘争に持ち込もうとしており労使紛争は再び長期化の様相を呈している。

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