2002年平均失業者数406万人

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年4月

連邦雇用庁が2003年1月9日に発表した労働市場統計によると、2002年12月の失業者数は前年同月比で26万人増加して422万5000人となり、12月の失業者数としては199年以来の増加を記録し、これによって2002年の平均失業者数は2001年の385万人から406万人に増加した。12月の失業率は10.1%、2002年平均失業率は9.8%(2001年は9.4%)だった。

2002年の平均失業者数と平均失業率を地域別で見ると、西独地域では264万9000人、.9%(2001年は24万8000人、.4%)、東独地域では141万1000人、18.0%(2001年は13万4000人、1.5%)だった。また、2002年全ドイツ平均就業者数は386万1000人(2001年は3891万000人)だった。

ゲルスター連邦雇用庁理事長は、ドイツにおける景気の低迷とともに賃金外コストが高いという構造的要因を失業悪化の要因としており、これが労働のコストを上昇させて労働需要の拡大を妨げているとしている。また同理事長は、雇用増加を生むには1.5~2%の年間経済成長が必要で、現在予測される年間成長率0.6~1%では雇用の増加を生むには低すぎるとし、同様に経済研究所や銀行エコノミストも、現在の景気状況では2003年の年間失業者数は420万人に上昇する可能性があると懸念を表明している。

このような統計発表を受けて、クレーメント経済労働相(社会民主党SPD)は、失業との戦いを最優先課題にするとしているが、当面は失業者数を長期的に400万人未満に抑えることが最大の目標となろう。

これに対して、最大野党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は、統計に現れている労働市場の悪化を連邦政府の労働市場政策の失敗によると厳しく批判しているが、ミュンテフェリングSPD連邦議会院内総務は、政府はハルツ答申実施法によって、労働市場改善の重要な前提条件をすでに作り出していると述べている。

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