外国人人口、大きく減少

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年3月

シンガポールに在住する外国人の数が減少している。2002年12月の政府発表によると、同年6月の外国人人口は78万5400人で、1年前と比較して2万7000人(3.3%)減少した。減少幅は過去16年間で最大。なかなか好転しない経済状況が外国人の数にも反映した格好だ。

近年の外国人人口を見ると、1997年のアジア経済危機の影響が出た1999年にやはり急激な減少を経験したが、それでも減少率は2.4%で、今回の3.3%よりも低かった。

小売業や外食産業などでとくに減少が目立っており、なかには1年前と比較して活動を半分以下に縮小せざるを得ない事業主も出ている。今後、すべての部門にマイナスの影響が出るのではないかと懸念する声があがりはじめている。

1986年の外国人人口は約21万5000人であったが、以後これまでに4倍に増加したことになる。背景には好景気のほかに、有能な外国人を積極的に受け入れてきた政府の政策がある。シンガポールの人口は2002年6月時点で416万人だが、今後外国人の増加によって全人口が顕著に増加することはないと見られている。

外国人労働者雇用税、半年据え置き

政府は2002年12月12日、外国人労働者の採用に対する課税賦課金(Levy)、いわゆる雇用税を2003年6月まで据え置くと発表した。アジア経済危機の影響による使用者のコスト負担を軽減するため、1999年に現行水準に引き下げて以来、据え置かれたままであった。

雇用税は使用者が負担するものだが、政府は、外国人労働者に対する需給を、部門ごとの外国人依存率と雇用税額を変更することで調整している。

外国人労働者に対する依存率と課税
部門 依存率 課金(Sドル/月)
製造 全就労者数の40%まで 熟練30
非熟練240
全就労者数の40%を超え50%まで 熟練30
非熟練310
建設 シンガポール人1人につき5人まで 熟練30
    非熟練470
港湾・荷役・造船現場 シンガポール人1人につき3人まで 熟練30
    非熟練295
サービス 全就労者数の30%まで 熟練30
非熟練240
家政婦   345

出所:人材開発省ホームページ

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