ACTU、労使関係委員会に対し解雇手当引き上げを請求

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年3月

オーストラリア労働組合評議会(ACTU)は、2002年12月に労使関係委員会(AIRC)に対し解雇手当引き上げ等を求める申請を提起した。今回の申請は、長期にわたり勤続する臨時労働者が増えていること、また高齢労働者ほど再就職が困難な状況を考慮した内容となっている。

申請内容

オーストラリアでは、AIRCによるアワード(裁定)を通じ労働条件の多くが決定されている。ACTUは、今回の申請でアワードの中の最低条件としての解雇手当の引き上げや解雇手続の適正化を求めている。具体的には、1.12カ月以上継続勤務している臨時労働者(有期契約労働者)についても解雇手当の支払いを義務づける、2.解雇にあたっては使用者に対し労働者との事前協議を義務づける、3.解雇後の求職支援に関する手当制度を設ける、4.45歳以上の労働者を解雇する場合は通常の手当に加えて割増金を支払う、といった内容となっている。

臨時労働者の多くが1年以上同じ使用者の下で働いているにも関わらず、解雇手当の支払いを受けていない。また高齢労働者の失業期間が長期化しているため、申請では45歳以上の労働者で勤続期間が6年を超える者については解雇手当として現行の8週間分の賃金にかえて20週間分に引き上げるといった提案が行われている。

ACTUの申請に対しては、使用者団体が労働コストの引き上げにつながるとして反発している。AIRCの審理は2003年5月に行われる予定である。

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