「欧州における女性と男性の生涯」報告書の公表

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年2月

欧州委員会とEurostatは、2002年10月に共同で作成した「欧州における女性と男性の生涯」報告書を公表した。報告書は、青年期、成人期、退職期に分けて各々の段階での問題に焦点を当てている。

報告書の内容

報告書の目的は、収入や影響力、社会における役割の観点から男女の相対的状況を示すことでジェンダーに関する統計を一同に紹介することにある。

まず青年期の部分では、人口動態と教育への参加が焦点となっている。特に高等教育への参加については男女間で格差が見られた。1999/2000年度において、18歳から21歳の年齢層ではすべての加盟国で女性の方が男性よりも参加率が高かった。22歳から24歳の年齢層、25歳から28歳の年齢層においても8カ国で女性の参加率の方が高かった。男女ともに参加率が高かったのは、18歳から21歳の年齢層の場合はベルギーとギリシャであり、それ以外の年齢層についてはいずれもフィンランドがもっとも高くなっている。

成人期の部分では、雇用と賃金、意思決定への参加が焦点となっている。まず管理職に占める割合では、EU全体で見ると男性が女性のほぼ2倍となっている。格差が大きかったのはイタリア、デンマーク、フィンランドで、格差がもっとも小さかったのはスペインとアイルランドであった。賃金については、1998年の統計に基づいているが、それによると加盟国ほぼすべてで男性の賃金が女性より高かった。時間あたり平均賃金で見ると、男性の賃金を100とした場合、女性の賃金は民間部門では82、公共部門では87であった。公共部門、民間部門ともに男女間の格差が大きかったのはドイツであった。

退職期の部分では雇用、収入と社会生活等が扱われている。例えば65歳以上で独居者の割合はEU全体では女性が44%、男性が16%となっている。

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