初の雇用・社会政策・保健消費者問題閣僚理事会が開催される

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年1月

2002年10月8日にルクセンブルグにおいて初めての雇用・社会政策・保健消費者問題閣僚理事会が開催された。セビリア欧州理事会で決定された閣僚理事会改革により、従前の雇用社会政策閣僚理事会は上記の組織に再編された。

理事会における議題

今回の閣僚理事会では、雇用社会政策問題に関する幅広い事項が議論された。主要な議題は雇用政策や派遣労働に関する指令案、そして電磁波からの労働者の保護などであった。

まず雇用政策については、欧州委員会が提示した2つのコミュニケが取り上げられた。その2つのコミュニケとは、欧州雇用戦略の評価に関するものと経済雇用政策の調整サイクルの合理化に関するものである。この点については今後の閣僚理事会でも議論される予定であるが、理事会は基本的にはこれらの戦略を支持する姿勢を示している。

次に派遣労働については、欧州委員会が2002年3月に指令案を示しており、閣僚理事会ではこの指令案が議論された。議長国であるデンマークはこの提案を重視する方針を見せており、加えて指令案が男女労働者に異なる影響をもたらすのかどうかを検討するよう求めている。同指令案も引き続き次回の理事会で取り上げられる予定となっている。

電磁波からの保護に関しては、2002年9月にこの問題に関する専門家セミナーが開催された。セミナーの目的は、保護立法を正当化するのに十分な科学的証拠があるかどうかを実証することにあり、セミナーでは健康に対する深刻な影響の可能性があるとの結論に達した。閣僚理事会はセミナーの結論に注目し、新たな指令案作成準備のために欧州委員会などと協力していくことを確認した。

これ以外には、三者構成による成長と雇用に関する社会サミットを設けるという欧州委員会の提案やジェンダー、貧困、社会的排除といった事項も議論された。

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