大卒就職率、公共部門の需要で大幅低下を免れる
2001年の大学新卒者の就職率は、景気低迷の影響でかなり悪化するものと見られていたが、政府部門の需要が大きかったため、約80%を達成することができた。
シンガポールには、シンガポール国立大学(NUS)とナンヤン工科大学(NTU)の2つの大学がある。3月に公表された両大学の2001年新卒者就職動向調査によれば、就職率はNUSが81.6%、NTUが79.4%であった。対前年比でそれぞれ14%ポイント、12%ポイントも低下しているが、当初の予想はこれよりも遙かに厳しいものであった。たとえばNTUの場合、昨年12月に出された速報値では、就職率はわずか61%にすぎなかった。
大学新卒者の就職率が大幅に低下するのを免れたのは、公共部門の需要が大きかったためだ。2001年のNUS新卒者のうち約半数が公共部門に就職しており、前年の40%を大きく上回った。公共部門は民間よりも初任給が高く、2001年新卒者についても年収で民間より約200Sドル高い3万170Sドルを受け取る。
一方、NTU新卒者の場合、情報通信学部出身者の3分の1が公共部門に就職しており、やはり前年の17%を上回った。
就職率の低下を免れた要因には他に、大学側が学生の就職活動を積極的に支援したことも指摘されている。NTUのキャリア・フェアや学内職業紹介サービスを通じて実際に就職した新卒者は、全体の36.4%に及んでいる。
なお、技術教育をおこなうポリテクニク卒業者の就職率は75%で、前年よりも15%ポイント低かったが、一時は大卒者の就職率を上回る勢いを見せていた。
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