労働組合員数は増加したものの、組織率は低下

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年5月

オーストラリア統計局によると、2001年8月時点の労働組合員数は190万2700人で2000年同月の190万1800人よりも900人増となった。しかし組織率は24.7%から24.5%に低下した。組織率は1992年には40%を記録していたが、その後低下傾向が続いている。

ACTUの反応

オーストラリア労働組合評議会(ACTU)は、産業構造の変化により伝統的に組織率が高かった職種につく労働者が減少する中で、こうした数値を維持できたことを肯定的に捉えている。1997年から2000年にかけて記録された組織率低下のペースが現在まで続いていれば、組織率は23%弱まで落ち込んでいるはずであり、パートタイム労働者の増加や景気減速といった労組にとって逆風となる要素を斟酌すれば、今回の数値はACTU等による草の根レベルの組織化活動の成果があらわれたものと評価されている。

労働組合員数は、製造、建設、電気、ガス・水道といった産業のブルーカラー職種で減少し続けており、これに対し政府行政機関や教育、ホテル・カフェ・レストラン、輸送・保管等の産業では増加している。このような変化を反映し、女性組合員の割合は漸増しており(全体の43%)、またフルタイム労働者に比べ臨時労働者やパートタイム労働者の組合員数・組織率が上昇している。

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