IT労働者を対象としたバーチャル・ユニオンの誕生

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年1月

NSW州労働組合評議会等の支援を受けて、「IT Wokers Alliance」が誕生した。これは、雇用形態にかかわらずIT労働者を対象に労働者としての権利などの情報やIT労働者間の情報交換の場を提供する目的で作られたバーチャル・ユニオンである。

労働組合側は、IT労働者の組織化がこのウェッブサイト開設の第1の目的ではないとしているが、成長産業でありながらこれまで十分に組織化できなかったIT産業における組織化の足がかりを築こうとする意図もあるといわれている。

ウェッブサイト(http://www.itworkers-alliance.org新しいウィンドウ)には、IT労働者を対象とした求人情報や望ましくない使用者の情報、IT関連組合からのニュース、労働者の権利に関する質問コーナーなどが設けられている。

IT労働者の多くは長時間労働を強いられ、不十分な安全衛生環境下で働いていると伝えられ、加えて労組に加入していないために個別雇用契約で働く者が目立っている。こうしたIT労働者に特有の問題に関する情報を交換し、お互いに援助しあうことも、バーチャル・ユニオン結成の目的とされている。

ウェッブサイト開設から48時間以内に2000人以上が同サイトを訪れ、職場での問題に関し労組の支援を要請するケースもいくつか見られた。

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