新労働大臣パトレシア A Sto. トーマス女史に

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

フィリピンの記事一覧

  • 国別労働トピック:2001年7月

パトレシア A Sto. トーマス女史が、新労働雇用大臣に就任した。トーマス労働大臣は、ラグエスマ前労働大臣と同様に、労働雇用省(DOLE)の出身者である。1975年に労働人的資源研究所(ILMS)に就職し、最初は労働者教育行政を担当した。1982年には、海外雇用庁の理事に就任した。アキノ政権では公務員委員会の委員長に就任した。

トーマス労働大臣は、今後の労働政策について明確な政策は打ち出していないが、現地紙によれば、次のような問題の解決が期待されている。

今日のフィリピンの経済状況では、多くの労働者が、最低賃金で労働し、不十分な社会保障政策の下、インフレによる生活費の上昇に苦しい生活を強いられている。なかでも医療保障は問題が多い。また、今後経済のグローバル化が進行することが予想されているにもかかわらず、雇用対策が未整備である。さらに、今後IT産業や他の新しい産業の育成が期待されているが労働者の再教育システムは不十分である。加えて、職業教育により知識や技術を獲得する機会は平等ではない。また、労組の代表は、企業によっては必ずしも労働者の利益を代弁していないケースが見られる。

関連情報