国営企業の民営化

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年7月

政府の国営企業の民営化計画(廃止も含む)は、59の国営企業、約30万人の従業員の雇用に大きな影響を与えている。国営企業大手10社においては、現在約20万人が雇用されているが、その多くは、43存在している国営企業労働組合のいずれかに所属している。これら労組は1975年から1991年の間にtrade unionsとして設立されたが、1991年には集団交渉・ストライキの勢力を弱め、民間企業の労組との結びつきを防ぐために、associationsと改名させられることとなった。

国営企業のなかには、失業者を出さないよう配慮しつつ、段階的に民間企業の事業参加が行なわれているところもある。例えば、郵便や小包の配達、高速道路の建設や運営といった近代的な通信事業は、より効率的な民間企業に委託している。1999年の国営企業法令が承認された今後においては、民営化が加速する見通しである。ラチャブリ発電所はウイスキー蒸留所、砂糖精製所などと同様に、非効率な運営のために政府の財政を圧迫しており、近々売却予定となっている。

タイ発電公社(EGAT)組合は今年の初頭から、組合員の雇用見通しに関する詳しい情報と助言を政府に求めていた。しかし、政府の歪んだ情報に満足しないEGATの従業員達は、民営化に伴う失業を同様に恐れている他の国営企業の従業員を巻き込み、4千人以上の反対組織を結成した。

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