欧州金属労連、自動車業界再編への対応迫られる

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年6月

欧州金属労連(EMF)は自動車業界の国際的な再編に対応する積極的な政策を策定する時期にきていると考え、次のような提案を行っている。すなわち、(1)企業合併などに対応するよりよい方法を共有するため、(労組)ネットワークを構築すること。(2)業界再編の動きに素早く対応し、共通の戦略をとりうるための手続きを設けることである。

EMFは、企業が雇用に悪影響を及ぼすような決定を行う前に、労働者および労働者代表に情報を提供し、協議すること、欧州委員会が早急に自動車業界における経済的・社会的トレンドをモニターする監視機関を設置すること、加えて社会的に受容できる形で業界再編を管理するための適切な方法を生み出すことなども提案している。

EMFによれば、将来は過剰生産能力と構造変化が自動車業界にとって重大な課題となる。生産能力の実際の使用は今後、全世界で平均76%程度(楽天的な見方によると90%)に落ち込むと予測されており、雇用の一層の縮小につながるおそれがある。

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