開催報告:第13回北東アジア労働フォーラム(2015年11月19日開催)
産業再編と高度化における雇用問題と政策

概要

労働政策研究・研修機構(JILPT)は2015年11月19日、中国労働保障科学研究院(CALSS)・韓国労働研究院(KLI)との共催による第13回北東アジア労働フォーラム(日中韓ワークショップ)を北京で開催しました。今回は中国側がホスト国となり、「産業再編と高度化における雇用問題と政策」をテーマに、3カ国の現状と課題などについて議論が交わされました。

21世紀に入り、中国では特に世界的金融危機以降、急速に産業再編と高度化が進んでいます。経済発展は「新常態(ニューノーマル)」といわれる段階に入っており、経済の下降傾向と構造調整があいまって、雇用には量的矛盾と構造的矛盾という二重の圧力がかかってきています。こうした中、中国政府は現在、生産過剰能力を抑制することをマクロコントロールの重要な課題として掲げています。

一方、新たな世界的技術革新、産業移転の再構築は、世界中の労働市場に新たな機会と課題をもたらしています。こうした労働市場の新しい変化に、雇用調整・失業・職業再訓練・労使関係の観点から対応するため多くの国で対応策を講じているところです。

今回のフォーラムでは、こうした背景を受け、日本および韓国が大規模な産業再編の局面で講じてきた雇用対策を題材に、構造調整に直面する中国の専門家と有効な対策について検討するとともに、3カ国に共通する今日的課題である産業の高度化における政策と雇用慣行について意見交換を行いました。


日時:
2015年11月19日(木曜)
場所:
北京貴州ホテル(中国北京)
主催:
中国 中国人力資源・社会保障部(CALSS)
韓国 韓国労働研究院(KLI)
日本 労働政策研究・研修機構(JILPT)

プログラム

9時00分~9時20分
挨拶
劉燕斌 中国労働保障科学研究院 院長
菅野和夫 労働政策研究·研修機構 理事長
バン・ハナム 韓国労働研究院 院長

第一セッション 対策と措置 9時40分~12時00分

司会:菅野和夫 労働政策研究·研修機構 理事長

9時40分~10時00分
日本における産業別就業構造の変遷と構造不況対策
浅尾裕 労働政策研究·研修機構 特任研究員
10時00分~10時20分
サービス産業の雇用問題と政策課題:流通業と社会サービス業を中心に
ユン・ザヨン 韓国労働研究院 研究員
10時20分~10時40分
生産能力過剰への対応が労働者雇用に対する影響と対策
黄湘閩 中国労働保障科学研究院 博士
10時40分~11時00分
休憩
11時00分~11時20分
指定討論
11時00分~11時10分
四川省人的資源社会保障庁代表
11時10分~11時20分
莫栄 人的資源社会保障部 国際労働保障研究所 所長
11時20分~12時00分
討論
12時00分~14時00分
昼食休憩

第二セッション 具体的な実践 14時00分~17時00分

司会:バンハナム 韓国労働研究院 院長

14時00分~14時20分
グローバルアウトソーシングの職業安定への影響
イ・キョンヒ 韓国労働研究院 研究員
14時20分~14時40分
製造業セクターにおける事業革新と人的資源の問題
藤本 真 労働政策研究・研修機構 副主任研究員
14時40分~15時00分
産業構造調整の大卒就職への影響と対策
莫栄 人的資源社会保障部 国際労働保障研究所 所長
15時00分~15時20分
休憩
15時20分~15時40分
指定討論
15時20分~15時30分
河北省人的資源社会保障庁代表
15時30分~15時40分
山東省人的資源社会保障庁代表
15時40分~17時00分
総合討論

閉会 17時00分~17時10分

司会:劉燕斌 中国労働保障科学研究院 院長

平成27年11月20日掲載

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