中央労組、インフレに上限設定を要求

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年3月

各中央労組は12月、インフレが一定数値を突破する度に、労使交渉を行い、即時インフレ分を補充するシステムを要求する事を協議している。このシステムを正式に要求するに先立ち、次期政権に対してインフレに一定限の目標を定めるよう要求する準備に入った。12月11日の初会合には、6中央労組代表が参加して、03年1月1日に発足する労働党政権に対して、労組として提案する要求事項を協議した。協議内容は給料の自動調整問題の他に、税制改革、農地改革政策、労組改革、労働法改正、社会保障制度改革、雇用政策、所得向上政策などとなっている。

中央労組代表の協議では、インフレ上昇分をそのまま自動的に給料調整の指数に使うことには反対しながら、インフレに限度を設けるよう要求することの正当性を発表した。労組代表は、過去の猛インフレ時代に採用された給料の一律自動調整が、決してインフレに追いつかず、インフレと給料の競争で、更にインフレを煽った苦い経験を持っているためだ。しかし給料保護を理由に政府が再度給料政策を採用することにも反対し、現在の労使自由交渉は、絶対に維持する必要があると確認している。

しかしインフレが給料の目減りを起こすことに沈黙しているわけには行かない。インフレが年間2桁を突破すれば、各労組は即時、損失分を回復するために、労使交渉を開設するよう決議している。労組代表は、インフレがどの数値に達したときに、労組は、労使交渉を要求するかについては公表していない。数値を発表すると、憶測とインフレを煽る原因になると怖れているためだ。労組が公然と指数化を要求すると、その事自体がインフレ理由になるリスクを認めつつも、インフレが進めば、給料の損失を回避する手段を必要とする。その手段をいかなる形で確保するかが、中央労組代表達の悩みとなっている。

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