賃上げは定昇分込みの加重平均で1万6,136円、4.99%に/フード連合定期大会
2026年9月25日 調査部
食品関連産業で働く労働者を組織するフード連合(津崎暁洋会長、11万9,000人)は9月14日、都内で定期大会を開き、今春の賃上げ交渉のまとめを確認した。賃上げ結果は、総額(加重平均)で1万6,136円・4.99%(昨年同時期比160円・0.22ポイント減)。ベースアップ分は同1万1,473円・3.51%(昨年同時期比20円増・0.12ポイント減)だった。まとめは、「ベア1万3,000円程度、総額1万8,000円以上という共通要求水準が中小労組にも浸透し、産別全体の共闘が底上げに作用した」などと評価した。
ベースアップ分は全体の加重平均で1万1,473円・3.51%
フード連合は、2026春季生活闘争を「『賃上げの継続』と『誰も取り残さない処遇改善』を実現する春闘」と位置付け、「物価上昇に負けない賃上げを追求するとともに、中小労組への波及、有期・短時間・契約等労働者を含む格差是正、働き方の見直しを一体的に進め、食品関連産業で働く者の相対的地位の向上をめざした」。賃金引き上げにあたっては、定期昇給相当分(賃金カーブ維持分)を5,000円に設定したうえで、①定期昇給が確立している組合はベースアップ1万3,000円程度②定昇額が5,000円に満たない組合は総額で1万8,000円以上③定期昇給制度未確立の組合は、同制度の確立に取り組むとともに、総額で1万8,000円以上(定期昇給相当額5,000円を含む)――を要求基準に据えた。
最新の賃上げ集計によれば、賃上げ結果(総額)は加重平均で1万6,136円・4.99%となり、昨年同時期の実績を額で160円、率で0.22ポイント下回った。規模別にみると、300人以上規模では1万6,728円・5.02%、300人未満規模は1万3,240円・4.82%。前年実績比では、前者は額で194円、率で0.23ポイント下回り、後者は額で102円上回ったが、率では0.12ポイント下回った。単純平均は1万4,043円・4.94%で、昨年同時期を額で389円上回っている(率は同0.01ポイント減)。規模別では、300人以上規模では1万6,275円・5.14%(同609円・0.01ポイント増)、300人未満規模は1万3,055円・4.83%(同349円増・0.02ポイント減)。
さらに、ベースアップ分の結果をみると、全体では加重平均で1万1,473円・3.51%(昨年同時期比20円増・0.12ポイント減)、300人以上規模は1万1,784円・3.53%(同79円・0.15ポイント減)、300人未満規模は9,370円・3.38%(同546円・0.11ポイント増)となり、中小労組の健闘が目立つ。単純平均は1万185円・3.51%で、昨年同時期比556円・0.09ポイント増。300人以上規模は1万1,540円・3.63%(同590円・0.06ポイント増)、300人未満規模は9,448円・3.44%(同573円・0.12ポイント増)と、いずれも額・率ともに前年同時期を上回る結果になった。
成果をより確かなものにするために配分や制度運用の実態に踏み込んだ点検を
「まとめ」は、「1,000人以上と99人以下のベア回答単純平均の差は2025年の3,416円から2026年は2,520円に縮小した」ことを取り上げて、「ベア1万3,000円程度、総額1万8,000円以上という共通要求水準が中小労組にも浸透し、加盟組合それぞれの粘り強い交渉と、産別全体の共闘が底上げに作用した」と評価し、企業規模間格差の縮小を「2026春闘における明確な成果」だと強調した。
そのうえで、成果をより確かなものにするために、「産別要求水準への到達度だけで評価するのではなく、賃上げが誰に届き、どの制度を通じて、どのように配分されたのかを確認していく必要がある」ことも指摘。初任給の引き上げや若年層への配分が進む一方で、「中堅層・熟練層・現場リーダー層など、経験や技能を積み、職場の中核を担う層の処遇が、その役割や責任に見合っているかについては、引き続き確認が必要」だとして、労組が配分や制度運用の実態にまで踏み込んで点検活動を行う重要性を訴えている。
2027春闘では「『格差是正』も引き続き重要なミッション」(津崎会長)
津崎会長はあいさつで、フード連合の中小労組の賃上げ水準が2024春闘以降、連合を上回り、フード連合の大手と中小労組の規模間格差が3年続けて縮小していることに触れたうえで、「依然として格差が生じているという事実に変わりはない」と主張。「2027春闘において、『格差是正』も引き続き重要なミッションであると捉えている」と述べて、2027春闘でも格差是正に重点を置く考えを鮮明にした。
月給制契約等労働者の賃上げは加重平均で1万1,318円(27組合)
そのほか、月給制有期・短時間・契約等労働者については、昨年同時期より2組合少ない45組合が賃上げを要求し、31組合(同1組合増)が何らかの改善を獲得した。賃上げ結果は、27組合の加重平均で1万1,318円(昨年同時期比121円増)。
時給制有期・短時間・契約等労働者も昨年同時期比2組合減の35組合が賃上げを要求。改善組合数は前年同時期と同じ19組合だった。賃上げ結果は、14組合の加重平均で58円(同11円増)、平均時給は1,306円(同52円増)となっている。


