賃上げは単純平均で9,670円、3.49%に/国民春闘共闘の26春闘中間総括
2026年7月3日 調査部
全労連や純中立労組懇などで構成する国民春闘共闘委員会(代表幹事:秋山正臣・全労連議長)は6月24日、都内でオンライン併用の第2回単産・地方代表者会議を開き、2026年春闘の中間総括を確認した。6月4日現在の賃上げ集計では、回答引き出し組合の単純平均は、額が前年同期を931円上回る9,670円、率も同0.23ポイント増の3.49%となった。非正規労働者の賃上げも、時給制の単純平均は額が50.7円、率では5.37%と、どちらも前年同期の実績を上回っている。中間総括は、「賃金引き上げの流れを継続させ大きく上回ることができている」と評価。その一方で、非正規労働者の賃上げが「昨年の最低賃金の引き上げ額全国平均66円を上回ることができていない」などとして、春闘終盤に向けた取り組みの強化を訴えている。
加重平均は前年同期比1,874円増の1万211円(3.23%)
国民春闘共闘の第7回賃上げ集計によると、6月4日までに922組合が何らかの回答を引き出している。このうち、金額もしくは率が明らかになっている有額回答を得た組合は631組合(68.4%)で、「定昇確保」などの言葉による回答を得た組合が291組合(31.6%)だった。
有額回答を引き出した組合の単純平均(一組合あたりの平均)は前年同期比931円・0.23ポイント増の9,670円・3.49%。組合員一人あたりの加重平均では同1,874円・0.44ポイント増の1万211円・3.23%となった。中間総括は、こうした結果を「24年、25年春闘とつくりあげて来た賃金引き上げの流れを継続させ大きく上回ることができている」と評価している。
前年実績と比較できる542組合の単純平均額は9,465円で前年実績を846円上回る。率で対比可能な304組合の賃上げ率をみても、単純平均で3.47%と、前年より0.08ポイント上昇している。なお、前年実績を超える回答を引き出した組合は、額で276組合、率では142組合だった。
非正規労働者の時間額の引き上げは50円台に
非正規労働者の賃上げ状況については、14単産192組合から416件の実績の報告があった。時給制では249件の報告があり、そのうち引き上げ額がわかっている196件の単純平均は50.7円、率では44件の平均で5.37%。前年同期の実績を額で5.8円、率も1.06ポイント上回っている。月給制では87件の報告が寄せられ、引き上げ額は78件の単純平均で6,853円、率では28件の平均で3.06%となった。こちらも前年同期を額で1,142円、率で0.33ポイント上回っている。中間総括は、時給制労働者の改定率が正規労働者を上回ったことに触れて「正規と非正規の格差是正には一歩前進した」とする一方で、「昨年の最低賃金の平均時給66円(6.3%)の引き上げに及ばない水準だ」とも指摘。そのうえで、非正規労働者の賃金底上げについて「最も重要なのは個々の職場で低賃金労働者を放置しないこと」だと主張。「職場での賃上げが実現することで、最低賃金を引き上げさせる労働組合主導の賃上げへと進めていく」との方向性を示した。
なお、企業内最低賃金協定の改定状況は、7単産66組合から時間額63件、日額17件、月額22件の報告があがっている。時間額の改定では、新協定額の報告があった59件の単純平均が1,190円、日額では同14件の平均9,865円、月額は同19件の平均が19万1,674円となっている。
労組主導の賃上げの展開で高水準回答を継続
中間総括はこうした結果を、「労働組合主導の賃上げをつくる実践が展開され、およそ30年ぶりの高い水準の賃上げ回答を継続しており、昨年の同時期を上回る賃上げ額を引き出している」などと評価。さらに、「いわゆるケア労働者の賃上げで超低額回答が続いてきたなかで、粘り強い交渉や社会的な賃金闘争を強めることで昨年の賃上げを超える回答を引き出した」ことや、「非正規労働者の賃上げが、昨年を上回るも昨年の最低賃金の引き上げ額全国平均66円を上回ることができていないことがあり、春闘終盤に向けて粘り強いたたかいを展開している」ことなどを特徴点としてあげた。
最後まで要求書を提出して交渉で勝ち取るたたかいを
特に、これまで低額回答で推移してきた医療や介護、障害・福祉などの産業で働くケア労働者の賃上げについて、第7回集計では「医療で引き上げ額が8,894円(2.77%)、福祉や介護では、1万442円(3.80%)と昨年を上回り、障害・福祉、介護、保育では全体平均を上回る回答を引き出している」ことに言及した。中間総括によると、第1回集計に比べ、医療は1.62倍となる3,413円、障害・福祉、介護、保育では2.15倍となる5,593円の上積みがそれぞれ図られている。
ただし、国民春闘共闘の第3回進ちょく状況調査をみると、5月7日時点で要求を提出しているのは、日本医労連の調査組合で54.9%、福祉保育労は同32.7%にとどまっている。こうした状況などを踏まえ、中間総括は「最後まで賃上げ要求書を提出して交渉で勝ち取るたたかいが求められる」と強調している。
「長年の賃金抑制を打ち破り賃上げを3年連続で勝ち取った」(秋山代表幹事)
秋山代表幹事は冒頭のあいさつで、26春闘の内容について「わたしたちのたたかいがあればこそ、長年の賃金抑制を打ち破り、賃上げを3年連続で勝ち取った。わずかだが、抑制され続けていた中高年層の賃金改善も進んだ」などと評価した。


