日野やダイハツでは総額での賃上げ要求額が2万円を超える/自動車大手労組が要求提出

2026年2月27日 調査部

自動車総連(金子晃浩会長、78万3,000人)に加盟するメーカー部会の大手12組合は2月18日、揃って「2026年総合生活改善の取り組み」に関する要求書を経営側に提出した。日野労組は、平均賃金要求で昨年を3,000円上回る総額2万1,000円を要求。ダイハツ労組も、昨年を800円上回り2万2,000円と、2万円を超える水準を求めている。一時金要求では、12組合の多くが昨年を下回っており、トヨタ労組では昨年から0.3カ月低い7.3カ月を要求している。

平均賃金要求はヤマハ発動機が1万9,400円、マツダなどが1万9,000円を掲げる

メーカー部会の大手12組合は、完成車メーカー11組織と部品・車体部門を代表する部品メーカー1組織で構成(部品メーカーは入れ替わり制)。完成車メーカーはトヨタ、日産、本田技研、マツダ、三菱自工、スズキ、SUBARU、ダイハツ、いすゞ、日野、ヤマハ発動機、部品メーカーは2024年から3年連続で日本特殊陶業という顔ぶれとなっている(いずれも組合名)。

自動車総連が公表した12組合の要求内容をみていくと、平均賃金要求では、本田技研労組は総額で1万8,500円と、昨年要求より1,000円低い水準(賃金改善分だけでの額は公表していない)。マツダ労組は1万9,000円(同)で、昨年要求より1,000円高い水準となっている。三菱自工労組は昨年要求を1,000円下回る1万8,000円(同)、スズキ労組は昨年要求と同水準の1万9,000円(同)となっており、ダイハツ労組は、昨年要求を800円上回る2万2,000円(同)を要求している。

いすゞ労組の要求額は1万9,000円(同)で、昨年要求と同水準。日野労組は昨年要求より3,000円高い2万1,000円(同)、ヤマハ発動機労組は昨年要求より600円低い1万9,400円(同)、日本特殊陶業労組は昨年要求より2,400円低い1万6,600円(同)となっている。

メーカー部会大手9組合の要求額平均は1万9,167円に

一方、SUBARU労組は、昨年は平均賃金での要求を行っていたが、今年は平均賃金でなく、職域ごとに「基幹職で2,300円~5万100円、専任職で5,000円~4万円」と要求。日産労組は、「全組合員の最低限の生活水準を維持するための、賃金制度に基づく改定原資+特別配分」との文言を示し、要求額を非公開とした。

また、トヨタ労組の平均賃金での要求内容も、公式的には非公開。個別賃金での要求は、「若手技能職」が36万6,210円で、昨年(35万2,540円)より1万3,670円高い水準、「中堅技能職」が43万8,230円で、昨年(42万6,000円)より1万2,230円高い水準、「技能職EX級 技能3等級」が47万2,070円で、昨年(45万5,670円)より1万6,400円高い水準となっている。

自動車総連によると、トヨタ労組、日産労組、SUBARU労組を除くメーカー部会の大手9組合の要求額の平均は1万9,167円で、昨年(1万9,470円)より303円低くなっている。

一時金はトヨタで3年連続7カ月を超える要求

一時金の要求額は、トヨタ労組が7.3カ月を要求しており、3年連続で7カ月を超える水準としたものの、昨年要求と比べると0.3カ月下回っている。本田技研労組は同1.5カ月下回る5.4カ月、マツダ労組は同0.3カ月下回る5.1カ月、三菱自工労組は同0.7カ月下回る5.0カ月となっている。

スズキ労組は6.3カ月で、昨年要求から0.3カ月引き下げた。SUBARU労組は同0.9カ月下回る「5.0+0.4カ月」とする一方、ダイハツ労組は同0.3カ月上回る5.7カ月を要求している。

そのほか、いすゞ労組は昨年を0.2カ月下回る5.8カ月、日野労組は昨年を0.2カ月上回る5.2カ月を要求。ヤマハ発動機労組は昨年を0.9カ月下回る5.3カ月としている。日本特殊陶業労組は「業績連動」としている。日産労組は「安定的な生活を守るための最低限の水準」との文言を示し、要求額を非公開とした。

自動車総連によると、日産労組、日本特殊陶業労組を除くメーカー部会の大手10組合の要求月数の平均は5.7カ月で、昨年(6.0カ月)より0.3カ月低くなっている。

ヤマハ発動機では2026年度カレンダーの年間休日1日増を掲げる

2027年までに休日5日増をめざす年間休日数の引き上げについては、通年で継続協議とする労組が多いなか、ヤマハ発動機労組では「2026年度カレンダーにおいて、年間休日数を1日追加する」ことを要求。自動車総連によると、同要求は「メーカー労組だけではなく、グループ労連の中で統一の要求である」という。また、日本特殊陶業労組では「2028年度カレンダーまでに年間休日数を126日とすること」を要求し、複数年での取り組みとしている。

このほか、「非正規雇用で働く仲間に関する取り組み」では、三菱自工労組が賃金改善分として時給制80円を要求。本田技研労組では「直接雇用の非正規従業員に対し、組合員との関連性を意識した賃金引き上げの個別検討を要望する」と掲げている。

「各労組の目指すべき取り組みがしっかりと共有された結果」と評価/金子会長

金子会長は、自動車総連が掲げる取り組み方針について「要求時点だけでなく、結果にこだわる姿勢を例年以上に明確に示している」と強調したうえで、「各構成組織で交渉にしっかり臨んでもらいたい」と訴えた。

また大手12組合の要求内容については、米国の関税政策の影響などから「自動車産業の状況が相対的に厳しくなっている」と指摘しつつ、「そうしたなかでも昨年とおおむね同水準の要求内容で、今年における各労組の目指すべき取り組みがしっかりと共有された結果と、好意的に受け止めている」と評価。各労組の要求が最後まで反映されるようサポートしていくことを示した。